別に要りませんけど?

ユウキ

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サイドストーリー・妹の冒険

貼られたレッテルは見えません

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 キョロキョロと見回す客に、マルコはそうとは思わせずに観察する。

 入場リストをこんなに早く参照できるということは、役職者……若いから違うな。と言うことは、無理を押し通せる王族だろう。そう当たりをつけたマルコは、心の中で“厄介”とレッテルを貼り、笑顔を崩すことなく応える。


「えぇ、彼女は臨時(のお手伝い?)でして。(ここに)常駐しているわけではないので、不在でございます」
「そうなのか?……そうか。いつなら居るんだ?」
「それは(色んな意味で)何とも……(本拠地の隣国では)買い付けを主にしておりますので。今日は早朝から(仮住まいの部屋からふらっと)出たと伺っております」
「ふむ、そうか。働き者なのだな」
「あの……彼女が何か粗相でも?」
「いや、先日城で偶然出会ったのだが、また話がしたくてな」


 偶然遭遇して、また話がしたいだけで馬車を横付けして、店の一角を無断で占拠するという店側からすると暴挙に等しい事をしでかし、「お忍びとは?」と首を傾げたくなる忍びっぷりでやって来たこの青年に、マルコは心の中で“面倒くさい”のレッテルをしっかりと重ね貼りした


「そうですか。必要でございましたら商品の説明にあがらせますが?」


 あくまで商品とその説明のために、時間を限ってなら伺わせますけど?とマルコが問えば、男は「うむ」と鷹揚に頷いた。

 こうして厄介そうな一団は、何を買うこともなく騒がせるだけ騒がせて去っていったのである。
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