帰国した王子の受難

ユウキ

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プロローグ

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久々に国に帰る。

理由は父である、国王からの書簡が届いたからだった。

俺は国王の庶子としてこの世に生まれた。
母は王宮の王妃付き侍女だった。王妃様がご懐妊中の最中、酒に酔っ払った勢いで手を出してしまったとかなんとか。

王妃様は物凄く怒り狂ったが、しかしそこは王妃様だった。第二子として認めて教育を施してくれた。


「どんな理由であれ、一女性が命懸けで産んだ子です。しかも陛下のお血筋。蔑ろにできる筈もありません……私の可愛いエリーゼに手を出すとはおのれっ」


十歳にも満たない頃、何気なく王妃様に聞いた時の答えだ。最後の方は聞こえなかったが、すごく出来た女性だと思う。自分を律して信念を曲げない。王妃様の様な女性と結婚したいなと、幼心に思ったものだ。

しかし、そのように認められて王位継承権も与えられたといえど、恩義ある王妃様のお子である、第一王子、第三王子の障害になりたくなかった俺は、「まだ次代が確定するまでは継承権は放棄してはなりません」という言葉を受けても考えに考えた。

王宮にいる限り、どんなに無能を演じようと、対立派閥や、俺を擁立しようと騒ぐ貴族が出てこないとも限らない。

ではいっそ友好条約を締結したばかりの帝国へ、関係向上を図るために渡るのはどうだろう?と思いついた。


「よし、帝国行こう」


周りが何やら悲鳴をあげる中、決意を固め、諸々の手続きを済ませると、半年後に無期限遊学へと旅だったのだ。



それから数年が経ち、今年で兄である第一王子と同じ十八歳となる。

帝国内でもそれなりに馴染んだ俺は、「継承権放棄したらずっと居なよ」みたいな軽い誘いも受けるようになった。

確かに居心地が良く、進んだ技術も目にでき、気心の知れた友人達と一個人として仕事に励み笑い合えるのは、幸福とも思えた。


── しかし、そこに来ての帰還命令だ。


関係各所へと挨拶を済ませた俺は、急ぎ本国へと向けて出発した。
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