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サイドストーリー・妹の冒険
不在時の襲来
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「……ジゼルお嬢様。何故そんな所から」
「見本品は大人しく木箱に収まっとくもんよ」
「はぁ。まぁ見本品……言い得てますけど。なんかあったんですか?」
「まぁね。面倒そうなのに引っかかっただけや。名乗らんでトンズラしたから安心して?」
マルコは「あー…」とか言いながら額に手を当てて唸っていたけど、知らん知らん。私は代役を恙無くやり切った。文句ないやろ?
思考を切り替えて、私は持って来た服に着替えて夕暮れに染まりつつある街へと繰り出した。
その一団が訪れたのは、翌日の昼過ぎだった。
明らかに質は良いが家紋のない黒くて艶々した馬車が、無遠慮に店先に止まったかと思うと、屈強そうな男が数人中へと入ってジロジロと睨みを効かせた。
何だ何だと皆目を丸めつつ、従業員に呼ばれて奥から出てきたマルコは優しげな顔にシワを寄せて笑顔を作りつつも、冷ややかな雰囲気は隠さずに他の店員へと指示を飛ばした。
屈強な男たちが店舗の一角を客を居ない状態にすると、ようやく馬車の扉が開き、1人の青年が降りて来た。
「ようこそおいで下さいました。本日はどのような商品をお求めでしょうか」
恭しく頭を垂れて、礼をするマルコは気にせず先に声をかけた。
「ほぉ……納入している商品以外にも色々扱っているようだな…………」
「何かお探しでございますか?宜しければ個室でお伺いいたしますが」
「……いや。先日こちらから城へ納品の際に同行した女性は─ 、居ないようだな」
「見本品は大人しく木箱に収まっとくもんよ」
「はぁ。まぁ見本品……言い得てますけど。なんかあったんですか?」
「まぁね。面倒そうなのに引っかかっただけや。名乗らんでトンズラしたから安心して?」
マルコは「あー…」とか言いながら額に手を当てて唸っていたけど、知らん知らん。私は代役を恙無くやり切った。文句ないやろ?
思考を切り替えて、私は持って来た服に着替えて夕暮れに染まりつつある街へと繰り出した。
その一団が訪れたのは、翌日の昼過ぎだった。
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「ほぉ……納入している商品以外にも色々扱っているようだな…………」
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