5 / 72
第1章 出会い編
第5話 使用人たちと緊急会議よ。
しおりを挟む
午前10時少し過ぎ。
アタシはとある人物たちがこの仕事部屋に来るのを待っていた。その人物とは_。
コンコンッ
「旦那様、失礼します。ジャネス、ヨハネ、クリスティ、ただいま来ました。」
「どうぞ、入ってちょうだい。」
ジャネス、ヨハネ、クリスティ。この3人はリディアを拾ったあの日あの部屋にいて、以来アタシとリディアのお世話をし、リディアの真実を知っている数少ない使用人たちよ。
「忙しい中悪いわね、まあ座って。」
失礼しますと小さく発し、3人が目の前の長椅子に着席する。
アタシは3人分のカップを用意し、紅茶を注ぐ。以前リディアにむしり取られた個包装のお菓子が入っている籠を差し出し、みんなに勧める。
3人は遠慮することなくお菓子を受け取り、カップの横に置く。みんな知ってるのよ、お菓子を遠慮して受け取らないほうが、後々めんどくさいことになるってね。
「今回集まってもらったのは他でもない、あの日保護した女の子の話よ。」
3人の視線が一斉にアタシに集まる。
みんな想像はしていたのか、驚いたり狼狽えたりする様子はない。
「お嬢様に何か?」
”お嬢様”
そう、3人にはリディアをこう呼ぶように言いつけてあるわ。
リディアという名前は基本的に、この国に伝わる神の末裔の少女、リディア・アッシュクロフトを示す名前なの。
たまに聖女リディアをリスペクトして、自分の娘にリディアという名前をつける人もいるけど、基本的にリディアといえばこの国の聖女を示しているのよ。
あの子がリディアという名前を名乗ること自体には問題ないのだけど、本人である以上リディアを名乗るのは別の火種になりかねないと判断したの。
リディア自身は表向きには”レティシア・レッドフォード”と名乗り、あの日あの場にいた3人の使用人たちはみなあの子のことを”お嬢様”と呼ぶことにしているわ。
表向きにはレッドフォード家の当主であるアドルディ・レッドフォードの養子になった少女、レティシア・レッドフォード。3人以外の使用人とアタシの関係者はそう思っているはずよ。
本当の姿は、このローゼシア王国の象徴として崇められている神の末裔の少女、リディア・アッシュクロフトなんだけどね。
「分かっていると思うけど、あの子は”レティシア・レッドフォード”。もしくは”お嬢様”。あれはアタシと貴方たちだけの秘密。」
3人は真剣な面持ちでコクコクと頷いている。
ここまでは3人にとっても承知の内容。伝えたいのはここからよ。
「先日あの子に言われれ初めて知ったんだけどね、貴方たちにある魔法をかけたらしいの。」
「ある魔法、ですか?」
「そう、それは『あの子に関する真実を喋ろうとしたり誰かに伝えるようなことしたら、即座に心臓が破裂して死ぬ魔法』だって、ね。」
「え。」
「え…?」
「え!?」
三者三葉、驚きの表情と困惑を口に出したわ。そりゃそうなるのも分かるわよ。
「…誰にも言ってないわよね?」
「も、もちろんでございます。」
「私も、言っていません、絶対に!」
「あたしもです!聖女リディア様に誓って…!あっあっ…!」
誓われる対象である聖女リディアに接したことで呪いのような魔法をかけられているなんて、多分人生何度繰り返しても遭遇できないイベントでしょうね。全く嬉しくないけど。
「本当にそんな魔法をかけてくれたのか真偽は分からないわ。でも、確かめるすべもないの。」
リディアの秘密を言いふらしたら、じゃないものね。
『言おうとしたら』だものね。どんな魔法とトリガーになっているのかしら。
そういう繊細かつ大胆な設定で魔法をかけられるのも、最上級魔導士と言われているあの子の力なのでしょうね。
「あとね、ジャネスは知っていると思うから軽く聞いてくれるだけでいいんだけど。」
ジャネスは心当たりがあるのか、アタシから視線を外すことなく手に力を込めて背筋を伸ばした。
ヨハネとクリスティは何のことだかわからず、首をかしげながら少し前のめりになっている。
「リディ…レティシアが言っていたんだけどね。あの子、ここに来るまで王城の中心部にある聖神殿の一室に軟禁されていたみたいなの。」
アタシは掻い摘んで話した。
聖女リディアの過去について。
国王が代替わりするたびに、リディアは姿を変えて人と接していたこと。
2500年前の国王が、聖女リディアに関する資料を全て廃棄してしまったこと。
そのため、聖女リディアの真の姿を把握している者はアタシたち以外にいないこと。
「聖女リディアにそんな経緯が…。」
クリスティが手で口元を押さえながら絶句している。
信じていた話の、言い伝えられてきた国の象徴の偽りの姿を知って、ヨハネも黙ってしまっている。
「あの、ご主人様。この話、私たちにしてもよろしかったのですか?」
「ええ。レティシア本人から許可は得ているわ。ジャネスに至っては、目の間でこの話をされたものね。」
ヨハネの疑問はもっともね。
でも、リディアを拾ったあの日、あの部屋にいた3人には知る権利があると思うし、何より説明しておいたほうが対応がしやすいと思ったの。
