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運命の相手と言われても、困ります。
扇子は武器じゃありません。ましてや人を叩くものではありませんよ。
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朝から王城で働く人たちはやけに忙しなく、お昼前からひっきりなしに馬車がお城に到着しているようだ。これからなにが始まるんだろうと疑問に思った私は尋ねてみた。
「今日はなにかあるんですか?」
「王妃様主催のお茶会が午後から開催されます。残念ですが、レオーネ様にはお相手がいらっしゃいますので参加できませんが」
「?」
昼食の配膳をしてくれていたヨランダさんにどういうことだ? と視線で問うと、彼女は簡単に教えてくれた。
王妃様主催のお茶会というのはいくつか種類があるが、今日のお茶会は婚約者のいない独身貴族子息子女の出会いの場を提供する場なのだという。
ヨランダさん、残念とかそういう問題じゃないよ。運命の相手云々は抜きにしても、私は貴族じゃないからそもそも参加資格がないと思う。
世話を焼いて縁を結ばせるお節介おばさんって街にもいるけど、貴族社会では王妃様がその役割を担っているのか。
貴族様って親が勝手に婚約を結ばせるものだと想像していたけど、年頃になってもお相手がいない人がいるんだね……と考えていると、ヨランダさんが「新興貴族や下位貴族、それに騎士爵などの一代限りの爵位を持つものはなかなかご縁に恵まれませんので」と教えてくれた。
なるほど、言い方はあれだが利用価値が低い貴族は良縁に恵まれないのか。それで救済策で王妃様が面倒見てくれているんだね。
「レオーネ様がおわします居住区域には立ち寄らないとは思いますが、時折迷い込んで来る者もおりますので本日のお散歩は中庭までになさった方がよろしいかもしれませんね」
確かに貴族様達と遭遇したら気まずいものがある。今日はあまり遠くには行かず、関係者以外が立ち寄れない範囲で気分転換しよう。
そんなわけで昼食を終えた後、季節の花で溢れる中庭でしばしの自由時間を過ごすことにした。
季節の花が咲く中庭は色鮮やかでどの花も美しく目移りしてしまう。故郷にも花は咲いたけど、こんなに美しく管理されているわけではない。
以前ならこんなに花を愛でるようなことはなかったけど、王宮に留め置かれてからは私の娯楽のひとつになっている。
「あ、ミツバチ」
花の蜜を求めて飛んできたミツバチを眺めながら私はつかの間の休憩時間を過ごす。なにも考えずにぼんやりするこの時間は私の大切な時間なのだ。
虫はあまり得意じゃないけど、ミツバチってよくみたらかわいい。黄色いモコモコドロワーズを穿いているみたい。
「──あら、そちらのあなた、どのお家のご令嬢ですの?」
この中庭には城に住まう王族らの私的な生活区域に含まれる。城の住人である王族のほかには限られた護衛騎士と使用人のみが足を踏み入れることができる。今は第3王子の花嫁候補も滞在しているがこれは例外中の例外。
滞在が許可された他の花嫁候補達は基本的に室内でおとなしく過ごしている。滅多に遭遇することはないのに……私はしょっぱい気持ちになりながら振り返った。
そこにはドレスアップした貴族令嬢が3人。だけどその人たちは花嫁候補の令嬢達ではなかった。彼女たちは私の頭からつま先までじろじろと不躾に観察してきた。そして気に入らなそうに顔を歪めて睨みつけて来る。
せっかく綺麗にしているのに、そんな恐ろしい顔をしたら台無しになってしまう。この人たちは、王宮の婚活お茶会の招待客だろうか。
私は後ずさりして距離を離すと、失礼のないように礼を取った。身分の低いものから名乗ってはいけないマナーだ。私は頭を下げて相手の名乗りを待った。
