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第15章 親子喧嘩
第336話 キョウヤ
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「お前が"箱舟"の元クランマスターだ
って?」
「………………」
シンヤの問いかけに対して、ただ黙って
下を向くキョウ。その表情はフードに隠
れてしまって、よく見えなかった。
「そうじゃ。突然の解散宣言から25
年。それからパッタリと連絡を取ること
すらもなくなったが、つい最近お会いす
ることができての」
元"箱舟"のクランメンバー総勢12名
が揃う中、ブロンが代表してシンヤと会
話を続ける。
「だから、それだと計算が合わないんだ
よ。こいつの歳は40。じゃあ、何か?
お前らが解散した時、こいつは15歳だ
ったっていうのか?」
「いいや……………」
ブロンが次に発した言葉は彼らを除く者
達全てが驚くものだった。
「キョウヤ様は……………ワシらと出会っ
た時から、見た目が一切変わっていない
んじゃ」
「……………は?」
ブロンの思いもよらぬ発言に流石のシン
ヤも驚きから、開いた口が塞がらなかっ
た。そこへ再び、ブロンの言葉が続く。
「ワシらも何回か、そのことについて尋
ねた。しかし、キョウヤ様は決まって悲
しい表情をした後に"いつか話す"とだ
け告げて…………………キョウヤ様!!こ
れだけ戦いを邪魔をして、こんなことを
訊く権利などワシらには到底ありませ
ん!ですが、無礼を承知で言わせて頂き
ます!!………………昔から続き、こうし
ている今もなお、あなたを縛りつけてい
るものとは一体何なんですか!!」
ブロンの必死な叫びにようやく顔を上げ
たキョウ……………改めキョウヤは鋭い眼
光をシンヤとブロン達へと向けながら、
こう言った。
「お前らが気になっていることは全
て……………この戦いが終わった後に答え
よう」
「「「「「なっ!?」」」」」
ブロン達がキョウヤのそんな言葉に驚き
を隠せない中、一方のシンヤはという
と……………
「そうこなくっちゃな!!」
ニヤリとした笑みを浮かべながら、嬉々
として刀を構えた。
「"雷神刀"」
そして先程、不発に終わった分の雷を刀
に纏わせ、キョウヤへと一瞬で詰め寄
り、勢いよくそれを振り下ろした。
「「「「「キョウヤ様
っ!!!!!」」」」」
ブロン達の悲痛な声が辺りに響き渡る。
個人個人として、シンヤと付き合いのあ
るはずの者もいるにはいるのだが、彼ら
の顔は皆一様に当時、キョウヤと行動を
共にしていた時のものとなっており、シ
ンヤのことは置いておいて無意識に彼の
ことだけを心配していた。しかし、そん
な中であってもシンヤの妻であるウィア
だけはブロン達から離れ、ティア達の近
くで2人のことを見守っていた。
「……………お前らが変わらず、俺のこと
を想ってくれているのは嬉しい
が………………」
刀を手甲で防ぎながら、キョウヤは言
う。
「安心して、そこで見てろ。俺が今まで
負けたこと、あるか?」
その姿は当時、ブロン達が見ていたまん
まだった。傲岸不遜・豪放磊落を絵に描
いたような人物でどこか人を惹きつける
魅力のある、あの"王導"キョウ
ヤ…………………それが今、ここに完全に
帰ってきたと彼らは確信した。
「シンヤ……………決着つけようか」
「ああ……………これがお前にとって最初
で最後の敗北だ」
「随分と生意気言うな……………俺にそっ
くりだ」
「全然嬉しくねぇよ」
この場にいる誰もが思っていた。おそら
く、次の瞬間には決着がついていても何
ら不思議ではないと。その為、観客達は
一瞬たりとも瞬きせずにシンヤとキョウ
ヤの戦いを見逃さないよう、神経を集中
させて見守っていた。
「だが、お前の言ってることは当たって
いるかもな」
「ん?」
「おそらく、今日が俺の…………………」
キョウヤの呟きの最後の部分は刀に付与
された雷の音に遮られ、誰の元にも届く
ことはなかった。
って?」
「………………」
シンヤの問いかけに対して、ただ黙って
下を向くキョウ。その表情はフードに隠
れてしまって、よく見えなかった。
「そうじゃ。突然の解散宣言から25
年。それからパッタリと連絡を取ること
すらもなくなったが、つい最近お会いす
ることができての」
元"箱舟"のクランメンバー総勢12名
が揃う中、ブロンが代表してシンヤと会
話を続ける。
「だから、それだと計算が合わないんだ
よ。こいつの歳は40。じゃあ、何か?
お前らが解散した時、こいつは15歳だ
ったっていうのか?」
「いいや……………」
ブロンが次に発した言葉は彼らを除く者
達全てが驚くものだった。
「キョウヤ様は……………ワシらと出会っ
た時から、見た目が一切変わっていない
んじゃ」
「……………は?」
ブロンの思いもよらぬ発言に流石のシン
ヤも驚きから、開いた口が塞がらなかっ
た。そこへ再び、ブロンの言葉が続く。
「ワシらも何回か、そのことについて尋
ねた。しかし、キョウヤ様は決まって悲
しい表情をした後に"いつか話す"とだ
け告げて…………………キョウヤ様!!こ
れだけ戦いを邪魔をして、こんなことを
訊く権利などワシらには到底ありませ
ん!ですが、無礼を承知で言わせて頂き
ます!!………………昔から続き、こうし
ている今もなお、あなたを縛りつけてい
るものとは一体何なんですか!!」
ブロンの必死な叫びにようやく顔を上げ
たキョウ……………改めキョウヤは鋭い眼
光をシンヤとブロン達へと向けながら、
こう言った。
「お前らが気になっていることは全
て……………この戦いが終わった後に答え
よう」
「「「「「なっ!?」」」」」
ブロン達がキョウヤのそんな言葉に驚き
を隠せない中、一方のシンヤはという
と……………
「そうこなくっちゃな!!」
ニヤリとした笑みを浮かべながら、嬉々
として刀を構えた。
「"雷神刀"」
そして先程、不発に終わった分の雷を刀
に纏わせ、キョウヤへと一瞬で詰め寄
り、勢いよくそれを振り下ろした。
「「「「「キョウヤ様
っ!!!!!」」」」」
ブロン達の悲痛な声が辺りに響き渡る。
個人個人として、シンヤと付き合いのあ
るはずの者もいるにはいるのだが、彼ら
の顔は皆一様に当時、キョウヤと行動を
共にしていた時のものとなっており、シ
ンヤのことは置いておいて無意識に彼の
ことだけを心配していた。しかし、そん
な中であってもシンヤの妻であるウィア
だけはブロン達から離れ、ティア達の近
くで2人のことを見守っていた。
「……………お前らが変わらず、俺のこと
を想ってくれているのは嬉しい
が………………」
刀を手甲で防ぎながら、キョウヤは言
う。
「安心して、そこで見てろ。俺が今まで
負けたこと、あるか?」
その姿は当時、ブロン達が見ていたまん
まだった。傲岸不遜・豪放磊落を絵に描
いたような人物でどこか人を惹きつける
魅力のある、あの"王導"キョウ
ヤ…………………それが今、ここに完全に
帰ってきたと彼らは確信した。
「シンヤ……………決着つけようか」
「ああ……………これがお前にとって最初
で最後の敗北だ」
「随分と生意気言うな……………俺にそっ
くりだ」
「全然嬉しくねぇよ」
この場にいる誰もが思っていた。おそら
く、次の瞬間には決着がついていても何
ら不思議ではないと。その為、観客達は
一瞬たりとも瞬きせずにシンヤとキョウ
ヤの戦いを見逃さないよう、神経を集中
させて見守っていた。
「だが、お前の言ってることは当たって
いるかもな」
「ん?」
「おそらく、今日が俺の…………………」
キョウヤの呟きの最後の部分は刀に付与
された雷の音に遮られ、誰の元にも届く
ことはなかった。
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