「今日まで、レティシアにはこの屋敷の一部の区画のみ行き来することを許していたわ。3人も知っての通り、アタシの仕事部屋とプライベートルーム、食堂、そしてあの子の部屋ね。」
「はい、お嬢様の部屋に至っては、我々3人以外の使用人は出入りしていないはずです。旦那様から、使用人全員に通達がありましたから。」
「明日からね、レティシアを自由に過ごさせてあげたいの。」
「…と、言いますと。」
一息置いて、アタシは紅茶を一口飲む。
「屋敷全体を自由に行き来させてあげてもいいかなって思ったの。敷地内とはいえ、外に行くときは誰か使用人に着いていってもらうことになるけど。」
「旦那様がお決めになったことでしたら、我々は従うのみです。…でも、大丈夫なのでしょうか。」
「何が?」
そんなつもりはなかったけど、強い語気になってしまっていたみたい。ジャネスが口を閉ざそうとするから、構わず続きを言わせたわ。
「その、聖女…の見た目は我々以外知らないとのことですが。絶対とは言いきれないと思いまして。どこかの屋敷やゆかりの地に該当する資料や口伝が残っていた場合、彼女が聖女リディアであるとバレてしまうのではないかと。…過ぎたことを申し訳ありません。」
「いえ、大丈夫よ。言ってくれてありがとう。アタシもそれについて本人に聞いてみたの。でもあの子、『絶対に大丈夫だよ』の一点張りで。当事者である本人がそういうなら、アタシたちは信じて受け入れるしかないじゃない?」
この国において、あの子の髪色と目の色は特別珍しい色でもないわ。黄色の強いブロンドの髪の人も、暗い夜のような青い瞳の人も、探せば普通にいるからね。
問題となるなら、その2つが組み合わさることで、あの子が聖女リディアだとバレないかという点ね。リディア自身は大丈夫だと言っているけど、資料や口伝が絶対にない保障は無いと思うの。リディアの自信もアタシたちの不安も、根拠も証拠もないけどね。
「とりあえず、あの子に関して伝えたいことは言えたはずよ。今日の昼過ぎ、改めてアタシから全使用人にあの子の処遇について通達するわ。何か他に質問はある?」
方々から『大丈夫です』『ありません』『承知しました』と声が上がる。
今回の緊急会議はこれにてお開きね。
「3人とも、お紅茶とお菓子を食べてから仕事に戻りなさい。まだ冷めてはいないはずよ。」
失礼しますという声と共に、3人がカップを持ち紅茶を飲んでいく。
そんな様子をぼーっと見つめながら、アタシは今後について考えた。
アタシはとある人物たちがこの仕事部屋に来るのを待っていた。その人物とは_。
コンコンッ
「旦那様、失礼します。ジャネス、ヨハネ、クリスティ、ただいま来ました。」
「どうぞ、入ってちょうだい。」
ジャネス、ヨハネ、クリスティ。この3人はリディアを拾ったあの日あの部屋にいて、以来アタシとリディアのお世話をし、リディアの真実を知っている数少ない使用人たちよ。
「忙しい中悪いわね、まあ座って。」
失礼しますと小さく発し、3人が目の前の長椅子に着席する。
アタシは3人分のカップを用意し、紅茶を注ぐ。以前リディアにむしり取られた個包装のお菓子が入っている籠を差し出し、みんなに勧める。
3人は遠慮することなくお菓子を受け取り、カップの横に置く。みんな知ってるのよ、お菓子を遠慮して受け取らないほうが、後々めんどくさいことになるってね。
「今回集まってもらったのは他でもない、あの日保護した女の子の話よ。」
3人の視線が一斉にアタシに集まる。
みんな想像はしていたのか、驚いたり狼狽えたりする様子はない。
「お嬢様に何か?」
”お嬢様”
そう、3人にはリディアをこう呼ぶように言いつけてあるわ。
リディアという名前は基本的に、この国に伝わる神の末裔の少女、リディア・アッシュクロフトを示す名前なの。
たまに聖女リディアをリスペクトして、自分の娘にリディアという名前をつける人もいるけど、基本的にリディアといえばこの国の聖女を示しているのよ。
あの子がリディアという名前を名乗ること自体には問題ないのだけど、本人である以上リディアを名乗るのは別の火種になりかねないと判断したの。
リディア自身は表向きには”レティシア・レッドフォード”と名乗り、あの日あの場にいた3人の使用人たちはみなあの子のことを”お嬢様”と呼ぶことにしているわ。
表向きにはレッドフォード家の当主であるアドルディ・レッドフォードの養子になった少女、レティシア・レッドフォード。3人以外の使用人とアタシの関係者はそう思っているはずよ。
本当の姿は、このローゼシア王国の象徴として崇められている神の末裔の少女、リディア・アッシュクロフトなんだけどね。
「分かっていると思うけど、あの子は”レティシア・レッドフォード”。もしくは”お嬢様”。あれはアタシと貴方たちだけの秘密。」
3人は真剣な面持ちでコクコクと頷いている。
ここまでは3人にとっても承知の内容。伝えたいのはここからよ。
「先日あの子に言われれ初めて知ったんだけどね、貴方たちにある魔法をかけたらしいの。」
「ある魔法、ですか?」
「そう、それは『あの子に関する真実を喋ろうとしたり誰かに伝えるようなことしたら、即座に心臓が破裂して死ぬ魔法』だって、ね。」
