10 / 37
第二幕
02.
しおりを挟む
「……準備するので、こちらをお飲みになって、お待ちください」
砂糖でも混ぜてあるのか、甘い香りのするミルクを差し出すと、花売り娘は部屋を出た。
「どうも」
そこは町はずれの小屋で、寝台以外には、あまり物がない部屋に通された。
態々ここまで離れた場所に来るなんて、余程警戒しているんだろう、それだけ重要な話が……そこまで隠さないといけない程の話……一体ナローシュ様は何をしてるんだろう。
まあ、この間、衛兵をけしかけられたしそういう事もある……かな?
「お待たせしました……」
「ええ、では──」
「し、失礼しますっ!」
振り返る前に、寝台へ押し倒される。
「えっ」
ど、どういうこと!?まさか、密偵だとバレたから私を消そうとして….…!?
「……う、動かなければ、悪いようにはしませんので……」
やっぱりそうだ……!どうにかして──くっ、上に乗られて動けない….…なんで力が入ら……!
……さては、さっきのミルクに何か混ぜてあったな……!
「どうするつもりだ……?」
「……わ、私の言う通りにすれば、何の問題もありませんので」
そう言って目隠しをつけてくる。
「……まだ金が必要か?」
「お金?まさか、そんな。……私に任せていただければ直ぐにでも、天にも昇るような気になるでしょう」
問答無用で殺すつもりか……!
「さてと、先ずはこれに火をつけてっと」
何か独特な甘い香りが漂い始めた。香油か……いや、これは……
「はぁ……いい香りです。さて、お楽しみの時間といきましょうか……先ずは邪魔な服を──ん?」
殺す前に嬲るつもりか……!
「……あれ?あの……もしかして……」
身体に触れた娘が聞く。
こうなったら、どうせ殺すか殺されるか、別にバレたって構わないでしょう。
「……そうです」
「なるほど!宦官さんでしたか」
またなの!?
「違うわい!私はれっきとした女だ!」
「えっ……わっ!」
怒りの所為か、思ったよりも力が出て、娘を跳ね上げ、体勢が入れ替わる。
「え?」
組み伏せた娘は、何故か薄い服以外に何も着ていなかった。
「……なんでそんな格好?返り血の処理の為?」
「返り血って……人殺しみたいに言わないでくださいよ、というか、こんなに硬いのに……?あ、でもそう言われると柔らかい場所もあるような……」
娘は惚けたような顔で私を触って確かめる。
「好きで硬い訳じゃないから!というか何が目的?」
「え……何が目的って。じゃあなんで私を買ったんですか……?わかってる人って聞きましたよね?」
「買った……?」
「あの……花売りの花を全部買うってどう言う意味かわかっていないのですか?」
キョトンとして聞いてくる。
「全部って?そんな事言った?」
「ご冗談を、金貨一枚出されたら、花なんて全部買ってもお釣りが来るどころじゃないですよ、兵士の給料の12倍もあるんですから」
……ん?じゃあ、私は……
「只でさえ、そういう事をしろって意味なのに、金貨なんて出されたら。まず間違いなくそれなりの人物ですし、逆らえば命に関わりますし……」
「凄まじい大金で身を差し出せと言われたようなものだったと?」
「そうです、その通りです……ですが、まあ納得です。……そこまでの金額を払わなければ断られると思ったのですね」
「……はい?」
「はい、大丈夫です!女性の方でも私は全然気にしませんから!」
「違う!そうじゃない!」
砂糖でも混ぜてあるのか、甘い香りのするミルクを差し出すと、花売り娘は部屋を出た。
「どうも」
そこは町はずれの小屋で、寝台以外には、あまり物がない部屋に通された。
態々ここまで離れた場所に来るなんて、余程警戒しているんだろう、それだけ重要な話が……そこまで隠さないといけない程の話……一体ナローシュ様は何をしてるんだろう。
まあ、この間、衛兵をけしかけられたしそういう事もある……かな?
「お待たせしました……」
「ええ、では──」
「し、失礼しますっ!」
振り返る前に、寝台へ押し倒される。
「えっ」
ど、どういうこと!?まさか、密偵だとバレたから私を消そうとして….…!?
「……う、動かなければ、悪いようにはしませんので……」
やっぱりそうだ……!どうにかして──くっ、上に乗られて動けない….…なんで力が入ら……!
……さては、さっきのミルクに何か混ぜてあったな……!
「どうするつもりだ……?」
「……わ、私の言う通りにすれば、何の問題もありませんので」
そう言って目隠しをつけてくる。
「……まだ金が必要か?」
「お金?まさか、そんな。……私に任せていただければ直ぐにでも、天にも昇るような気になるでしょう」
問答無用で殺すつもりか……!