「……栗色の髪、赤茶の瞳」
扇子で顔半分を隠していた令嬢がぼそっとつぶやく。
「思い出しましたわ。ずいぶん垢抜けたから見間違えましたけど、この娘はステファン殿下の花嫁選びの儀式で選ばれた平民ですわ!」
令嬢の叫びに、周りにいた令嬢達が一気に殺気立った。
空気が一気に重くなり、私は顔を引き攣らせた。
「そうでしたわ。なにも男爵家の血を引くとかで」
「厚かましいですわね、身の程をわきまえないところ、育ちが悪いのが伺えますわ」
ネチネチチクチクと本人の前で悪口をいう貴族令嬢達の姿は、市井の女の子達と被って見えた。
気になる男の子が私に気があるからって逆恨みして、女子同士で徒党組んであることないこと悪口をいう姿がそっくりである。
ここは我慢して耐えるしか……
「この方のお母君は血を裏切って汚らわしい下民と駆け落ちしたのよ」
我慢して聞き流すつもりだったが、その言葉に私の肩が震えた。
「殿下が汚らわしい血を受け継いだ娘を選ぶ訳がないでしょう」
「故郷に帰るお金がないのではなくて? そうだわ、わたくしがあなたの身代わりになって差し上げてもよろしいのよ?」
クスクスと笑う令嬢達。
見た目は華やかな王宮に似つかわしい貴族のお姫様達。私とは済む世界の違う人たち。到底逆らえる相手じゃない。
──私のことをなんと嘲っても構わない。
だけどそこに親を持ち出すのは違うだろう。私のお父さんはごく普通の平民だが、国の研究施設で働く立派な人だ! 下民呼ばわりされる謂れはない!
「あの、人の父親を下民とか品位のかけらもない呼び方しないでいただけますか?」
下げていた頭をあげた私は怒りを隠さずに令嬢達を睨みつけた。
これで手打ちになっても構わない。私の両親を馬鹿にすることだけは許さない!
バシッ!
「…っ」
「お黙りなさい。口答えは許した覚えはなくてよ」
頬に走った痛みに目の前がちかちかした。遅れてじわりと熱を持つ左頬。体勢を崩した私はそのまま芝生の上にどしゃりと膝をついた。
い、痛い……
え、いま殴った? 持ってる扇子で殴ったの?
「下民は下民らしく地面に膝をついていたらいいものを」
真ん中にいた令嬢がこの中で一番立場が強いのだろうか。さくさくと芝生を踏み締めながらこちらに近づき、威圧感たっぷりに私を見下した。
私は生命の危機を察知してヒョッと喉を鳴らす。
「いつまで花嫁候補の座に居座るつもりですの? 自分が選ばれるとでも自惚れてますの?」
「あの占いをした魔女は結構なお歳だもの。耄碌していますのよ」
そういって、令嬢の一人が自分の指から高価そうな指輪を抜き取って、それをゴミのように投げ捨てた。
コロンと芝生を転がる指輪には大きな宝石がついており、土台となる指輪本体には家紋のような模様が彫刻されていた。
高そうな指輪をそんな扱いしてもいいの?
「お金がないならこれでも換金なさったら? 馬車代くらいにはなるでしょ。できれば、の話ですけど」
ふふっと嘲笑う顔には「この貧乏人が」って書かれている。
いろいろ突っ込みたい。私は望んでこの場に居残りつづけているわけじゃないとか、好きで花嫁候補に選ばれたわけじゃないとか、家紋入りの指輪なんか売り払ったら窃盗の罪で捕まるかもだから要りませんとか。
だけど反論したらさっきみたいに扇子でシバかれてしまう。できるなら痛いのは勘弁だ。
──どうしたものか。
せめて護衛騎士でも使用人でもいいから通りすぎてくれないだろうか……そう考えていると、ざっと私と令嬢の間に人が割って入ってきた。
「お嬢さん方、この区域は関係者以外立ち入ってはいけない決まりだよ?」
磨かれたピカピカの革靴に、仕立てのいいトラウザーズ。男性の足である。使用人や騎士のものじゃない。もしかして王子だろうか……と顔をあげるも、その髪の色はこげ茶色だった。全くの別人である。
──誰……?