「え。」
「え…?」
「え!?」
三者三葉、驚きの表情と困惑を口に出したわ。そりゃそうなるのも分かるわよ。
「…誰にも言ってないわよね?」
「も、もちろんでございます。」
「私も、言っていません、絶対に!」
「あたしもです!聖女リディア様に誓って…!あっあっ…!」
誓われる対象である聖女リディアに接したことで呪いのような魔法をかけられているなんて、多分人生何度繰り返しても遭遇できないイベントでしょうね。全く嬉しくないけど。
「本当にそんな魔法をかけてくれたのか真偽は分からないわ。でも、確かめるすべもないの。」
リディアの秘密を言いふらしたら、じゃないものね。
『言おうとしたら』だものね。どんな魔法とトリガーになっているのかしら。
そういう繊細かつ大胆な設定で魔法をかけられるのも、最上級魔導士と言われているあの子の力なのでしょうね。
「あとね、ジャネスは知っていると思うから軽く聞いてくれるだけでいいんだけど。」
ジャネスは心当たりがあるのか、アタシから視線を外すことなく手に力を込めて背筋を伸ばした。
ヨハネとクリスティは何のことだかわからず、首をかしげながら少し前のめりになっている。
「リディ…レティシアが言っていたんだけどね。あの子、ここに来るまで王城の中心部にある聖神殿の一室に軟禁されていたみたいなの。」
アタシは掻い摘んで話した。
聖女リディアの過去について。
国王が代替わりするたびに、リディアは姿を変えて人と接していたこと。
2500年前の国王が、聖女リディアに関する資料を全て廃棄してしまったこと。
そのため、聖女リディアの真の姿を把握している者はアタシたち以外にいないこと。
「聖女リディアにそんな経緯が…。」
クリスティが手で口元を押さえながら絶句している。
信じていた話の、言い伝えられてきた国の象徴の偽りの姿を知って、ヨハネも黙ってしまっている。
「あの、ご主人様。この話、私たちにしてもよろしかったのですか?」
「ええ。レティシア本人から許可は得ているわ。ジャネスに至っては、目の間でこの話をされたものね。」
ヨハネの疑問はもっともね。
でも、リディアを拾ったあの日、あの部屋にいた3人には知る権利があると思うし、何より説明しておいたほうが対応がしやすいと思ったの。
「今日まで、レティシアにはこの屋敷の一部の区画のみ行き来することを許していたわ。3人も知っての通り、アタシの仕事部屋とプライベートルーム、食堂、そしてあの子の部屋ね。」
「はい、お嬢様の部屋に至っては、我々3人以外の使用人は出入りしていないはずです。旦那様から、使用人全員に通達がありましたから。」
「明日からね、レティシアを自由に過ごさせてあげたいの。」
「…と、言いますと。」
一息置いて、アタシは紅茶を一口飲む。
「屋敷全体を自由に行き来させてあげてもいいかなって思ったの。敷地内とはいえ、外に行くときは誰か使用人に着いていってもらうことになるけど。」
「旦那様がお決めになったことでしたら、我々は従うのみです。…でも、大丈夫なのでしょうか。」
「何が?」
そんなつもりはなかったけど、強い語気になってしまっていたみたい。ジャネスが口を閉ざそうとするから、構わず続きを言わせたわ。
「その、聖女…の見た目は我々以外知らないとのことですが。絶対とは言いきれないと思いまして。どこかの屋敷やゆかりの地に該当する資料や口伝が残っていた場合、彼女が聖女リディアであるとバレてしまうのではないかと。…過ぎたことを申し訳ありません。」
「いえ、大丈夫よ。言ってくれてありがとう。アタシもそれについて本人に聞いてみたの。でもあの子、『絶対に大丈夫だよ』の一点張りで。当事者である本人がそういうなら、アタシたちは信じて受け入れるしかないじゃない?」
この国において、あの子の髪色と目の色は特別珍しい色でもないわ。黄色の強いブロンドの髪の人も、暗い夜のような青い瞳の人も、探せば普通にいるからね。
問題となるなら、その2つが組み合わさることで、あの子が聖女リディアだとバレないかという点ね。リディア自身は大丈夫だと言っているけど、資料や口伝が絶対にない保障は無いと思うの。リディアの自信もアタシたちの不安も、根拠も証拠もないけどね。
「とりあえず、あの子に関して伝えたいことは言えたはずよ。今日の昼過ぎ、改めてアタシから全使用人にあの子の処遇について通達するわ。何か他に質問はある?」
方々から『大丈夫です』『ありません』『承知しました』と声が上がる。
今回の緊急会議はこれにてお開きね。
「3人とも、お紅茶とお菓子を食べてから仕事に戻りなさい。まだ冷めてはいないはずよ。」
失礼しますという声と共に、3人がカップを持ち紅茶を飲んでいく。
そんな様子をぼーっと見つめながら、アタシは今後について考えた。
270
あなたにおすすめの小説
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
婚約破棄された公爵令嬢は冤罪で地下牢へ、前世の記憶を思い出したので、スキル引きこもりを使って王子たちに復讐します!
