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第5章 呪いの手紙編
第44話 呪いの手紙編①
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いくつかの月日が流れ、つい先日、仕立て屋フィッツシモンズで頼んでいたリディアの衣服が到着したわ。大量生産された衣服にはない質感と手触りにリディアだけでなく、アタシまで満足感を得てしまった。見習いとはいえ、老舗の仕立て屋で経験を積んでいるケイティ・フィッツシモンズの腕は確かなもののようね。
いつものように、リディアはアタシの仕事部屋に入り浸っているわ。メイク道具と本を数冊持ち込んで勉強しているみたいだけど、アタシは構うことなく今日の分の手紙の仕分けをしている。
「今日はこのナチュラルホワイトマリンワンピースに、ティントリップ”女神の雫シリーズ”の9番とクリームチークの4番を合わせてみました!どうかな、アディ?」
「ハイバーン子爵、ダイレクトメッセージ…は捨てる、役場から…」
「…聞いてない。」
リディアが話しかけてきた気がするけど、アタシはスルーして作業を続ける。後で見てあげるからちょっと待ちなさい。そんな風船みたいな顔しないで。笑っちゃうでしょ。
「…ん?なにこれ。差出人が書いてないじゃない。」
仕分けている手紙の中に、真っ黒な封筒に赤色の封蝋がされている謎の手紙が紛れ込んでいた。アタシは手紙を上に掲げ、電灯に照らして透かしてみた。だけど、中身は全く透けることなく、ただただ黒い封筒がそこにあるだけだった。
「…!!」
「…?どうしたのよリディア。」
リディアは椅子から急に立ち上がると、アタシの手元にある黒い封筒を凝視した。こちらに駆け寄ろうとして椅子の足に引っかかったのか、盛大に顔から転んで顔を床にぶつけた。
「ちょっとちょっと!」
アタシは転んだリディアに駆け寄ろうとして、違和感に気が付く。黒い手紙がアタシの左手に張り付いているようで、どれだけ手を振っても落ちないの。何これ?
「ぶえっ!アディその手紙を離して!!」
「ええ?離すも何も手から離れないんだけど?」
「解呪魔法……」
リディアが何かを口走る前に、黒い封筒が大きく弾けて破れ散った。かと思ったら、破れた封筒が魔力を持ってまとまり、真っ黒な蛇のような形で具現化し、禍々しい気配を漂わせていた。
「いだーーー!!!」
「!!…アディ!!」
アタシの左手に渦巻いていた謎の黒い蛇のようなものは、大きく膨れ上がってアタシの左腕に巻き付き、黒い瘴気を放ちながら肌に浸透していった。その瞬間、骨を強く殴られたような感覚が走り、思わず痛みを訴えて叫んでしまった。
_______。
「…呪いの手紙?」
「ええ。あの手紙には何か強力な魔法が込められていました。それが呪いとなってレッドフォード伯爵を襲ったのです。」
リディアはアタシの左手を取り、何かを”視ている”。呪いに侵されたアタシの左腕は黒く変色し、所々金色の紋様が光って蠢いていた。痛みは呪いにかかった時の一瞬だけだったから、見ようによってはおしゃれの一環とも言えなくないかも、と呑気なことを考える。
「…この呪いの手紙は1つじゃありません。このセントサザール領の各地に撒かれているようです。」
「セントサザール領だけなの?」
「はい。どういうわけか、この気配を感じるのはセントサザール領だけ。他の地域は無事みたいですが、どういう原理でこの領地に留まっているのかは現時点では分かりません。」
リディアの目がキラキラした宝石のように光っていたかと思うと、すうっといつものリディアの目に戻った。
「…という感じ。私の力で解呪自体はできるんだけど、呪いの手紙は1つじゃない。元を断ち切らないと、どんどん被害が広がるかもしれない。」
