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第13章 魔族領
第271話 魔王
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「魔王?そんなのが実在するのか?」
「ああ。とはいっても魔族領内にそれも
500年に1度現れるかどうかといった
ものだが……………しかし、前回の出現か
らまだ357年しか経っていないのだ。
その為、多くの魔族達が半信半疑ではあ
るのだが」
「今回のはイレギュラーだってこと
か?」
「ああ。本当に最近は色々なことが起き
る。まるでこの世界に異物が入り込み、少しずつ変わっていくようだ」
「ちなみに何故、魔王の復活が分かった
んだ?」
「確認した者がいたからだ。その者曰
く、"巨大な魔力を察知して駆けつけて
みるとそこには禍々しい魔力を纏った者
が妖しく微笑んでいた。その足元には多
くの屍があった"そうだ」
「なるほど。だが、そう悲観することは
ないんじゃないか?昔、俺の読んでいた
本に出てきた魔王は魔族達を従えて強力
な軍を結成するだけの存在だ。仲間であ
る魔族を襲ったりはしないんだろ?」
「何を読んで得た知識かは分からないが
半分、正解で半分は不正解だ」
「?」
「残された文献によると魔王の性格や目
的はその時代ごとで異なっているんだ。
もちろん、シンヤの言ったような魔族達
をまとめ上げて軍を結成する武闘派な魔
王もいる。しかし、かと思えば、仲間だ
けでなく他種族に対しても温厚で基本は
平和主義な魔王がいたり、非常に怠け癖
があり1日中寝ているだけの魔王、魔道
具弄りが好きで勉強熱心な魔王など様々
なタイプがこれまでに確認されている。
そんな中、最も危険視された魔王が85
7年前に確認されたんだ。その魔王は史
上類を見ない程、好戦的……………という
よりも快楽殺人者に近い存在だったん
だ」
「……………」
「その魔王はとにかく視界に入った者を
次から次へと屠って回った。被害者には
あらゆる種族がいて、当然その中には同
じ魔族も入っていたんだ。そして、こと
が終わると決まってその魔王は返り血を
見ながら嗤っていたらしい」
「……………で、今回の魔王が」
「最後のタイプのようなんだ。だから、
私達も暢気に過ごしている場合じゃない
んだ。ましてや、仲間内で争っている場
合じゃない」
「ちなみに多くの魔族達が半信半疑な
中、お前が信じた理由は何だ?」
「それは……………」
「ああ、言いたくないなら別にいい。そ
れと魔王の復活を信じているのは国内で
お前だけか?」
「…………だと思う。アドム様達は"そ
んなのは迷信だ"と言って相手にしてい
ないし、国民達は魔王のことよりも自分
達のことで精一杯で気にする余裕もない
んだ」
「なるほどな」
「だから、今回イヴ様をギムラへと連れ
帰り、アドム様達と共に国を何とかして
もらおうと思って遠路はるばるやって来
たんだ。どうやらイヴ様は有名なクラン
に所属しているらしく、だからこそこう
して人伝に辿り着くことができ……………
っ!?」
その瞬間、目の前からとてつもない殺気
を感じたネームは思わず、後ろへと飛び
下がりシンヤから距離を取った。そし
て、驚きと恐怖心からシンヤへの警戒を
強めた。
「お前、何勝手なこと言ってんだ?」
「えっ!?い、いや、何のこと」
「惚けんな。今、お前の口から聞こえた
ぞ。"イヴを連れ帰り、国を何とかして
もらう"って」
「そ、それのどこが勝手だっていうん
だ!」
「はぁ。所詮、お前もイヴの兄貴とかと
一緒で貴族や王族の価値観で動いている
ってことか」
「な、何のことだ!」
「上から物言ってんじゃねぇよ。お前、
何様のつもりだ?奴隷として売り払い、
勝手に見捨てた奴らの為にイヴを返す?