「さてと、先ずはこれに火をつけてっと」
何か独特な甘い香りが漂い始めた。香油か……いや、これは……
「はぁ……いい香りです。さて、お楽しみの時間といきましょうか……先ずは邪魔な服を──ん?」
殺す前に嬲るつもりか……!
「……あれ?あの……もしかして……」
身体に触れた娘が聞く。
こうなったら、どうせ殺すか殺されるか、別にバレたって構わないでしょう。
「……そうです」
「なるほど!宦官さんでしたか」
またなの!?
「違うわい!私はれっきとした女だ!」
「えっ……わっ!」
怒りの所為か、思ったよりも力が出て、娘を跳ね上げ、体勢が入れ替わる。
「え?」
組み伏せた娘は、何故か薄い服以外に何も着ていなかった。
「……なんでそんな格好?返り血の処理の為?」
「返り血って……人殺しみたいに言わないでくださいよ、というか、こんなに硬いのに……?あ、でもそう言われると柔らかい場所もあるような……」
娘は惚けたような顔で私を触って確かめる。
「好きで硬い訳じゃないから!というか何が目的?」
「え……何が目的って。じゃあなんで私を買ったんですか……?わかってる人って聞きましたよね?」
「買った……?」
「あの……花売りの花を全部買うってどう言う意味かわかっていないのですか?」
キョトンとして聞いてくる。
「全部って?そんな事言った?」
「ご冗談を、金貨一枚出されたら、花なんて全部買ってもお釣りが来るどころじゃないですよ、兵士の給料の12倍もあるんですから」
……ん?じゃあ、私は……
「只でさえ、そういう事をしろって意味なのに、金貨なんて出されたら。まず間違いなくそれなりの人物ですし、逆らえば命に関わりますし……」
「凄まじい大金で身を差し出せと言われたようなものだったと?」
「そうです、その通りです……ですが、まあ納得です。……そこまでの金額を払わなければ断られると思ったのですね」
「……はい?」
「はい、大丈夫です!女性の方でも私は全然気にしませんから!」
「違う!そうじゃない!」
3
あなたにおすすめの小説
「一晩一緒に過ごしただけで彼女面とかやめてくれないか」とあなたが言うから
キムラましゅろう
恋愛
長い間片想いをしていた相手、同期のディランが同じ部署の女性に「一晩共にすごしただけで彼女面とかやめてくれないか」と言っているのを聞いてしまったステラ。
「はいぃ勘違いしてごめんなさいぃ!」と思わず心の中で謝るステラ。
何故なら彼女も一週間前にディランと熱い夜をすごした後だったから……。
一話完結の読み切りです。
ご都合主義というか中身はありません。
軽い気持ちでサクッとお読み下さいませ。
誤字脱字、ごめんなさい!←最初に謝っておく。
小説家になろうさんにも時差投稿します。
わたしの婚約者なんですけどね!
キムラましゅろう
恋愛
わたしの婚約者は王宮精霊騎士団所属の精霊騎士。
この度、第二王女殿下付きの騎士を拝命して誉れ高き近衛騎士に
昇進した。
でもそれにより、婚約期間の延長を彼の家から
告げられて……!
どうせ待つなら彼の側でとわたしは内緒で精霊魔術師団に
入団した。
そんなわたしが日々目にするのは彼を含めたイケメン騎士たちを
我がもの顔で侍らかす王女殿下の姿ばかり……。
彼はわたしの婚約者なんですけどね!
