【完結】流行りの悪役転生したけど、推しを甘やかして育てすぎた。

時々雨

文字の大きさ
2 / 35
思い出した

しおりを挟む

 今日はとても冷え込む…。手が凍りそうだと握りしめながら殿下のお部屋に急ごう早足になる。 

 ふと顔を上げ窓の外をみると雪が降っていた。通りで底冷えするような冷え込み。

「雪か…」  

 そう、前世を思い出したのも雪の日だった。






「ルアネ!ルアネ!!早く!雪が積もってるぞ」

「殿下…そんなに飛び跳ねたら転びますよ」

「大丈夫だ!」

 そう言って殿下はこの宮の裏にある森の方へ走り出す。5歳の子供だ。雪が積もるのが余程嬉しいんだろう。

 殿下を見失わない様に自分も後を追っかける。
この辺りには。雪が積もって見えないが森と庭とで境目あたりに大きな段差があったはず…。

「殿下!お待ちくださいその辺には段差が…!」

 雪に足を取られながら進む。殿下は待ってくれていたようだ。助かる

「ルアネもっと奥に行こう!」

 と言い私の腕を引っ張る。

「森の中は危ないですがらダメです。庭も沢山積もってますから…こちらで」
 
「嫌だ!おくいくの!」

「はぁ。殿下、森の中はいつ雪が上から降って来るか分かりませんし、私とはぐれて殿下が雪に埋もれても殿下の事見つけられる自信はないですよ。誰にも見つからないまま凍え死んでもいいんですか?」 

 下を向き、僕の腕を力いっぱい握りしめながらぶつぶつと呟いてる。
 殿下の護衛の僕はもし殿下が埋もれたら必死で探すがこれくらい脅してもいいだろう。しかし、少し言いすぎてしまったか?と悩んでると右手が動き出したので、これは力ずくで戻さなければと思ったら急に軽くなった。

「え?」

 振り向くと背中から落下中の殿下が目に入る。嘘だろ… 。

「る、ルア、ネ…ぇ!」

 ハッとなって手を伸ばしている殿下に向かって飛び出す。

「フロガッ。」  

 自分も空中落下中に殿下の手を握りしめて、引き寄せて腕の中に閉じ込める。フロガ殿下はこの国の第3王子だ。僕と2歳しか歳が分からないにしても、僕が歳上なのだから僕が助けねば。更にぎゅっと腕の力を込める。背中の衝撃に備える。

「ゥッ。」

 雪がクッションになり思ったより衝撃は無かったが坂道だったらしく勢いが止まらず、そのまま森の奥へ転がり落ちる。殿下だけは無傷で返さなくては!と腕に力を入れる。

 勢いがすごく何時止まるのかとヒヤヒヤしていたら、背中と頭におもいっきり衝撃をうけた。

「ウグッ…ツ!!」
      
ドーンッ!!!   ドカッ。ドサッ!!

 その衝撃で軌道が代わり周りの木にぶつかりまくった。そのおかげで、勢いは止まり雪の中に投げ出された。身体中が痛い。そして頭がぐわんぐわんする。意識が…。殿下の無事を確認しなくては…と瞼を頑張って開く。

「で…でんか。フロ、ガ でんか」

 フロガの金色をふわふわした髪と大きな今にも溢れだしそうな紅色の瞳がこちらを向く。

 あれ。。なんだ?いつも見てるのに何故か遠い昔も金髪とこの紅目知ってるような。

「るあね!!ルアネ…!やだ。しんじゃやだ。。私は…なんともない…」

「フロガ、ぶじで…」

 ルアネ…。ルアネって私のことダヨナ? 待って…何か  思い出しそう
 
 フロガ…  、王子 、金髪…、紅色、ルアネ、雪  

 はっ!!?

 えっ。。も、もしかして…  

 こ、こ、ここって。。 

 もしかして…


 毎日楽しみに読んでたBL小説の世界では~!??!?!!?!


「るあね!!るあね」

 めちゃくちゃフロガに揺さぶられる。やめてくれ頭ぶつけた衝撃で色々(前世とか)思い出して頭が混乱しているんだ…気持ち悪い…。今世は、死にかけて前世思い出すってアホなのでは???