「なーるほど。厄介ねえ。アタシが対処するしかないかしら。仮にも?このセントサザール領を統治する領主様ですし?」
アタシはそんなことを言いながら、呪いがかけられた左手を動かしてみる。指先の感覚がないのか、ぎゅっと摘んでみても何も感じないわね。少しだけなら指先を動かすことができるんだけど、可動域が大幅に狭まっているのか物を握ることはできない。右手は無事だから、辛うじて移動車の運転はできるかしら。
「それにしても、呪いの手紙ねえ…。大昔に流行ったチェーンメールみたいね。」
「『同じ手紙を10人に出さないとあなたは不幸になります』ってやつ?あれが流行ったのは200年くらい前だったかな。」
リディアは何かを思い出したのか、渋い顔をしながらアタシの顔を見つめている。何よ。
「その時、王城にまでチェーンメールが届く事態になってね。当時の国王が真に受けちゃって、大慌てしながら私に神託を求めてきたの。バ~カ。」
「アンタ良い性格しているわね。」
渋い顔のまま、リディアは思い出を語り始めた。
まあ、そんな手紙を真に受けてしまう当時の国王も国王だけど。この国、大丈夫かしら。
「と、昔話はさておき。アディの左手どうする?私が解呪する?」
「そうね、お願いしていいかしら。」
そう言うとリディアは再び詠唱を始め、アタシの左手に魔法を唱え始めた。
…のだけど。
「解けたと思ったら元通りね。どういうことかしら。」
「むむむ!?どういうことだろう、聖女リディアの力を使っても解けないなんてあり得ない…。いや、解くことはできた。呪いの力が歪んでいる?何が原因で?むむむ?」
リディアの魔法の力で、呪いを解くことはできた。そう、一瞬だけ。瞬く間に元の黒い腕に戻り、指の関節も硬く動かせなくなった。
「もっと強い魔法じゃないとダメってことかな。それなら…」
「待ってリディア。この呪いはアタシにかかったものだけじゃないのよね?」
「うん。他にもアディと同じ状態になっている人がいるはず。」
「じゃあ結局、さっきも言っていた通り、根元の部分をどうにかしないといけないのね。」
アタシは仕事机に駆け寄り、電話帳を取り出す。
セントサザール領を拠点に活動している情報屋”トラヴィス・ワークマン”の名前を探し、番号と住所を控えた。動かない左手を使い、机の左端に置いてあった受話器を手繰り寄せる。
「リディア、アンタにも付き合ってもらうわよ。過去を視るその力、存分に使ってもらうから。」
いつものように、リディアはアタシの仕事部屋に入り浸っているわ。メイク道具と本を数冊持ち込んで勉強しているみたいだけど、アタシは構うことなく今日の分の手紙の仕分けをしている。
「今日はこのナチュラルホワイトマリンワンピースに、ティントリップ”女神の雫シリーズ”の9番とクリームチークの4番を合わせてみました!どうかな、アディ?」
「ハイバーン子爵、ダイレクトメッセージ…は捨てる、役場から…」
「…聞いてない。」
リディアが話しかけてきた気がするけど、アタシはスルーして作業を続ける。後で見てあげるからちょっと待ちなさい。そんな風船みたいな顔しないで。笑っちゃうでしょ。
「…ん?なにこれ。差出人が書いてないじゃない。」
仕分けている手紙の中に、真っ黒な封筒に赤色の封蝋がされている謎の手紙が紛れ込んでいた。アタシは手紙を上に掲げ、電灯に照らして透かしてみた。だけど、中身は全く透けることなく、ただただ黒い封筒がそこにあるだけだった。
「…!!」
「…?どうしたのよリディア。」
リディアは椅子から急に立ち上がると、アタシの手元にある黒い封筒を凝視した。こちらに駆け寄ろうとして椅子の足に引っかかったのか、盛大に顔から転んで顔を床にぶつけた。
「ちょっとちょっと!」
アタシは転んだリディアに駆け寄ろうとして、違和感に気が付く。黒い手紙がアタシの左手に張り付いているようで、どれだけ手を振っても落ちないの。何これ?