その人物の腹の底に響く低い声は優しげだけど、それは表向きの優しさ。その中身は相手を拒絶しているような空気すらある。
「フェルベーク様!」
「複数人で寄ってたかって穏やかじゃないね。この子がなにをしたっていうんだい?」
どこから見ていたんだろう。
関係者以外立入禁止ってわかっているのになんでこの人も入りこんでいるんだろうか。私は割って入ってきた謎の紳士を見上げた。
……フェルベークって名前、なんか聞き覚えがあるような。高位貴族だっけ。授業に出てきたかな。
「今日はなにかあるんですか?」
「王妃様主催のお茶会が午後から開催されます。残念ですが、レオーネ様にはお相手がいらっしゃいますので参加できませんが」
「?」
昼食の配膳をしてくれていたヨランダさんにどういうことだ? と視線で問うと、彼女は簡単に教えてくれた。
王妃様主催のお茶会というのはいくつか種類があるが、今日のお茶会は婚約者のいない独身貴族子息子女の出会いの場を提供する場なのだという。
ヨランダさん、残念とかそういう問題じゃないよ。運命の相手云々は抜きにしても、私は貴族じゃないからそもそも参加資格がないと思う。
世話を焼いて縁を結ばせるお節介おばさんって街にもいるけど、貴族社会では王妃様がその役割を担っているのか。
貴族様って親が勝手に婚約を結ばせるものだと想像していたけど、年頃になってもお相手がいない人がいるんだね……と考えていると、ヨランダさんが「新興貴族や下位貴族、それに騎士爵などの一代限りの爵位を持つものはなかなかご縁に恵まれませんので」と教えてくれた。
なるほど、言い方はあれだが利用価値が低い貴族は良縁に恵まれないのか。それで救済策で王妃様が面倒見てくれているんだね。
「レオーネ様がおわします居住区域には立ち寄らないとは思いますが、時折迷い込んで来る者もおりますので本日のお散歩は中庭までになさった方がよろしいかもしれませんね」
確かに貴族様達と遭遇したら気まずいものがある。今日はあまり遠くには行かず、関係者以外が立ち寄れない範囲で気分転換しよう。
そんなわけで昼食を終えた後、季節の花で溢れる中庭でしばしの自由時間を過ごすことにした。
季節の花が咲く中庭は色鮮やかでどの花も美しく目移りしてしまう。故郷にも花は咲いたけど、こんなに美しく管理されているわけではない。
以前ならこんなに花を愛でるようなことはなかったけど、王宮に留め置かれてからは私の娯楽のひとつになっている。
「あ、ミツバチ」
花の蜜を求めて飛んできたミツバチを眺めながら私はつかの間の休憩時間を過ごす。なにも考えずにぼんやりするこの時間は私の大切な時間なのだ。
虫はあまり得意じゃないけど、ミツバチってよくみたらかわいい。黄色いモコモコドロワーズを穿いているみたい。
「──あら、そちらのあなた、どのお家のご令嬢ですの?」
この中庭には城に住まう王族らの私的な生活区域に含まれる。城の住人である王族のほかには限られた護衛騎士と使用人のみが足を踏み入れることができる。今は第3王子の花嫁候補も滞在しているがこれは例外中の例外。
滞在が許可された他の花嫁候補達は基本的に室内でおとなしく過ごしている。滅多に遭遇することはないのに……私はしょっぱい気持ちになりながら振り返った。
そこにはドレスアップした貴族令嬢が3人。だけどその人たちは花嫁候補の令嬢達ではなかった。彼女たちは私の頭からつま先までじろじろと不躾に観察してきた。そして気に入らなそうに顔を歪めて睨みつけて来る。
せっかく綺麗にしているのに、そんな恐ろしい顔をしたら台無しになってしまう。この人たちは、王宮の婚活お茶会の招待客だろうか。
私は後ずさりして距離を離すと、失礼のないように礼を取った。身分の低いものから名乗ってはいけないマナーだ。私は頭を下げて相手の名乗りを待った。
「……栗色の髪、赤茶の瞳」
扇子で顔半分を隠していた令嬢がぼそっとつぶやく。
「思い出しましたわ。ずいぶん垢抜けたから見間違えましたけど、この娘はステファン殿下の花嫁選びの儀式で選ばれた平民ですわ!」
令嬢の叫びに、周りにいた令嬢達が一気に殺気立った。
空気が一気に重くなり、私は顔を引き攣らせた。
「そうでしたわ。なにも男爵家の血を引くとかで」
「厚かましいですわね、身の程をわきまえないところ、育ちが悪いのが伺えますわ」
ネチネチチクチクと本人の前で悪口をいう貴族令嬢達の姿は、市井の女の子達と被って見えた。
気になる男の子が私に気があるからって逆恨みして、女子同士で徒党組んであることないこと悪口をいう姿がそっくりである。
ここは我慢して耐えるしか……
「この方のお母君は血を裏切って汚らわしい下民と駆け落ちしたのよ」
我慢して聞き流すつもりだったが、その言葉に私の肩が震えた。
「殿下が汚らわしい血を受け継いだ娘を選ぶ訳がないでしょう」
「故郷に帰るお金がないのではなくて? そうだわ、わたくしがあなたの身代わりになって差し上げてもよろしいのよ?」
クスクスと笑う令嬢達。
見た目は華やかな王宮に似つかわしい貴族のお姫様達。私とは済む世界の違う人たち。到底逆らえる相手じゃない。
──私のことをなんと嘲っても構わない。
だけどそこに親を持ち出すのは違うだろう。私のお父さんはごく普通の平民だが、国の研究施設で働く立派な人だ! 下民呼ばわりされる謂れはない!