「フロガ…揺さぶるの…は、やめ、て」

「わ、分かった…。こんな時に言うことじゃないって分かってるんだけど…」

 なんだ?

「ルアネが…私のことフロガって名前でま読んでくれて嬉しい。ずっと名前で読んで言っていっても読んでくれなかったから」
 
 と僕の服を握りしめながら言う。

 こちとら、元々体温低いんだ。雪の森の中で死にそうな時に何言ってるんだコイツは…。

 …意識飛びそう

「アホなのか?」

 と気が抜けて笑った事は覚えているが、そこから先はなにも覚えていない。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冤罪で追放された悪役令息、北の辺境で幸せを掴む~恐ろしいと噂の銀狼将軍に嫁いだら、極上の溺愛とモフモフなスローライフが始まりました~

水凪しおん
BL
「君は、俺の宝だ」 無実の罪を着せられ、婚約破棄の末に極寒の辺境へ追放された公爵令息ジュリアン。 彼を待ち受けていたのは、「北の食人狼」と恐れられる将軍グリーグとの政略結婚だった。 死を覚悟したジュリアンだったが、出会った将軍は、噂とは真逆の不器用で心優しいアルファで……? 前世の記憶を持つジュリアンは、現代知識と魔法でボロボロの要塞を快適リフォーム! 手作りスープで将軍の胃袋を掴み、特産品開発で街を救い、気づけば冷徹将軍から規格外の溺愛を受けることに。 一方、ジュリアンを捨てた王都では、破滅の足音が近づいていて――。 冤罪追放から始まる、銀狼将軍との幸せいっぱいな溺愛スローライフ、ここに開幕! 【オメガバース/ハッピーエンド/ざまぁあり/子育て/スパダリ】

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

悪役令息に転生したのに、ヒーローもヒロインも不在で、拾って育てた執事が最強なんだが……なんで?!

はぴねこ
BL
前世の弟が好きだったゲームの世界に、悪役令息として転生してしまった俺。 本来なら、ヒロインをいじめ、ヒーローが活躍するための踏み台になる…… そんな役割のはずなのに、ヒーローともヒロインとも出会えない。 いじめる対象すら見つけられない新米悪役令息とか、ポンコツすぎないだろうか? そんな俺に反して、子供の頃に拾って育てた執事は超優秀で、なぜか「悪役執事スキル」を着実に磨いている。 ……いや、違う! そうじゃない!! 悪役にならなきゃいけないのは俺なんだってば!!! 

悪役会計様に転生した俺は、生徒会長に媚び売って生き残る

桜城 寧
BL
処刑された記憶とともに、BLゲームに登場する悪役会計に転生したことに気付く。処刑されないために、チャラ男としての仮面を被り、生徒会長に媚び売ったり、どうにか能力を駆使したりして生きてたら、色々な人に構われる話。

悪役令嬢の兄に転生!破滅フラグ回避でスローライフを目指すはずが、氷の騎士に溺愛されてます

水凪しおん
BL
三十代半ばの平凡な会社員だった俺は、ある日、乙女ゲーム『君と紡ぐ光の協奏曲』の世界に転生した。 しかも、最推しの悪役令嬢リリアナの兄、アシェルとして。 このままでは妹は断罪され、一家は没落、俺は処刑される運命だ。 そんな未来は絶対に回避しなくてはならない。 俺の夢は、穏やかなスローライフを送ること。ゲームの知識を駆使して妹を心優しい少女に育て上げ、次々と破滅フラグをへし折っていく。 順調に進むスローライフ計画だったが、関わると面倒な攻略対象、「氷の騎士」サイラスになぜか興味を持たれてしまった。 家庭菜園にまで現れる彼に困惑する俺。 だがそれはやがて、国を揺るがす陰謀と、甘く激しい恋の始まりを告げる序曲に過ぎなかった――。

真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~

水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。 アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。 氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。 「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」 辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。 これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!

【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!

煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。 処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。 なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、 婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。 最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・ やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように 仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。 クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・ と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」 と言いやがる!一体誰だ!? その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・ ーーーーーーーー この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に 加筆修正を加えたものです。 リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、 あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。 展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。 続編出ました 転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668 ーーーー 校正・文体の調整に生成AIを利用しています。

処理中です...