いつもながらの完全ご都合主義、
ノーリアリティのお話です。
少々(?)イライラ事例が発生します。血圧の上昇が心配な方は回れ右をお願いいたします。
小説家になろうさんの方でも投稿しています。
全てを捨てて消え去ろうとしたのですが…なぜか殿下に執着されています
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のセーラは、1人崖から海を見つめていた。大好きだった父は、2ヶ月前に事故死。愛していた婚約者、ワイアームは、公爵令嬢のレイリスに夢中。
さらにレイリスに酷い事をしたという噂まで流されたセーラは、貴族世界で完全に孤立していた。独りぼっちになってしまった彼女は、絶望の中海を見つめる。
“私さえいなくなれば、皆幸せになれる”
そう強く思ったセーラは、子供の頃から大好きだった歌を口ずさみながら、海に身を投げたのだった。
一方、婚約者でもあるワイアームもまた、一人孤独な戦いをしていた。それもこれも、愛するセーラを守るため。
そんなワイアームの気持ちなど全く知らないセーラは…
龍の血を受け継いだワイアームと、海神の娘の血を受け継いだセーラの恋の物語です。
ご都合主義全開、ファンタジー要素が強め?な作品です。
よろしくお願いいたします。
※カクヨム、小説家になろうでも同時配信しています。
ぐうたら令嬢は公爵令息に溺愛されています
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のレイリスは、今年で16歳。毎日ぐうたらした生活をしている。貴族としてはあり得ないような服を好んで着、昼間からゴロゴロと過ごす。
ただ、レイリスは非常に優秀で、12歳で王都の悪党どもを束ね揚げ、13歳で領地を立て直した腕前。
そんなレイリスに、両親や兄姉もあまり強く言う事が出来ず、専属メイドのマリアンだけが口うるさく言っていた。
このままやりたい事だけをやり、ゴロゴロしながら一生暮らそう。そう思っていたレイリスだったが、お菓子につられて参加したサフィーロン公爵家の夜会で、彼女の運命を大きく変える出来事が起こってしまって…
※ご都合主義のラブコメディです。
よろしくお願いいたします。
カクヨムでも同時投稿しています。
余命3ヶ月と言われたので静かに余生を送ろうと思ったのですが…大好きな殿下に溺愛されました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のセイラは、ずっと孤独の中生きてきた。自分に興味のない父や婚約者で王太子のロイド。
特に王宮での居場所はなく、教育係には嫌味を言われ、王宮使用人たちからは、心無い噂を流される始末。さらに婚約者のロイドの傍には、美しくて人当たりの良い侯爵令嬢のミーアがいた。
ロイドを愛していたセイラは、辛くて苦しくて、胸が張り裂けそうになるのを必死に耐えていたのだ。
毎日息苦しい生活を強いられているせいか、最近ずっと調子が悪い。でもそれはきっと、気のせいだろう、そう思っていたセイラだが、ある日吐血してしまう。
診察の結果、母と同じ不治の病に掛かっており、余命3ヶ月と宣言されてしまったのだ。
もう残りわずかしか生きられないのなら、愛するロイドを解放してあげよう。そして自分は、屋敷でひっそりと最期を迎えよう。そう考えていたセイラ。
一方セイラが余命宣告を受けた事を知ったロイドは…
※両想いなのにすれ違っていた2人が、幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いいたします。
他サイトでも同時投稿中です。
あなたの事は好きですが私が邪魔者なので諦めようと思ったのですが…様子がおかしいです
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のカナリアは、原因不明の高熱に襲われた事がきっかけで、前世の記憶を取り戻した。そしてここが、前世で亡くなる寸前まで読んでいた小説の世界で、ヒーローの婚約者に転生している事に気が付いたのだ。
その物語は、自分を含めた主要の登場人物が全員命を落とすという、まさにバッドエンドの世界!
物心ついた時からずっと自分の傍にいてくれた婚約者のアルトを、心から愛しているカナリアは、酷く動揺する。それでも愛するアルトの為、自分が身を引く事で、バッドエンドをハッピーエンドに変えようと動き出したのだが、なんだか様子がおかしくて…
全く違う物語に転生したと思い込み、迷走を続けるカナリアと、愛するカナリアを失うまいと翻弄するアルトの恋のお話しです。
展開が早く、ご都合主義全開ですが、よろしくお願いしますm(__)m
【完結】お察し令嬢は今日も婚約者の心を勝手にお察しする
キムラましゅろう
恋愛
ロッテンフィールド公爵令嬢オフィーリアは幼い頃に祖母に教えられた“察する”という処世術を忠実に守ってきた。
そんなオフィーリアの婚約者はこの国の王太子、エルリック。
オフィーリアはずっと、エルリックの心を慮り察することで彼の婚約者として研鑽してきた。
そんなある日、オフィーリアは王宮の庭園でエルリックと伯爵令嬢バネッサの仲睦まじい姿を目の当たりにしてしまう。
そこでオフィーリアは察したのだった。エルリックが真に妃として望むのはバネッサなのだと。
それを察したオフィーリアはエルリックのために婚約解消を決意するが……?
mixi2異世界恋愛作家部、氷雨そら先生主催の『愛が重いヒーロー企画』参加作品です。
完全ご都合主義。誤字脱字、ごめんあそばせ。
\_(・ω・`)ココ重要!テストデルヨ!
華麗なる表紙は、
作家のあさぎかな先生のコラージュ作品です✨
❤︎.*(ノ ˘͈ 。˘͈)ノᵕᵕ)╮アリガタヤー✨
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる