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18 伯爵が再婚した理由
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領地に戻ってからの最初の晩餐で、伯爵から王都買ったものを尋ねられたローゼリアは正直に答えた。
「ローゼリア、王都を出る直前に書店から書籍11冊と書かれた請求書が届いていたが、あれは何の本を買ったのだ?」
「小説を買わせて頂きましたわ」
「小説代にしては随分高いな。あれだけの金額ならドレスが買えるだろう」
「私が買い求めました書籍は装丁も皮張りでしっかりしている上に、エルランド国で流行っている小説ですのよ」
「なるほど……。帰りの馬車でずっと読んでいたのはそれだったのか。アクセサリーや服は買わなかったのだな」
「ええ、宝飾品や衣服は己を飾るだけですが、こちらは私の心に活力を与えて下さいますの。私にとって本は宝石のような存在ですわ……ん?」
話の途中でローゼリアの動きが止まる。
「どうした?」
ローゼリアの様子を見て、デザートに手を付けようとしていた伯爵の手が止まった。
「申し訳ございませんっ、ちょっと思い出した事がありますので失礼致しますわっ!」
ローゼリアは食事の途中だったが、突然席を立って自室へ駆け込んだ。
◆◆◆
ローゼリアがいなくなった後の食堂で伯爵はそれまでひと言も言葉を発しなかったイアンと話す事にした。イアンは騙し討ちのようなお見合いをさせられそうになった事をまだ根に持っていた。
今回の一件はローゼリアが中心になっていたようだが、当主である伯爵の許可をもらわなければローゼリアだって勝手は出来ない。それを分かっているイアンはローゼリアだけではなく伯爵に対しても腹を立てていた。
「イアン、つまらない事に腹を立てるのはやめてもう少し利口になれ。ローゼリアもしっかりしているように見えるがまだ若い。世間知らずな令嬢と変わらないのだ。あれに懲りて二度とあのような事はしないだろう」
「…………わかりました」
騎士という縦社会で生きてきたイアンにとって、義父である伯爵は自分をかわいがってくれた親族であっても、上官と同じような存在だと思っている。伯爵もそれを分かっているから、普段はあまり細かい事は言わないようにしているのだが、言うべき時にはきっちり言うようにしていた。
デザートまで食べ終えた伯爵はイアンの様子を伺う。自分の知らないところで勝手に見合い話を進められていた事がよほど嫌だったらしく、言葉の上では従っていても不貞腐れている様子はしっかりと出ている。
こういう時は何事もなかったように笑顔で流して、後でピシャリと言うような事をして欲しいところだが、さすがにそこまではイアンには求められない。だがせめて表情で感情を読ませないようにはなって欲しいところだった。
「ところで、お前はローゼリアの事をどう思う?王子の隣に立っていた時は秀でた点が無さそうだと噂では聞いていたが、こうして一緒に暮らしてみると面白い娘だと思わないか?」
そう言って伯爵はニヤリと笑う。
「俺は人妻になんて興味はありませんから」
無表情に答えたイアンはすました顔で紅茶が入ったカップを手にする。
「ならばお前にワシたち夫婦の秘密を教えてやろう。ワシはローゼリアとは契約を結び、白い結婚としている」
伯爵の思わぬ告白にイアンは顔を上げる。
「はっ?それならば彼女が当家に嫁いだ理由がなくなるじゃないですか。別に俺は義父上にお子が出来たとしても構いませんし、子供を授からなかったとしても、若い妻が義父上のこれからをみてくれるのならと結婚に反対をしなかったのですよっ」
「イアン、よく考えてみろ。ローゼリアは没落した子爵令嬢でも元は高貴なる血筋を持ち、王太子妃としての教育を受けて育てられたのだぞ。さらにローゼリアにはこの国ばかりではなく、隣国の公爵家の血も入っている。一年前だったら、王太子と婚約をしていなくとも、我が家からの縁談なんて叶わなかった相手だ。皆ヴィルタを恐れているから、まともな若い息子のいる家は誰も手を差し伸べなかったし、そういった家と縁付こうとしてもヴィルタが邪魔をしただろう。ワシとの結婚だったからヴィルタは目溢しをしたのだ。凋落した政敵の娘が親よりも年上の50間近の種無しに嫁ぐのだ。あいつらにとっては面白い話だったから、この結婚は成立させる事ができたのだ。そしておそらくヤツはそのうち失脚する。王家とヴィルタのやり方についていけない貴族が水面下で動き始めている」
「義父上と違って俺は半分は平民の血が入ってますからね。そのような難しい政治の話は分かりませんよ」
何とかはぐらかそうとするイアンに、伯爵はさらに追い打ちをかける。
「ヴィルタがいなくなった後に白い結婚を理由にワシとの結婚が無効になればローゼリアの価値はぐんと上がるぞ」
「だから、何だっていうのです?」
伯爵をしつこいと思ったのか、イアンの口調が少し強くなった。
「ローゼリアと交わした契約結婚の期間は5年だ。それまでにローゼリアがお前と結婚をしたいと思わせれば、我が家に名門フォレスターの血を入れられる」
よりよい後継をと望む義父は生粋の貴族なのだとイアンは思う。
イアンの実父はこの家で育ったが、当主教育を受けていなかったせいか、義父に比べてあまり貴族らしくない。城勤めではあっても門番や外壁周りの警備をしていた実父の稼ぎは貴族としては低く、イアンの実家は王都の平民街の片隅にある。平民と比べると良い暮らしではあったが、貴族の暮らしとはまるで違う。
没落したとはいえ、深窓の令嬢であったローゼリアと、平民に混じって暮らしていたイアンとでは血筋どころか育ちも身分も雲泥の差があるのだ。
「………嫌です。数年後に彼女の価値が上がるのでしたら、尚更俺とはつり合いが取れません。そんな結婚を俺はしたくない」
「つり合いが取れないと思うのなら、お前が釣り合う存在になればいいのだろう。まずはその平民意識を捨てて、貴族然としていないといけない。剣の鍛錬はほどほどにして、もっと熱心に領地運営と貴族としての基本を事を学べ」
そう言って伯爵も立ちあがると食堂から出ていった。食堂にはイアンだけが残されて、すっかり冷めてしまった紅茶の入ったカップを見つめていた。
◆◆◆
夕食と途中で抜け出したローゼリアはライティングデスクに置かれた封筒に入っていた手紙を読んでいた。
もちろん、自分が出ていった後の伯爵とイアンの話をローゼリアは全く知らない。
手紙の差出し人は兄のエーヴェルトからで、王都から戻ってきたら手紙が届いていた。渡されてすぐに何度も読み返したが、見慣れた文字が懐かしくてつい繰り返し読んでしまう。
手紙の内容は家族の無事を知らせる内容で、爵位を国に返した後に無事に家族でエルランド国に着き、母親の実家であるピオシュ家に身を寄せていると書かれてあった。
「お母様がお元気になられて良かった」
そう言いながらローゼリアは手紙を大切に抱きしめる。
心配をしていた家族の無事を知らせる手紙は、読むたびに何度でも嬉しさで涙が出そうになってしまう。
手紙には実家に戻った母のナタリーは少しずつだが以前よりも食欲も出てきたとあり、詳細は書かれていなかったがエーヴェルトも忙しく過ごしているのだと書かれてあった。
ローゼリアは兄に手紙を送ってくれたことへの感謝と自分の近況を知らせる内容の返事を書いた後に、エルランドに住むとある平民の女性へも手紙を書き始める。
二通の手紙を書いて封をした後のローゼリアは、今度は引き出しから何も書かれていない帳面を出し、先ほど食堂で思い付いた事を書き始めた。
その夜、ローゼリアの部屋の灯は消える事は無かった。
「ローゼリア、王都を出る直前に書店から書籍11冊と書かれた請求書が届いていたが、あれは何の本を買ったのだ?」
「小説を買わせて頂きましたわ」
「小説代にしては随分高いな。あれだけの金額ならドレスが買えるだろう」
「私が買い求めました書籍は装丁も皮張りでしっかりしている上に、エルランド国で流行っている小説ですのよ」
「なるほど……。帰りの馬車でずっと読んでいたのはそれだったのか。アクセサリーや服は買わなかったのだな」
「ええ、宝飾品や衣服は己を飾るだけですが、こちらは私の心に活力を与えて下さいますの。私にとって本は宝石のような存在ですわ……ん?」
話の途中でローゼリアの動きが止まる。
「どうした?」
ローゼリアの様子を見て、デザートに手を付けようとしていた伯爵の手が止まった。
「申し訳ございませんっ、ちょっと思い出した事がありますので失礼致しますわっ!」
ローゼリアは食事の途中だったが、突然席を立って自室へ駆け込んだ。
◆◆◆
ローゼリアがいなくなった後の食堂で伯爵はそれまでひと言も言葉を発しなかったイアンと話す事にした。イアンは騙し討ちのようなお見合いをさせられそうになった事をまだ根に持っていた。
今回の一件はローゼリアが中心になっていたようだが、当主である伯爵の許可をもらわなければローゼリアだって勝手は出来ない。それを分かっているイアンはローゼリアだけではなく伯爵に対しても腹を立てていた。
「イアン、つまらない事に腹を立てるのはやめてもう少し利口になれ。ローゼリアもしっかりしているように見えるがまだ若い。世間知らずな令嬢と変わらないのだ。あれに懲りて二度とあのような事はしないだろう」
「…………わかりました」
騎士という縦社会で生きてきたイアンにとって、義父である伯爵は自分をかわいがってくれた親族であっても、上官と同じような存在だと思っている。伯爵もそれを分かっているから、普段はあまり細かい事は言わないようにしているのだが、言うべき時にはきっちり言うようにしていた。
デザートまで食べ終えた伯爵はイアンの様子を伺う。自分の知らないところで勝手に見合い話を進められていた事がよほど嫌だったらしく、言葉の上では従っていても不貞腐れている様子はしっかりと出ている。
