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緊急事態発生
②
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息を殺しながら木に隠れて、待っていると。
最初に目視出来たのは、鳥の群れだった。
「鳥…?」
その鳥は僕たちに目もくれず、バサバサと木々にかすりながら飛んで言った。
「鳥だったな。」
鳥…。何かから逃げている印象を受ける。
「大きな魔獣じゃなくて安心したぜ」
まぁ、その通りだが。ちょっと引っかかるな…。
「ま、進むんだろ行こうぜ」
とヒューイは肩を組み、行くぞと促してきた。
コノヤロウ……。
鳥が来た方角にこの森の会場の出入口があるから、コイツを放りだそうと思って少しずつ進んでいった。
すると、カサカサ音がしてきて、今度はなんだと思っているとウサギやリスがチラホラと走り抜けていく。
「やっぱり、何かから…逃げてるようにしか見えない。ヒューイ…ここを早く離れよう」
「?でっかい魔獣がいるってことか?」
それだけなら、いいけど…。
「もし、だ。もし…対処出来ない魔獣が出たら、僕だけでなくお前も共倒れだぞ」
「ハッン!お前が苦しい思いをするなら万々歳だね!」
ベチン!
ムカつきすぎて、脳が信号を送る前につい条件反射ビンタしてしまった。
「つい、我慢してたけど…お前が悪い。グズすぎて…」
「お前!ついに殴ったな!!」
「さっき、泣きべそかいて魔獣から逃げ回ってた癖に、そんな事言うからすっごいムカついた。それなら助けてやらなくても良かったよな」
「それは…」
「そんなに死にたいなら、僕が居ない所で死んでくれないか」
「嫌だ。別に俺は死にたい訳じゃない。お前に俺ら家族が受けた苦しさと同等の苦しさをあじわって貰わないと気がすまねぇ」
ヒューイは、怒りを込めた目で僕を睨む。
何故、僕はこんなに目の敵にされているんだ。
「何故お前は、そんなに僕を目の敵にするんだ。ハイネルセン家がお前の家に何をしたと言うんだ!」
「あ?知らねぇのかよ。お前ん家によって俺の家は詐欺にあって多額の借金して、1度…領地からっ?…ゥア゙ぁっ!?!」
この時初めて僕は人間が放物線を描いて飛んでいった所を見た。
ドスッ!!
「ッ~~!」
何か黒い残像が見えたと思った瞬間にヒューイとそれはぶつかり、黒いのはそのまま走り去っていった。ヒューイは数メートル飛び茂みの中に落ちた。
多分…小さいイノシシか豚辺りだと思うが…定かででは無い。
全くこいつは。ほんとに世話のやけるヤツだな。頭から落ちてないか、心配なのでヒューイが落ちた茂みに寄ろうとしたら、黒い物体が走ってきた方から鋭い殺気を感じた。姿はまだ、見えないが尋常ではない気配がしたので、急いでヒューイの元に飛びこんだ。 痛さで転げ回ってるヒューイを押え混んで口も手で塞いだ。
目をかっぴらき、モゴモゴと何か言ってるが、更に力を込めて地面に縫いつけた。
声を潜めて状況を伝える。
「なんか、やばい気配のヤツがいる。静かにしろ。絶対動くな」
そう伝えると、ヒューイは渋々頷き、抵抗は無くなり、大人しくなった。
◆
じっと茂みの中に、身を隠している。
ドスン…ドスンと、足音らしきものは聞こえるが、近づいてるのかが微妙に分からなかった。
多分あれから数十分は経過した気がする。
開けた場所では無いし、そこらじゅうに低木もあるのですぐに見つかる事はないはず。さっき衝突事故が起きた場所からは完全に今の場所は隠れている。
すると足音が聞こえなくなった様な気がして、ヒューイの口からそっと手を離して、拘束を緩めた。
殆ど押し倒した状態で上から身動き出来ないように体重かけてたので重かっただろうな。これぐらいは迷惑かけられてるから根に持たないで欲しいところだが。
「離れたかもしれないから、今のうちに…」
ヒューイは何故か顔が赤かった。顔を上げたかと思ったら真っ青にして、口をパクパクとしていた。
「何…」
「う、ぅし、ろ!」
うしろと声を認識したと同時に振り返ると、霧の中から黒いでかい影がそびえ立って、前足をあげて構えていた。
さっきまで…霧もでてなかったのに!
この一撃をくらうと、絶対危ない。捻り潰されるぞ。
「立て!ヒューイ!!!シールド…!」
少しでも、時間稼ぎになれば…!!!とおもいながら、氷のシールドを背中側に何重も展開させる。
ヒューイはもたつきながらも、立ち上がろうとしていた。マジで間に合え!!と思いながら自分も足に力を入れ、地面を蹴る。低姿勢のまま、バランスがとれていないヒューイの腕を掴み、前方へダッシュする。
頭の後ろで氷の砕けるバリバリ…ッて音を聞きながら間一髪…だ。と思いながらこのまま走るが、あの、デカ魔獣も手応えのない様が気に入らないようで鼻息が荒く、こちらを追いかけてくる気配がした。
最初に目視出来たのは、鳥の群れだった。
「鳥…?」
その鳥は僕たちに目もくれず、バサバサと木々にかすりながら飛んで言った。
「鳥だったな。」
鳥…。何かから逃げている印象を受ける。
「大きな魔獣じゃなくて安心したぜ」
まぁ、その通りだが。ちょっと引っかかるな…。
「ま、進むんだろ行こうぜ」
とヒューイは肩を組み、行くぞと促してきた。
コノヤロウ……。
鳥が来た方角にこの森の会場の出入口があるから、コイツを放りだそうと思って少しずつ進んでいった。
すると、カサカサ音がしてきて、今度はなんだと思っているとウサギやリスがチラホラと走り抜けていく。
「やっぱり、何かから…逃げてるようにしか見えない。ヒューイ…ここを早く離れよう」
「?でっかい魔獣がいるってことか?」
それだけなら、いいけど…。
「もし、だ。もし…対処出来ない魔獣が出たら、僕だけでなくお前も共倒れだぞ」
「ハッン!お前が苦しい思いをするなら万々歳だね!」
ベチン!
ムカつきすぎて、脳が信号を送る前につい条件反射ビンタしてしまった。
「つい、我慢してたけど…お前が悪い。グズすぎて…」
「お前!ついに殴ったな!!」
「さっき、泣きべそかいて魔獣から逃げ回ってた癖に、そんな事言うからすっごいムカついた。それなら助けてやらなくても良かったよな」
「それは…」
「そんなに死にたいなら、僕が居ない所で死んでくれないか」
「嫌だ。別に俺は死にたい訳じゃない。お前に俺ら家族が受けた苦しさと同等の苦しさをあじわって貰わないと気がすまねぇ」
ヒューイは、怒りを込めた目で僕を睨む。
何故、僕はこんなに目の敵にされているんだ。
「何故お前は、そんなに僕を目の敵にするんだ。ハイネルセン家がお前の家に何をしたと言うんだ!」
「あ?知らねぇのかよ。お前ん家によって俺の家は詐欺にあって多額の借金して、1度…領地からっ?…ゥア゙ぁっ!?!」
この時初めて僕は人間が放物線を描いて飛んでいった所を見た。
ドスッ!!
「ッ~~!」
何か黒い残像が見えたと思った瞬間にヒューイとそれはぶつかり、黒いのはそのまま走り去っていった。ヒューイは数メートル飛び茂みの中に落ちた。
多分…小さいイノシシか豚辺りだと思うが…定かででは無い。
全くこいつは。ほんとに世話のやけるヤツだな。頭から落ちてないか、心配なのでヒューイが落ちた茂みに寄ろうとしたら、黒い物体が走ってきた方から鋭い殺気を感じた。姿はまだ、見えないが尋常ではない気配がしたので、急いでヒューイの元に飛びこんだ。 痛さで転げ回ってるヒューイを押え混んで口も手で塞いだ。
目をかっぴらき、モゴモゴと何か言ってるが、更に力を込めて地面に縫いつけた。
声を潜めて状況を伝える。
「なんか、やばい気配のヤツがいる。静かにしろ。絶対動くな」
そう伝えると、ヒューイは渋々頷き、抵抗は無くなり、大人しくなった。
◆
じっと茂みの中に、身を隠している。
ドスン…ドスンと、足音らしきものは聞こえるが、近づいてるのかが微妙に分からなかった。
多分あれから数十分は経過した気がする。
開けた場所では無いし、そこらじゅうに低木もあるのですぐに見つかる事はないはず。さっき衝突事故が起きた場所からは完全に今の場所は隠れている。
すると足音が聞こえなくなった様な気がして、ヒューイの口からそっと手を離して、拘束を緩めた。
殆ど押し倒した状態で上から身動き出来ないように体重かけてたので重かっただろうな。これぐらいは迷惑かけられてるから根に持たないで欲しいところだが。
「離れたかもしれないから、今のうちに…」
ヒューイは何故か顔が赤かった。顔を上げたかと思ったら真っ青にして、口をパクパクとしていた。
「何…」
「う、ぅし、ろ!」
うしろと声を認識したと同時に振り返ると、霧の中から黒いでかい影がそびえ立って、前足をあげて構えていた。
さっきまで…霧もでてなかったのに!
この一撃をくらうと、絶対危ない。捻り潰されるぞ。
「立て!ヒューイ!!!シールド…!」
少しでも、時間稼ぎになれば…!!!とおもいながら、氷のシールドを背中側に何重も展開させる。
ヒューイはもたつきながらも、立ち上がろうとしていた。マジで間に合え!!と思いながら自分も足に力を入れ、地面を蹴る。低姿勢のまま、バランスがとれていないヒューイの腕を掴み、前方へダッシュする。
頭の後ろで氷の砕けるバリバリ…ッて音を聞きながら間一髪…だ。と思いながらこのまま走るが、あの、デカ魔獣も手応えのない様が気に入らないようで鼻息が荒く、こちらを追いかけてくる気配がした。
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