「ぶえっ!アディその手紙を離して!!」
「ええ?離すも何も手から離れないんだけど?」
「解呪魔法……」
リディアが何かを口走る前に、黒い封筒が大きく弾けて破れ散った。かと思ったら、破れた封筒が魔力を持ってまとまり、真っ黒な蛇のような形で具現化し、禍々しい気配を漂わせていた。
「いだーーー!!!」
「!!…アディ!!」
アタシの左手に渦巻いていた謎の黒い蛇のようなものは、大きく膨れ上がってアタシの左腕に巻き付き、黒い瘴気を放ちながら肌に浸透していった。その瞬間、骨を強く殴られたような感覚が走り、思わず痛みを訴えて叫んでしまった。
_______。
「…呪いの手紙?」
「ええ。あの手紙には何か強力な魔法が込められていました。それが呪いとなってレッドフォード伯爵を襲ったのです。」
リディアはアタシの左手を取り、何かを”視ている”。呪いに侵されたアタシの左腕は黒く変色し、所々金色の紋様が光って蠢いていた。痛みは呪いにかかった時の一瞬だけだったから、見ようによってはおしゃれの一環とも言えなくないかも、と呑気なことを考える。
「…この呪いの手紙は1つじゃありません。このセントサザール領の各地に撒かれているようです。」
「セントサザール領だけなの?」
「はい。どういうわけか、この気配を感じるのはセントサザール領だけ。他の地域は無事みたいですが、どういう原理でこの領地に留まっているのかは現時点では分かりません。」
リディアの目がキラキラした宝石のように光っていたかと思うと、すうっといつものリディアの目に戻った。
「…という感じ。私の力で解呪自体はできるんだけど、呪いの手紙は1つじゃない。元を断ち切らないと、どんどん被害が広がるかもしれない。」
「なーるほど。厄介ねえ。アタシが対処するしかないかしら。仮にも?このセントサザール領を統治する領主様ですし?」
アタシはそんなことを言いながら、呪いがかけられた左手を動かしてみる。指先の感覚がないのか、ぎゅっと摘んでみても何も感じないわね。少しだけなら指先を動かすことができるんだけど、可動域が大幅に狭まっているのか物を握ることはできない。右手は無事だから、辛うじて移動車の運転はできるかしら。
「それにしても、呪いの手紙ねえ…。大昔に流行ったチェーンメールみたいね。」
「『同じ手紙を10人に出さないとあなたは不幸になります』ってやつ?あれが流行ったのは200年くらい前だったかな。」
リディアは何かを思い出したのか、渋い顔をしながらアタシの顔を見つめている。何よ。
「その時、王城にまでチェーンメールが届く事態になってね。当時の国王が真に受けちゃって、大慌てしながら私に神託を求めてきたの。バ~カ。」
「アンタ良い性格しているわね。」
渋い顔のまま、リディアは思い出を語り始めた。
まあ、そんな手紙を真に受けてしまう当時の国王も国王だけど。この国、大丈夫かしら。
「と、昔話はさておき。アディの左手どうする?私が解呪する?」
「そうね、お願いしていいかしら。」
そう言うとリディアは再び詠唱を始め、アタシの左手に魔法を唱え始めた。
…のだけど。
「解けたと思ったら元通りね。どういうことかしら。」
「むむむ!?どういうことだろう、聖女リディアの力を使っても解けないなんてあり得ない…。いや、解くことはできた。呪いの力が歪んでいる?何が原因で?むむむ?」
リディアの魔法の力で、呪いを解くことはできた。そう、一瞬だけ。瞬く間に元の黒い腕に戻り、指の関節も硬く動かせなくなった。
「もっと強い魔法じゃないとダメってことかな。それなら…」
「待ってリディア。この呪いはアタシにかかったものだけじゃないのよね?」
「うん。他にもアディと同じ状態になっている人がいるはず。」
「じゃあ結局、さっきも言っていた通り、根元の部分をどうにかしないといけないのね。」
アタシは仕事机に駆け寄り、電話帳を取り出す。
セントサザール領を拠点に活動している情報屋”トラヴィス・ワークマン”の名前を探し、番号と住所を控えた。動かない左手を使い、机の左端に置いてあった受話器を手繰り寄せる。
「リディア、アンタにも付き合ってもらうわよ。過去を視るその力、存分に使ってもらうから。」
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