「あの、人の父親を下民とか品位のかけらもない呼び方しないでいただけますか?」
下げていた頭をあげた私は怒りを隠さずに令嬢達を睨みつけた。
これで手打ちになっても構わない。私の両親を馬鹿にすることだけは許さない!
バシッ!
「…っ」
「お黙りなさい。口答えは許した覚えはなくてよ」
頬に走った痛みに目の前がちかちかした。遅れてじわりと熱を持つ左頬。体勢を崩した私はそのまま芝生の上にどしゃりと膝をついた。
い、痛い……
え、いま殴った? 持ってる扇子で殴ったの?
「下民は下民らしく地面に膝をついていたらいいものを」
真ん中にいた令嬢がこの中で一番立場が強いのだろうか。さくさくと芝生を踏み締めながらこちらに近づき、威圧感たっぷりに私を見下した。
私は生命の危機を察知してヒョッと喉を鳴らす。
「いつまで花嫁候補の座に居座るつもりですの? 自分が選ばれるとでも自惚れてますの?」
「あの占いをした魔女は結構なお歳だもの。耄碌していますのよ」
そういって、令嬢の一人が自分の指から高価そうな指輪を抜き取って、それをゴミのように投げ捨てた。
コロンと芝生を転がる指輪には大きな宝石がついており、土台となる指輪本体には家紋のような模様が彫刻されていた。
高そうな指輪をそんな扱いしてもいいの?
「お金がないならこれでも換金なさったら? 馬車代くらいにはなるでしょ。できれば、の話ですけど」
ふふっと嘲笑う顔には「この貧乏人が」って書かれている。
いろいろ突っ込みたい。私は望んでこの場に居残りつづけているわけじゃないとか、好きで花嫁候補に選ばれたわけじゃないとか、家紋入りの指輪なんか売り払ったら窃盗の罪で捕まるかもだから要りませんとか。
だけど反論したらさっきみたいに扇子でシバかれてしまう。できるなら痛いのは勘弁だ。
──どうしたものか。
せめて護衛騎士でも使用人でもいいから通りすぎてくれないだろうか……そう考えていると、ざっと私と令嬢の間に人が割って入ってきた。
「お嬢さん方、この区域は関係者以外立ち入ってはいけない決まりだよ?」
磨かれたピカピカの革靴に、仕立てのいいトラウザーズ。男性の足である。使用人や騎士のものじゃない。もしかして王子だろうか……と顔をあげるも、その髪の色はこげ茶色だった。全くの別人である。
──誰……?
その人物の腹の底に響く低い声は優しげだけど、それは表向きの優しさ。その中身は相手を拒絶しているような空気すらある。
「フェルベーク様!」
「複数人で寄ってたかって穏やかじゃないね。この子がなにをしたっていうんだい?」
どこから見ていたんだろう。
関係者以外立入禁止ってわかっているのになんでこの人も入りこんでいるんだろうか。私は割って入ってきた謎の紳士を見上げた。
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