こういう時は何事もなかったように笑顔で流して、後でピシャリと言うような事をして欲しいところだが、さすがにそこまではイアンには求められない。だがせめて表情で感情を読ませないようにはなって欲しいところだった。
「ところで、お前はローゼリアの事をどう思う?王子の隣に立っていた時は秀でた点が無さそうだと噂では聞いていたが、こうして一緒に暮らしてみると面白い娘だと思わないか?」
そう言って伯爵はニヤリと笑う。
「俺は人妻になんて興味はありませんから」
無表情に答えたイアンはすました顔で紅茶が入ったカップを手にする。
「ならばお前にワシたち夫婦の秘密を教えてやろう。ワシはローゼリアとは契約を結び、白い結婚としている」
伯爵の思わぬ告白にイアンは顔を上げる。
「はっ?それならば彼女が当家に嫁いだ理由がなくなるじゃないですか。別に俺は義父上にお子が出来たとしても構いませんし、子供を授からなかったとしても、若い妻が義父上のこれからをみてくれるのならと結婚に反対をしなかったのですよっ」
「イアン、よく考えてみろ。ローゼリアは没落した子爵令嬢でも元は高貴なる血筋を持ち、王太子妃としての教育を受けて育てられたのだぞ。さらにローゼリアにはこの国ばかりではなく、隣国の公爵家の血も入っている。一年前だったら、王太子と婚約をしていなくとも、我が家からの縁談なんて叶わなかった相手だ。皆ヴィルタを恐れているから、まともな若い息子のいる家は誰も手を差し伸べなかったし、そういった家と縁付こうとしてもヴィルタが邪魔をしただろう。ワシとの結婚だったからヴィルタは目溢しをしたのだ。凋落した政敵の娘が親よりも年上の50間近の種無しに嫁ぐのだ。あいつらにとっては面白い話だったから、この結婚は成立させる事ができたのだ。そしておそらくヤツはそのうち失脚する。王家とヴィルタのやり方についていけない貴族が水面下で動き始めている」
「義父上と違って俺は半分は平民の血が入ってますからね。そのような難しい政治の話は分かりませんよ」
何とかはぐらかそうとするイアンに、伯爵はさらに追い打ちをかける。
「ヴィルタがいなくなった後に白い結婚を理由にワシとの結婚が無効になればローゼリアの価値はぐんと上がるぞ」
「だから、何だっていうのです?」
伯爵をしつこいと思ったのか、イアンの口調が少し強くなった。
「ローゼリアと交わした契約結婚の期間は5年だ。それまでにローゼリアがお前と結婚をしたいと思わせれば、我が家に名門フォレスターの血を入れられる」
よりよい後継をと望む義父は生粋の貴族なのだとイアンは思う。
イアンの実父はこの家で育ったが、当主教育を受けていなかったせいか、義父に比べてあまり貴族らしくない。城勤めではあっても門番や外壁周りの警備をしていた実父の稼ぎは貴族としては低く、イアンの実家は王都の平民街の片隅にある。平民と比べると良い暮らしではあったが、貴族の暮らしとはまるで違う。
没落したとはいえ、深窓の令嬢であったローゼリアと、平民に混じって暮らしていたイアンとでは血筋どころか育ちも身分も雲泥の差があるのだ。
「………嫌です。数年後に彼女の価値が上がるのでしたら、尚更俺とはつり合いが取れません。そんな結婚を俺はしたくない」
「つり合いが取れないと思うのなら、お前が釣り合う存在になればいいのだろう。まずはその平民意識を捨てて、貴族然としていないといけない。剣の鍛錬はほどほどにして、もっと熱心に領地運営と貴族としての基本を事を学べ」
そう言って伯爵も立ちあがると食堂から出ていった。食堂にはイアンだけが残されて、すっかり冷めてしまった紅茶の入ったカップを見つめていた。
◆◆◆
夕食と途中で抜け出したローゼリアはライティングデスクに置かれた封筒に入っていた手紙を読んでいた。
もちろん、自分が出ていった後の伯爵とイアンの話をローゼリアは全く知らない。
手紙の差出し人は兄のエーヴェルトからで、王都から戻ってきたら手紙が届いていた。渡されてすぐに何度も読み返したが、見慣れた文字が懐かしくてつい繰り返し読んでしまう。
手紙の内容は家族の無事を知らせる内容で、爵位を国に返した後に無事に家族でエルランド国に着き、母親の実家であるピオシュ家に身を寄せていると書かれてあった。
「お母様がお元気になられて良かった」
そう言いながらローゼリアは手紙を大切に抱きしめる。
心配をしていた家族の無事を知らせる手紙は、読むたびに何度でも嬉しさで涙が出そうになってしまう。
手紙には実家に戻った母のナタリーは少しずつだが以前よりも食欲も出てきたとあり、詳細は書かれていなかったがエーヴェルトも忙しく過ごしているのだと書かれてあった。
ローゼリアは兄に手紙を送ってくれたことへの感謝と自分の近況を知らせる内容の返事を書いた後に、エルランドに住むとある平民の女性へも手紙を書き始める。
二通の手紙を書いて封をした後のローゼリアは、今度は引き出しから何も書かれていない帳面を出し、先ほど食堂で思い付いた事を書き始めた。
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