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第16章 神々の黄昏
第352話 開戦
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「やれ!!」
「俺達の怒りを見せつけてやれ!!」
天界のとある場所。そこは下級神達が静
かに暮らしている場所だった。比較的穏
やかな神達が身を寄せ合って暮らしてお
り、日常では争いなど滅多に起きないそ
の場所はしかし…………………現在、とて
も凄惨な状態にあった。
「やめてくれ!!」
「お、俺達が一体何をしたっていうん
だ!!」
「きゃ~!!」
悪神達の連合軍、"神々の軍勢"は何の罪もない下級神達
を次から次へと襲撃し、その被害に遭っ
た者達の多くが命を落としていった。い
くら神といえど、階級が1つ違うだけで
赤子と大人程の実力差がある。その為、
下級神達は中級神程の実力がある彼らに
対して為す術がなかったのだ。
「ふんっ!!何を被害者面してやが
る!!元を辿れば、お前らが俺達の存在
を奴らにチクッたんだろうが!!そのせ
いで俺達はあの地獄のような監獄へと幽
閉されて」
「そ、そんなのお前達の自業自得じゃな
いか!!」
「そうよ!そんなに捕まりたくないんだ
ったら、悪いことはしないで真面目に暮
らしていきなさいよ!!」
「うるせぇ!!一丁前に説教してんじゃ
ねぇ!!俺達が更生なんかする訳ねぇだ
ろ!!」
「それに上の奴らを困らせる意味
でお前らはどのみち生贄だ。大人しく犠
牲となってればいいんだよ」
「「「「「………………」」」」」
わがままな理屈で自分の言い分を通そう
とする悪神達の無茶苦茶さ加減に下級神
達は呆れて言葉も出なかった。
「何を呆けた顔、してやがる!!」
「チャンスだ!!やっちまえ!!」
しかし、思考は狂っているが実力は本物
の"神々の軍勢"。
そんな彼らが下級神達が硬直している隙
を見逃すはずもなく、襲撃はその勢いを
さらに増していった。
「うわぁ……………もう終わりだ」
「この世界に神はいないのか」
すると、この状況に諦めの念を抱いた多
くの下級神達は膝を地につき、逃げるこ
とを放棄し始めた。そして、それを見た
襲撃者達は口々にこう言った。
「馬鹿言ってんじゃねぇよ。"この世界
に神はいないのか"だって?」
「ギャハハハッ!!本当に馬鹿だぜ、こ
いつら」
「神はお前ら自身だってのによ!!」
「言ってやるな。平和な日常に突如、訪
れた災害。そりゃ、言ってることがおか
しくもなるさ」
「っつてもこいつら、弱くて話になんね
ぇぜ。もう"神"辞めちまえよ」
「それ、いいな!!聞いたかよ、ゴミク
ズ共!!弱い神なんて存在する価値がね
ぇんだよ!!だから、早く消えちま
え!!」
下級神達は身体と精神の両方を攻めら
れ、既に満身創痍の状態となっていた。
一方の襲撃者達は皆、嬉々として己の武
器を掲げ、彼らを一箇所に固めて一斉に
振るおうとしていた。
「「「「「…………………」」」」」
下級神達は自分達の辿る運命が"死"で
あるということを確信し、それを受け入
れようと硬く目を閉じ、両手を組んで祈
るようなポーズを取った。
「はんっ。つまらねぇ。もっと抵抗する
かと思えば、早々に諦めてこのザマか
よ」
「こんな雑魚のせいであんな思いをして
いたかと思うと腸が煮え繰り返りそう
だ」
「しらけたぜ。さっさとやっちまおう」
そう言うと"神々の軍勢"は一斉に武器を下級神達へと向け
て振り下ろそうとした。下級神達はその
間、目を閉じながらも心の奥底では死に
たくないという思いが溢れ、思わず祈ら
ずにはいられなかった。
"誰か、助けて下さい!!"
皆がそう祈る。ところが、そう都合の良
いことなど現実に起こるはずがない。彼
らもそれは分かっており、自身の身体に
武器が接触する直前までほぼほぼ諦めか
けていた。
「……………ん?何だ?」
だが、彼らの祈りはちゃんと届いた。
「おい。さっきまであんな奴、立ってた
か?」
「ったくよぉ。生き残りがまだいやがっ
たか。こっちも暇じゃねぇんだぞ」
なんと彼らから5m程離れた場所にいつ
のまにか、黒髪黒眼の青年が立ってお
り、"神々の軍勢"
はそこへ向かってぞろぞろと歩いていっ
た。
「なんか妙だな……………ん?ちょっと待
て。あいつはどうやってここに来た?こ
こに来るまでに俺達の仲間が沢山いたは
ず。下級神程度で無事に来れる訳
が……………っ!?お前ら、止まれ!!そ
いつは」
この集団のリーダーである男が違和感と
危機感から焦って、言葉を発した次の瞬
間、
「「「「「え…………………」」」」」
青年に向かっていた者達は皆、頭が身体
から斬り離されていた。この一瞬の出来
事に襲撃者達は驚き、その挙動を捉える
ことができた者はこの場には存在しなか
った。
「さて……………確か、弱い神は存在する
価値がないんだっけな」
刀から滴り落ちる鮮血をそのままにニヤ
リとした笑みを浮かべる青年、シンヤ。
直後、悪寒を感じた"神々の軍勢"は武器を握り締める手
が自然と強くなり、表情も強張り始め
た。これが後に"神々の黄昏"と呼ばれる聖戦の始まりだった。
「俺達の怒りを見せつけてやれ!!」
天界のとある場所。そこは下級神達が静
かに暮らしている場所だった。比較的穏
やかな神達が身を寄せ合って暮らしてお
り、日常では争いなど滅多に起きないそ
の場所はしかし…………………現在、とて
も凄惨な状態にあった。
「やめてくれ!!」
「お、俺達が一体何をしたっていうん
だ!!」
「きゃ~!!」
悪神達の連合軍、"神々の軍勢"は何の罪もない下級神達
を次から次へと襲撃し、その被害に遭っ
た者達の多くが命を落としていった。い
くら神といえど、階級が1つ違うだけで
赤子と大人程の実力差がある。その為、
下級神達は中級神程の実力がある彼らに
対して為す術がなかったのだ。
「ふんっ!!何を被害者面してやが
る!!元を辿れば、お前らが俺達の存在
を奴らにチクッたんだろうが!!そのせ
いで俺達はあの地獄のような監獄へと幽
閉されて」
「そ、そんなのお前達の自業自得じゃな
いか!!」
「そうよ!そんなに捕まりたくないんだ
ったら、悪いことはしないで真面目に暮
らしていきなさいよ!!」
「うるせぇ!!一丁前に説教してんじゃ
ねぇ!!俺達が更生なんかする訳ねぇだ
ろ!!」
「それに上の奴らを困らせる意味
でお前らはどのみち生贄だ。大人しく犠
牲となってればいいんだよ」
「「「「「………………」」」」」
わがままな理屈で自分の言い分を通そう
とする悪神達の無茶苦茶さ加減に下級神
達は呆れて言葉も出なかった。
「何を呆けた顔、してやがる!!」
「チャンスだ!!やっちまえ!!」
しかし、思考は狂っているが実力は本物
の"神々の軍勢"。
そんな彼らが下級神達が硬直している隙
を見逃すはずもなく、襲撃はその勢いを
さらに増していった。
「うわぁ……………もう終わりだ」
「この世界に神はいないのか」
すると、この状況に諦めの念を抱いた多
くの下級神達は膝を地につき、逃げるこ
とを放棄し始めた。そして、それを見た
襲撃者達は口々にこう言った。
「馬鹿言ってんじゃねぇよ。"この世界
に神はいないのか"だって?」
「ギャハハハッ!!本当に馬鹿だぜ、こ
いつら」
「神はお前ら自身だってのによ!!」
「言ってやるな。平和な日常に突如、訪
れた災害。そりゃ、言ってることがおか
しくもなるさ」
「っつてもこいつら、弱くて話になんね
ぇぜ。もう"神"辞めちまえよ」
「それ、いいな!!聞いたかよ、ゴミク
ズ共!!弱い神なんて存在する価値がね
ぇんだよ!!だから、早く消えちま
え!!」
下級神達は身体と精神の両方を攻めら
れ、既に満身創痍の状態となっていた。
一方の襲撃者達は皆、嬉々として己の武
器を掲げ、彼らを一箇所に固めて一斉に
振るおうとしていた。
「「「「「…………………」」」」」
下級神達は自分達の辿る運命が"死"で
あるということを確信し、それを受け入
れようと硬く目を閉じ、両手を組んで祈
るようなポーズを取った。
「はんっ。つまらねぇ。もっと抵抗する
かと思えば、早々に諦めてこのザマか
よ」
「こんな雑魚のせいであんな思いをして
いたかと思うと腸が煮え繰り返りそう
だ」
「しらけたぜ。さっさとやっちまおう」
そう言うと"神々の軍勢"は一斉に武器を下級神達へと向け
て振り下ろそうとした。下級神達はその
間、目を閉じながらも心の奥底では死に
たくないという思いが溢れ、思わず祈ら
ずにはいられなかった。
"誰か、助けて下さい!!"
皆がそう祈る。ところが、そう都合の良
いことなど現実に起こるはずがない。彼
らもそれは分かっており、自身の身体に
武器が接触する直前までほぼほぼ諦めか
けていた。
「……………ん?何だ?」
だが、彼らの祈りはちゃんと届いた。
「おい。さっきまであんな奴、立ってた
か?」
「ったくよぉ。生き残りがまだいやがっ
たか。こっちも暇じゃねぇんだぞ」
なんと彼らから5m程離れた場所にいつ
のまにか、黒髪黒眼の青年が立ってお
り、"神々の軍勢"
はそこへ向かってぞろぞろと歩いていっ
た。
「なんか妙だな……………ん?ちょっと待
て。あいつはどうやってここに来た?こ
こに来るまでに俺達の仲間が沢山いたは
ず。下級神程度で無事に来れる訳
が……………っ!?お前ら、止まれ!!そ
いつは」
この集団のリーダーである男が違和感と
危機感から焦って、言葉を発した次の瞬
間、
「「「「「え…………………」」」」」
青年に向かっていた者達は皆、頭が身体
から斬り離されていた。この一瞬の出来
事に襲撃者達は驚き、その挙動を捉える
ことができた者はこの場には存在しなか
った。
「さて……………確か、弱い神は存在する
価値がないんだっけな」
刀から滴り落ちる鮮血をそのままにニヤ
リとした笑みを浮かべる青年、シンヤ。
直後、悪寒を感じた"神々の軍勢"は武器を握り締める手
が自然と強くなり、表情も強張り始め
た。これが後に"神々の黄昏"と呼ばれる聖戦の始まりだった。
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