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第4章 日常編
第37話 リディアの計画
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Side:リディア
「_できた!」
「完成です!改めまして、お疲れ様でしたお嬢様!」
クリスティと2人で顔を見合わせ、思わず拍手をする。
アディを労うために作ったミックスベリータルトが完成したのだった。
「3000年生きてきて初めて作った料理だよ…!」
「お嬢様が言うと言葉の重みが違いますね…。」
冗談のつもりで言ったけど、クリスティは真に受けてしまったみたい。急に真面目な顔になってしまった。聖女リディアジョークはあまりウケが良くないらしい。
現在の時刻は正午12時少し過ぎくらい。今日中には食べてもらうとして、おやつとして出すか晩御飯の後のデザートとして出すかどうしよう。口に出して考えていると、クリスティがある提案をしてくれた。
「ジャネスさんに頼んで聞いていただくのはいかがですか?」
「確かに、それが一番手っ取り早いかも。行ってくる!」
「待ってくださいお嬢様!」
椅子から飛び降りようとして、クリスティに腕を掴まれた。
「申し訳ございません!痛くありませんでしたか…?」
「大丈夫。でも何で引き留めたの?」
クリスティは私の腕を掴んでしまったことを謝罪してきたけど、別に強く掴まれたわけではないから痛くも痒くもなかった。それより、どうして私を引き留めたのかが気になった。
「多分ジャネスさんは今、旦那様の部屋にいるかと思います。ですが、お嬢様が呼びに行ってしまっては旦那様が不審に思われる可能性があるのでは?」
「むむむ、確かに?それはあるかも。」
ジャネスを呼びに行くこと自体は変なことじゃないけど、アディをスルーしてジャネスを呼ぶとなると不審に思われるかもしれない。アディに。
「ですので、私がジャネスさんを呼んで、事情を話してきます。」
クリスティが言うにはこうだ。
まず、クリスティがアディの部屋に行き、ジャネスに呼び出しがあると言って退室してもらう。退室してから事情を話し、アディにタルトをいつ食べてもらうか聞いてもらうという寸法。そして該当の時間になったら私がタルトを運び、アディに食べてもらうと。
「_では行ってきますね。少々お待ちください、お嬢様。」
私は手を振って、クリスティを見送った。
目の前には美味しそうなミックスベリータルトが置いてあるけど、不思議と食べたい欲求には駆られない。きっと、真っ先にアディに食べてほしいという気持ちが、私の中で強いのだろうと解釈する。
(喜んでくれるといいな。)
私はおかわりのお茶を貰いながら、クリスティの帰還を待った。
________。
「ただいま戻りました!」
「おかえり!どうだった?」
私は逸る気持ちを抑えきれず、部屋に戻ってきたクリスティに駆け寄った。クリスティはそっとドアを閉め、私と目線を合わせるために膝をついてしゃがむ。
「旦那様は15時のおやつにタルトをご所望のようです。」
「おやつだね、分かった!」
「ついでに、タルトを保管するために、厨房で冷蔵庫の一角を借りられないか聞いてきました。こちらも大丈夫そうです!」
クリスティはこの短期間の間に色々と手を回してくれたらしい。私一人ではどうにもならなかったであろう今回の計画のMVPは、間違いなくクリスティにあると思う。
私とクリスティは器具を片付けを残し、先にタルトを厨房の冷蔵庫に運ぶ。
15時の配膳だけでなく厨房までの運搬役も私にやらせてくれるらしいけど、トレイを持つ手が汗ばみ、少し震えている気がする。
(気をつけなきゃ。)
私は恐る恐る足を動かし、クリスティと共に厨房に向かった。
「_できた!」
「完成です!改めまして、お疲れ様でしたお嬢様!」
クリスティと2人で顔を見合わせ、思わず拍手をする。
アディを労うために作ったミックスベリータルトが完成したのだった。
「3000年生きてきて初めて作った料理だよ…!」
「お嬢様が言うと言葉の重みが違いますね…。」
冗談のつもりで言ったけど、クリスティは真に受けてしまったみたい。急に真面目な顔になってしまった。聖女リディアジョークはあまりウケが良くないらしい。
現在の時刻は正午12時少し過ぎくらい。今日中には食べてもらうとして、おやつとして出すか晩御飯の後のデザートとして出すかどうしよう。口に出して考えていると、クリスティがある提案をしてくれた。
「ジャネスさんに頼んで聞いていただくのはいかがですか?」
「確かに、それが一番手っ取り早いかも。行ってくる!」
「待ってくださいお嬢様!」
椅子から飛び降りようとして、クリスティに腕を掴まれた。
「申し訳ございません!痛くありませんでしたか…?」
「大丈夫。でも何で引き留めたの?」
クリスティは私の腕を掴んでしまったことを謝罪してきたけど、別に強く掴まれたわけではないから痛くも痒くもなかった。それより、どうして私を引き留めたのかが気になった。
「多分ジャネスさんは今、旦那様の部屋にいるかと思います。ですが、お嬢様が呼びに行ってしまっては旦那様が不審に思われる可能性があるのでは?」
「むむむ、確かに?それはあるかも。」
ジャネスを呼びに行くこと自体は変なことじゃないけど、アディをスルーしてジャネスを呼ぶとなると不審に思われるかもしれない。アディに。
「ですので、私がジャネスさんを呼んで、事情を話してきます。」
クリスティが言うにはこうだ。
まず、クリスティがアディの部屋に行き、ジャネスに呼び出しがあると言って退室してもらう。退室してから事情を話し、アディにタルトをいつ食べてもらうか聞いてもらうという寸法。そして該当の時間になったら私がタルトを運び、アディに食べてもらうと。
「_では行ってきますね。少々お待ちください、お嬢様。」
私は手を振って、クリスティを見送った。
目の前には美味しそうなミックスベリータルトが置いてあるけど、不思議と食べたい欲求には駆られない。きっと、真っ先にアディに食べてほしいという気持ちが、私の中で強いのだろうと解釈する。
(喜んでくれるといいな。)
私はおかわりのお茶を貰いながら、クリスティの帰還を待った。
________。
「ただいま戻りました!」
「おかえり!どうだった?」
私は逸る気持ちを抑えきれず、部屋に戻ってきたクリスティに駆け寄った。クリスティはそっとドアを閉め、私と目線を合わせるために膝をついてしゃがむ。
「旦那様は15時のおやつにタルトをご所望のようです。」
「おやつだね、分かった!」
「ついでに、タルトを保管するために、厨房で冷蔵庫の一角を借りられないか聞いてきました。こちらも大丈夫そうです!」
クリスティはこの短期間の間に色々と手を回してくれたらしい。私一人ではどうにもならなかったであろう今回の計画のMVPは、間違いなくクリスティにあると思う。
私とクリスティは器具を片付けを残し、先にタルトを厨房の冷蔵庫に運ぶ。
15時の配膳だけでなく厨房までの運搬役も私にやらせてくれるらしいけど、トレイを持つ手が汗ばみ、少し震えている気がする。
(気をつけなきゃ。)
私は恐る恐る足を動かし、クリスティと共に厨房に向かった。
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※小説家になろうにも掲載中です。
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