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三章 愛しい人との別れ
愛しい人との別れ 12
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だから、仲がいいのはわかったって。
疎外感からか胸がチクリと痛くなって、ぼくは拗ねたくなった。
それから、ヴィンセント一人でぼくに向かって歩いてくる。
「オレも行く」
ぼくは不思議に思って、「なぜ?」と首をかしげた。
「アーシェンといたいからだ。迷惑か?」
ヴィンセントは、ぼくが孤児院に来た時と同じセリフを言って、二ッと笑った。ぼくはふるふると首を横に振る。もちろん、嬉しい。
「だけど、クロムや子供たちは?」
「もうだいじょうぶだ。クロムはオレの立場を理解してくれた」
ヴィンセントが軽く手を振ると、クロムはぼくたちに向かって両手を大きく振った。
「また来いよ! みんな、ヴィンセントたちにバイバイして」
「バイバーイ!」
「また遊んで!」
「ピョンピョンさせて!」
ぼくたちは孤児院のメンバーに見送られて、瞬間移動でぼくの部屋に戻った。
「この部屋に来るのは、久しぶりな気がするな」
ヴィンセントがぼくのモノトーンの部屋を見回した。
「ところで、その袋の中身はなんだったんだ?」
「ブルーチーズ」
ヴィンセントも知らないようだったので、塩気があってワインにも合うはずだと教えると、夕食よりだいぶ早い酒盛りが始まった。こっちに来てから、ぼくは何度もお酒をたしなんでいる。
ぼくたちは会っていなかった数日のことを報告し合った。
ヴィンセントといると、どうしてこんなに楽しいのだろう。
それに、全身の魔力がみなぎっていることも自覚している。魔力は精神面にも大きく影響するようだ。
「酔っちゃった」
ふふっと笑って、ぼくは膝を抱えるようにしてかかとをソファーにのせた。ヴィンセントと二人きりの時は、素の自分を出せる。
「今日からまた、この部屋で寝ていいだろ? 特に明日は付き合ってもらいたい場所があるから、朝から共に行動できた方が都合がいい」
その件については大歓迎だ。一人寝をするには、このベッドは広すぎる。
「どこに行くの?」
「明日説明する。楽しい話じゃないから今は考えたくない。せっかく、久々の二人きりの夜なのに」
ヴィンセントが熱っぽい瞳で見つめてくるので、ドキリとして視線をそらした。
ぼくはヴィンセントといると、すぐにドキドキしてしまう。
「そうだね、一人だと、なかなか寝付けなかったんだ。もう寝ようよ」
ぼくはソファから立ち上がり、ベッドにもぐりこむ。既に寝衣に着替え済みだ。
尻尾があるので、ぼくはいつもヴィンセント側を向いて寝ている。どうせ部屋を暗くするので、お互いの顔は見えない。
ヴィンセントも続いてベッドに入ってくる。ぼくは魔灯を暗めにした。もう少しおしゃべりをしそうなので、まだ真っ暗にはしない。
「なあ、アーシェン」
「なに?」
「オレがいなくて、淋しかったか?」
ぼくは閉じていた目を開ける。一人分ほど距離をあけたところに仰向けになっているヴィンセントが、顔だけこちらに向けていた。
「うん、淋しかった」
ぼくが素直に頷くと、ヴィンセントは内側から湧き上がるような笑みを浮かべた。
「そうか。じゃあ、もっと近くにいてやる」
疎外感からか胸がチクリと痛くなって、ぼくは拗ねたくなった。
それから、ヴィンセント一人でぼくに向かって歩いてくる。
「オレも行く」
ぼくは不思議に思って、「なぜ?」と首をかしげた。
「アーシェンといたいからだ。迷惑か?」
ヴィンセントは、ぼくが孤児院に来た時と同じセリフを言って、二ッと笑った。ぼくはふるふると首を横に振る。もちろん、嬉しい。
「だけど、クロムや子供たちは?」
「もうだいじょうぶだ。クロムはオレの立場を理解してくれた」
ヴィンセントが軽く手を振ると、クロムはぼくたちに向かって両手を大きく振った。
「また来いよ! みんな、ヴィンセントたちにバイバイして」
「バイバーイ!」
「また遊んで!」
「ピョンピョンさせて!」
ぼくたちは孤児院のメンバーに見送られて、瞬間移動でぼくの部屋に戻った。
「この部屋に来るのは、久しぶりな気がするな」
ヴィンセントがぼくのモノトーンの部屋を見回した。
「ところで、その袋の中身はなんだったんだ?」
「ブルーチーズ」
ヴィンセントも知らないようだったので、塩気があってワインにも合うはずだと教えると、夕食よりだいぶ早い酒盛りが始まった。こっちに来てから、ぼくは何度もお酒をたしなんでいる。
ぼくたちは会っていなかった数日のことを報告し合った。
ヴィンセントといると、どうしてこんなに楽しいのだろう。
それに、全身の魔力がみなぎっていることも自覚している。魔力は精神面にも大きく影響するようだ。
「酔っちゃった」
ふふっと笑って、ぼくは膝を抱えるようにしてかかとをソファーにのせた。ヴィンセントと二人きりの時は、素の自分を出せる。
「今日からまた、この部屋で寝ていいだろ? 特に明日は付き合ってもらいたい場所があるから、朝から共に行動できた方が都合がいい」
その件については大歓迎だ。一人寝をするには、このベッドは広すぎる。
「どこに行くの?」
「明日説明する。楽しい話じゃないから今は考えたくない。せっかく、久々の二人きりの夜なのに」
ヴィンセントが熱っぽい瞳で見つめてくるので、ドキリとして視線をそらした。
ぼくはヴィンセントといると、すぐにドキドキしてしまう。
「そうだね、一人だと、なかなか寝付けなかったんだ。もう寝ようよ」
ぼくはソファから立ち上がり、ベッドにもぐりこむ。既に寝衣に着替え済みだ。
尻尾があるので、ぼくはいつもヴィンセント側を向いて寝ている。どうせ部屋を暗くするので、お互いの顔は見えない。
ヴィンセントも続いてベッドに入ってくる。ぼくは魔灯を暗めにした。もう少しおしゃべりをしそうなので、まだ真っ暗にはしない。
「なあ、アーシェン」
「なに?」
「オレがいなくて、淋しかったか?」
ぼくは閉じていた目を開ける。一人分ほど距離をあけたところに仰向けになっているヴィンセントが、顔だけこちらに向けていた。
「うん、淋しかった」
ぼくが素直に頷くと、ヴィンセントは内側から湧き上がるような笑みを浮かべた。
「そうか。じゃあ、もっと近くにいてやる」
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