冗談じゃねぇ。イヴは俺達の大切な仲間
であり、家族だ。お前らの都合の良いよ
うに利用すんな」
「そ、そんな……………都合の良いように
なんて…………私はただ昔みたいにみん
な仲良く…………そして、できれば国
も…………」
「綺麗事を言うな。あいつらがイヴに何
をしたのかお前も知っているはずだ。あ
いつらにはイヴに対する愛情なんて欠片
もない。戻ったところで望む再会なんか
出来やしないだろ」
「で、でもっ!それはシンヤの意見であ
ってイヴ様の意見じゃない!」
「だ、そうだが?イヴ、お前はどう
だ?」
「妾もシンヤと全く同じ意見じゃ。奴ら
に愛情など抱いてはおらんし、それは向
こうも同じじゃろう。むしろ、この状況
でどうして戻りたいなどと思おうか」
「そ、そんな……………」
「ネーム、お主は以前、妾の最も身近に
おった存在。であれば、妾の気持ちも痛
いほど分かろうて。なのに何故、ノコノ
コとここまでやってきた?」
「そ、そんな言い方って…………だ、だ
って私はイヴ様の1番の理解者であり、
最も信頼されてたお世話係だか
ら…………」
「一体いつの話をしておる。悪いが妾の
1番の理解者はシンヤであり、信頼して
おるのは同じクランの仲間やこれまでに
出会った数多くの者達だけじゃ。ギムラ
にそんな存在はおらん」
「えっ…………じゃあ私も……………?」
「悪いのぅ。何もかも遅すぎたようじ
ゃ。代わりに今は幸せな毎日を送ってお
る。じゃが重ねて言うが妾にはあの国で
いなくなって困るような仲間などは1人
もおらん」
「うっ…………そ、そんな……………私
は…………イヴ様を…………」
再び、ネームは泣き出した。とめどなく
流れる涙。慕っていた者から下された一
方的な拒絶という名の審判は彼女の心に
深い傷跡を残した。
「う、うああああぁぁぁ…………」
たとえ遅いと分かっていても受け入れる
ことなど到底出来はしなかった。やがて
顔を抑えて蹲り嗚咽を漏らし始めた彼
女。指の隙間からこぼれ落ちた涙の雫は
高品質なカーペットの色を変えていく。
その範囲が5cm四方にまで広がった
頃、徐に立ち上がったシンヤはネームへ
と近付き、こう言った。
「お前の申し出を引き受けることはでき
ない。だが、その代わりにこちらから1
つ提案がある。聞いてみないか?」
「えっ……………」
「伸るか反るかはお前次第だ」
そこにはニヤリとした笑みを浮かべたシ
ンヤが悠々とネームを見下ろしながら腕
を組んで立っていた。
――――――――――――――――――
魔族領に存在するとある国、その入り口
へと向かう1人の魔族がいた。頭には計
4本の角が生えており、両目は紅く、妖
しげに笑う口元には鋭い歯が覗いてい
る。蒼く伸びた長髪を風に靡かせ、真紅
に染まったコートのような衣装を翻した
その魔族はゆったりとした足取りで歩み
を進める。
「さて、次は一体どんな声が聴けるのか
しら」
鈴を転がしたような美声を発したその魔
族は抑えきれない興奮を表すかのように
頬を赤くし身体をくねらせた。と次の瞬
間、巨大な魔力が魔族から溢れ出し、そ
れに気が付いた周りの者達が一斉に
携帯していた武器に手を掛け出した。と
ころが…………
「う、うわああああ」
「な、なんだこりゃあっ!?」
「た、助け………」
どこからともなく現れた巨大で真っ赤な
手に呑み込まれてしまった。
「うふふふっ………あはっ、あはははは
っ!!」
後に残ったのは彼らの亡骸と甲高い声で
嗤う魔族だけだった。
「ああ。とはいっても魔族領内にそれも
500年に1度現れるかどうかといった
ものだが……………しかし、前回の出現か
らまだ357年しか経っていないのだ。
その為、多くの魔族達が半信半疑ではあ
るのだが」
「今回のはイレギュラーだってこと
か?」
「ああ。本当に最近は色々なことが起き
る。まるでこの世界に異物が入り込み、少しずつ変わっていくようだ」
「ちなみに何故、魔王の復活が分かった
んだ?」
「確認した者がいたからだ。その者曰
く、"巨大な魔力を察知して駆けつけて
みるとそこには禍々しい魔力を纏った者
が妖しく微笑んでいた。その足元には多
くの屍があった"そうだ」
「なるほど。だが、そう悲観することは
ないんじゃないか?昔、俺の読んでいた
本に出てきた魔王は魔族達を従えて強力
な軍を結成するだけの存在だ。仲間であ
る魔族を襲ったりはしないんだろ?」
「何を読んで得た知識かは分からないが
半分、正解で半分は不正解だ」
「?」
「残された文献によると魔王の性格や目
的はその時代ごとで異なっているんだ。
もちろん、シンヤの言ったような魔族達
をまとめ上げて軍を結成する武闘派な魔
王もいる。しかし、かと思えば、仲間だ
けでなく他種族に対しても温厚で基本は
平和主義な魔王がいたり、非常に怠け癖
があり1日中寝ているだけの魔王、魔道
具弄りが好きで勉強熱心な魔王など様々
なタイプがこれまでに確認されている。
そんな中、最も危険視された魔王が85
7年前に確認されたんだ。その魔王は史
上類を見ない程、好戦的……………という
よりも快楽殺人者に近い存在だったん
だ」
「……………」
「その魔王はとにかく視界に入った者を
次から次へと屠って回った。被害者には
あらゆる種族がいて、当然その中には同
じ魔族も入っていたんだ。そして、こと
が終わると決まってその魔王は返り血を
見ながら嗤っていたらしい」
「……………で、今回の魔王が」
「最後のタイプのようなんだ。だから、
私達も暢気に過ごしている場合じゃない
んだ。ましてや、仲間内で争っている場
合じゃない」
「ちなみに多くの魔族達が半信半疑な
中、お前が信じた理由は何だ?」
「それは……………」
「ああ、言いたくないなら別にいい。そ
れと魔王の復活を信じているのは国内で
お前だけか?」
「…………だと思う。アドム様達は"そ
んなのは迷信だ"と言って相手にしてい
ないし、国民達は魔王のことよりも自分
達のことで精一杯で気にする余裕もない
んだ」
「なるほどな」
「だから、今回イヴ様をギムラへと連れ
帰り、アドム様達と共に国を何とかして
もらおうと思って遠路はるばるやって来
たんだ。どうやらイヴ様は有名なクラン
に所属しているらしく、だからこそこう
して人伝に辿り着くことができ……………
っ!?」
その瞬間、目の前からとてつもない殺気
を感じたネームは思わず、後ろへと飛び
下がりシンヤから距離を取った。そし
て、驚きと恐怖心からシンヤへの警戒を
強めた。
「お前、何勝手なこと言ってんだ?」
「えっ!?い、いや、何のこと」
「惚けんな。今、お前の口から聞こえた
ぞ。"イヴを連れ帰り、国を何とかして
もらう"って」
「そ、それのどこが勝手だっていうん
だ!」
「はぁ。所詮、お前もイヴの兄貴とかと
一緒で貴族や王族の価値観で動いている
ってことか」
「な、何のことだ!」
「上から物言ってんじゃねぇよ。お前、
何様のつもりだ?奴隷として売り払い、
勝手に見捨てた奴らの為にイヴを返す?
冗談じゃねぇ。イヴは俺達の大切な仲間
であり、家族だ。お前らの都合の良いよ
うに利用すんな」
「そ、そんな……………都合の良いように
なんて…………私はただ昔みたいにみん
な仲良く…………そして、できれば国
も…………」
「綺麗事を言うな。あいつらがイヴに何
をしたのかお前も知っているはずだ。あ
いつらにはイヴに対する愛情なんて欠片
もない。戻ったところで望む再会なんか
出来やしないだろ」
「で、でもっ!それはシンヤの意見であ
ってイヴ様の意見じゃない!」
「だ、そうだが?イヴ、お前はどう
だ?」
「妾もシンヤと全く同じ意見じゃ。奴ら
に愛情など抱いてはおらんし、それは向
こうも同じじゃろう。むしろ、この状況
でどうして戻りたいなどと思おうか」
「そ、そんな……………」
「ネーム、お主は以前、妾の最も身近に
おった存在。であれば、妾の気持ちも痛
いほど分かろうて。なのに何故、ノコノ
コとここまでやってきた?」
「そ、そんな言い方って…………だ、だ
って私はイヴ様の1番の理解者であり、
最も信頼されてたお世話係だか
ら…………」
「一体いつの話をしておる。悪いが妾の
1番の理解者はシンヤであり、信頼して
おるのは同じクランの仲間やこれまでに
出会った数多くの者達だけじゃ。ギムラ
にそんな存在はおらん」
「えっ…………じゃあ私も……………?」
「悪いのぅ。何もかも遅すぎたようじ
ゃ。代わりに今は幸せな毎日を送ってお
る。じゃが重ねて言うが妾にはあの国で
いなくなって困るような仲間などは1人
もおらん」
「うっ…………そ、そんな……………私
は…………イヴ様を…………」
再び、ネームは泣き出した。とめどなく
流れる涙。慕っていた者から下された一
方的な拒絶という名の審判は彼女の心に
深い傷跡を残した。
「う、うああああぁぁぁ…………」
たとえ遅いと分かっていても受け入れる
ことなど到底出来はしなかった。やがて
顔を抑えて蹲り嗚咽を漏らし始めた彼
女。指の隙間からこぼれ落ちた涙の雫は
高品質なカーペットの色を変えていく。
その範囲が5cm四方にまで広がった
頃、徐に立ち上がったシンヤはネームへ
と近付き、こう言った。
「お前の申し出を引き受けることはでき
ない。だが、その代わりにこちらから1
つ提案がある。聞いてみないか?」
「えっ……………」
「伸るか反るかはお前次第だ」
そこにはニヤリとした笑みを浮かべたシ
ンヤが悠々とネームを見下ろしながら腕
を組んで立っていた。
――――――――――――――――――
魔族領に存在するとある国、その入り口
へと向かう1人の魔族がいた。頭には計
4本の角が生えており、両目は紅く、妖
しげに笑う口元には鋭い歯が覗いてい
る。蒼く伸びた長髪を風に靡かせ、真紅
に染まったコートのような衣装を翻した
その魔族はゆったりとした足取りで歩み
を進める。
「さて、次は一体どんな声が聴けるのか
しら」
鈴を転がしたような美声を発したその魔
族は抑えきれない興奮を表すかのように
頬を赤くし身体をくねらせた。と次の瞬
間、巨大な魔力が魔族から溢れ出し、そ
れに気が付いた周りの者達が一斉に
携帯していた武器に手を掛け出した。と
ころが…………
「う、うわああああ」
「な、なんだこりゃあっ!?」
「た、助け………」
どこからともなく現れた巨大で真っ赤な
手に呑み込まれてしまった。
「うふふふっ………あはっ、あはははは
っ!!」
後に残ったのは彼らの亡骸と甲高い声で
嗤う魔族だけだった。
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