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番外編 瑠可/楓
番外編 Luka-2
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あれからボクは3回、篠崎さんと会った。
会っている時間は4時間程度だけど、映画館やゲーセンとかボクが行きたいところに色々付き合ってくれた。
そして、そこで発生するお金は全部篠崎さんが払ってくれた。
「瑠可くんはまだ学生で僕は社会人だから、僕が払うのは当たり前だよ」
いつも、ふんわりと笑ってそう言ってくれる篠崎さんに周りの人も目を奪われる。
とても素敵な人だから、みんな篠崎さんに惚れちゃうんだろうなと思った。
そう思うけど、ボクの頭の中には何故か楓兄の顔がずっとチラついた。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
この日も篠崎さんと映画を見てお気に入りのカフェでお茶をして別れた。
「瑠可、アイツ誰?」
「わっ、楓兄!びっくりした」
いつの間にか背後に楓兄がいた。
スーツ姿の楓兄は初めてで新鮮だ。
楓兄とは最近は会えて月一だったけど、連絡は頻繁に取っていた。
やっぱり、会えると嬉し……、あれ…?
「で、アイツは誰?瑠可、聞いてる?」
「き、聞いてるよ!」
なんかボクおかしなこと考えた。
楓兄に会えて嬉しいって。
「で…?」
「あの人は篠崎春樹さんっていって、1ヶ月ちょっと前、絡まれたところを助けてくれたんだ。それから何回か遊びに連れて行ってくれるんだ」
「は?絡まれたって?俺聞いてないんだけど」
「だ、大丈夫だったからいいかなって…。それより楓兄、その格好どうしたの?」
楓兄はすごく不機嫌そうに眉間に皺を寄せていたから、ボクは慌てて話を変えた。
「就活。面接してきた」
「楓兄、就活中だったんだ。だから…」
「なあ、瑠可?」
「ひゃっ」
楓兄がネックプロテクターの上から項を撫でてきて、思わず変な声が出た。
「前に俺が瑠可に言ったこと覚えてる?」
「えっ、言ったって…?」
「瑠可が好きだって話」
「ふわっ、そ、それって冗談じゃ…」
「割と本気だった」
「………」
不貞腐れた顔をされ、ボクは居た堪れなくて俯いてしまった。
楓兄がボクのこと好きだなんて、想定外だ。
結季くんのオマケぐらいしか見られてないと思っていたから。
ドキドキして心臓が痛い。
「瑠可?」
「か、考える。今からちゃんと考えるから、ちょっと待って!」
「ん…わかった。俺も今就活中だから、内定もらうまでは待つよ」
「…うん」
見上げると楓兄の眉間の皺が少し緩んだ。
くしゃくしゃと頭を撫でられる。
髪型がっ、って思うのになんか気持ちがいい。
「瑠可、ちょっと充電させてくんない?」
「えっ、うん。今充電器…」
出すね、って言う前にボクの身体はスッポリと楓兄の腕の中に収まる。
森林のような心地よい匂いが鼻をくすぐる。
「じゅ、充電ってこのこと?」
「そっ、瑠可充電」
そう言う楓兄に背中をポンポンされる。
その役目はボクでいいの?
モゾモゾと腕を背中に回して、楓兄の真似してバスッバスッと叩く。
「ふっ、瑠可、力強すぎだから、ははっ」
「ご、ごめんっ」
「いい、もうちょっとだけして」
耳元で言われて、ボクの心臓が壊れるかと思った。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
楓兄と会った半月後。
楓兄と会えなくなって半月後。
「瑠可くん、僕、君のこと好きなんだ。瑠可くんから見たら僕はおじさんだけど、真剣なんだ。だから…僕と付き合って欲しい」
ボクは篠崎さんから告白された。
会っている時間は4時間程度だけど、映画館やゲーセンとかボクが行きたいところに色々付き合ってくれた。
そして、そこで発生するお金は全部篠崎さんが払ってくれた。
「瑠可くんはまだ学生で僕は社会人だから、僕が払うのは当たり前だよ」
いつも、ふんわりと笑ってそう言ってくれる篠崎さんに周りの人も目を奪われる。
とても素敵な人だから、みんな篠崎さんに惚れちゃうんだろうなと思った。
そう思うけど、ボクの頭の中には何故か楓兄の顔がずっとチラついた。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
この日も篠崎さんと映画を見てお気に入りのカフェでお茶をして別れた。
「瑠可、アイツ誰?」
「わっ、楓兄!びっくりした」
いつの間にか背後に楓兄がいた。
スーツ姿の楓兄は初めてで新鮮だ。
楓兄とは最近は会えて月一だったけど、連絡は頻繁に取っていた。
やっぱり、会えると嬉し……、あれ…?
「で、アイツは誰?瑠可、聞いてる?」
「き、聞いてるよ!」
なんかボクおかしなこと考えた。
楓兄に会えて嬉しいって。
「で…?」
「あの人は篠崎春樹さんっていって、1ヶ月ちょっと前、絡まれたところを助けてくれたんだ。それから何回か遊びに連れて行ってくれるんだ」
「は?絡まれたって?俺聞いてないんだけど」
「だ、大丈夫だったからいいかなって…。それより楓兄、その格好どうしたの?」
楓兄はすごく不機嫌そうに眉間に皺を寄せていたから、ボクは慌てて話を変えた。
「就活。面接してきた」
「楓兄、就活中だったんだ。だから…」
「なあ、瑠可?」
「ひゃっ」
楓兄がネックプロテクターの上から項を撫でてきて、思わず変な声が出た。
「前に俺が瑠可に言ったこと覚えてる?」
「えっ、言ったって…?」
「瑠可が好きだって話」
「ふわっ、そ、それって冗談じゃ…」
「割と本気だった」
「………」
不貞腐れた顔をされ、ボクは居た堪れなくて俯いてしまった。
楓兄がボクのこと好きだなんて、想定外だ。
結季くんのオマケぐらいしか見られてないと思っていたから。
ドキドキして心臓が痛い。
「瑠可?」
「か、考える。今からちゃんと考えるから、ちょっと待って!」
「ん…わかった。俺も今就活中だから、内定もらうまでは待つよ」
「…うん」
見上げると楓兄の眉間の皺が少し緩んだ。
くしゃくしゃと頭を撫でられる。
髪型がっ、って思うのになんか気持ちがいい。
「瑠可、ちょっと充電させてくんない?」
「えっ、うん。今充電器…」
出すね、って言う前にボクの身体はスッポリと楓兄の腕の中に収まる。
森林のような心地よい匂いが鼻をくすぐる。
「じゅ、充電ってこのこと?」
「そっ、瑠可充電」
そう言う楓兄に背中をポンポンされる。
その役目はボクでいいの?
モゾモゾと腕を背中に回して、楓兄の真似してバスッバスッと叩く。
「ふっ、瑠可、力強すぎだから、ははっ」
「ご、ごめんっ」
「いい、もうちょっとだけして」
耳元で言われて、ボクの心臓が壊れるかと思った。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
楓兄と会った半月後。
楓兄と会えなくなって半月後。
「瑠可くん、僕、君のこと好きなんだ。瑠可くんから見たら僕はおじさんだけど、真剣なんだ。だから…僕と付き合って欲しい」
ボクは篠崎さんから告白された。
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