山田 バルス
ファンタジー
王宮大広間は春の祝宴で黄金色に輝き、各地の貴族たちの笑い声と音楽で満ちていた。しかしその中心で、空気を切り裂くように響いたのは、第1王子アルベルトの声だった。
「ローゼ・フォン・エルンスト! おまえとの婚約は、今日をもって破棄する!」
周囲の視線が一斉にローゼに注がれ、彼女は凍りついた。「……は?」唇からもれる言葉は震え、理解できないまま広間のざわめきが広がっていく。幼い頃から王子の隣で育ち、未来の王妃として教育を受けてきたローゼ――その誇り高き公爵令嬢が、今まさに公開の場で突き放されたのだ。
アルベルトは勝ち誇る笑みを浮かべ、隣に立つ淡いピンク髪の少女ミーアを差し置き、「おれはこの天使を選ぶ」と宣言した。ミーアは目を潤ませ、か細い声で応じる。取り巻きの貴族たちも次々にローゼの罪を指摘し、アーサーやマッスルといった証人が証言を加えることで、非難の声は広間を震わせた。
ローゼは必死に抗う。「わたしは何もしていない……」だが、王子の視線と群衆の圧力の前に言葉は届かない。アルベルトは公然と彼女を罪人扱いし、地下牢への収監を命じる。近衛兵に両腕を拘束され、引きずられるローゼ。広間には王子を讃える喝采と、哀れむ視線だけが残った。
その孤立無援の絶望の中で、ローゼの胸にかすかな光がともる。それは前世の記憶――ブラック企業で心身をすり減らし、引きこもりとなった過去の記憶だった。地下牢という絶望的な空間が、彼女の心に小さな希望を芽生えさせる。
そして――スキル《引きこもり》が発動する兆しを見せた。絶望の牢獄は、ローゼにとって新たな力を得る場となる。《マイルーム》が呼び出され、誰にも侵入されない自分だけの聖域が生まれる。泣き崩れる心に、未来への決意が灯る。ここから、ローゼの再起と逆転の物語が始まるのだった。
婚約破棄された竜好き令嬢は黒竜様に溺愛される。残念ですが、守護竜を捨てたこの国は滅亡するようですよ
水無瀬
ファンタジー
竜が好きで、三度のご飯より竜研究に没頭していた侯爵令嬢の私は、婚約者の王太子から婚約破棄を突きつけられる。
それだけでなく、この国をずっと守護してきた黒竜様を捨てると言うの。
黒竜様のことをずっと研究してきた私も、見せしめとして処刑されてしまうらしいです。
叶うなら、死ぬ前に一度でいいから黒竜様に会ってみたかったな。
ですが、私は知らなかった。
黒竜様はずっと私のそばで、私を見守ってくれていたのだ。
残念ですが、守護竜を捨てたこの国は滅亡するようですよ?
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
異世界の片隅で、穏やかに笑って暮らしたい
木の葉
ファンタジー
『異世界で幸せに』を新たに加筆、修正をしました。
下界に魔力を充満させるために500年ごとに送られる転生者たち。
キャロルはマッド、リオに守られながらも一生懸命に生きていきます。
家族の温かさ、仲間の素晴らしさ、転生者としての苦悩を描いた物語。
隠された謎、迫りくる試練、そして出会う人々との交流が、異世界生活を鮮やかに彩っていきます。
一部、残酷な表現もありますのでR15にしてあります。
ハッピーエンドです。
最終話まで書きあげましたので、順次更新していきます。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。
【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる