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第5章 呪いの手紙編
第45話 呪いの手紙編②
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移動車を走らせること数十分、アタシとリディアは街はずれの住宅街の一角を訪れていた。無造作に生えた植物があちこちに点在し、木製の柵が腐って崩れている民家もある。一定の距離に街灯が設置してあるけど、夜にここの道を歩くとなると少し怖いかもしれないわね。
「…お化け屋敷みたい。」
「こら、そんなこと言っちゃいけません。」
目的の家を見つけ、アタシは電話で指定された場所に移動車を停める。アタシとリディアは玄関に向かい、ペンキの剥げたドアをノックした。10秒ほど経過してからもう一度ノックをしようと手を上げたところで、ドアの向こうから『どうぞ~…』というか細い声が聞こえてきた。
アタシとリディアは顔を合わせ、そっとドアノブを握り、ドアを開けた。
「…お邪魔するわよ、ワークマン。」
「ヒヒヒ、エヘ。どうも、レッドフォード伯爵~。お久しぶりで~す。」
玄関から続く廊下を少し歩くと、左手側に応接間らしき空間に繋がる開口枠があった。そこを潜り抜けると、声の主であるトラヴィス・ワークマンがお誕生日席にある回転椅子に座りながらくるくると回っていた。
「まあまあお座りください、ウヒヒ。今お茶を淹れますね~。」
アタシとリディアは言葉に従い、椅子に座る。ワークマンはアタシたちが座るのを確認するとぬるっと立ち上がり、隣の部屋にある台所に向かっていった。しばらくするとお茶の香りがこちらの部屋にまで漂ってきて、少し力が抜ける。
ワークマンがお茶を用意している間、リディアはアタシを呼び寄せ、耳元で小声で話し始めた。
「あの人、大丈夫な人?」
アタシはリディアの耳元に顔を近づけ、手を口元に当てて壁を作るようにし小声で話し返す。
「見た目も喋り方も不審者だけど、腕と信頼は確かな情報屋よ。」
まあ、あれはいわゆる”家の中の姿”ってやつね。髪はボサボサ、曲がった猫背、アタシが言うのも何だけど不思議な口調もとい笑い方、細い体に高い身長。一時期この地域にある都市伝説『ホラーマン』の元ネタにされた人物なだけはあるわね。
でも、情報屋としての表向きの顔は”華奢で可憐な幸薄そうな好青年”な見た目になるの。そういう身だしなみの整え方をするのが彼、トラヴィス・ワークマンよ。
「お、お、おまたせしました~。」
ワークマンはフルフルと震える手でトレイを持ち、お茶を机に置く。
「1年と2か月と8日ぶりですね、レッドフォード伯爵~。イヒヒ。」
「ええ、もうそんな前だったかしら?あ、これお土産。」
そう言ってアタシはレッドフォード社のお菓子の詰め合わせをワークマンに渡す。アタシの横でリディアが羨ましそうな目で見ているけど、構うことなく話を続ける。
「レッドフォード社のお菓子だ~!ありがたい、大切に食べますね。エへへ。」
「ワークマン、一応紹介するわ。こちらの小さい子は…」
「レティシア・レッドフォード、推定年齢は6~8歳、数か月前にレッドフォード伯爵ことアドルディ・レッドフォードの養子になった謎の少女。」
「!」
ワークマンは笑顔を崩すことなく、早口で情報を告げていく。リディアは一瞬驚きを見せたけど、すぐにいつもの表情に戻った。
「わあ、すごい。アディが言っていた通り、本当に情報屋さんなんだ。」
「出身はセントサザール領にある花街。以前あった花街の一斉摘発の際に住居を失い、レッドフォード伯爵の元に引き取られた。幼いながらに中級以上の魔法が使える特殊な力の持ち主。」
ワークマンの言うことを、リディアはうんうんと言いながら聞いていた。アタシは静かにワークマンを見据え、彼の言葉に耳を傾けた。
「…というのは建前。レティシア・レッドフォードの正体は『聖女リディア・アッシュクロフト』!」
「…。」
「…。」
アタシとリディアは表情を変えることなくワークマンを見つめた。リディアは一切動揺している様子はなく、終始『何言ってんだこいつ』の表情を崩していない。
「………かまをかけてみたんだけど、表情が一切崩れない。汗も出ていない、心拍数も変わっていない様子。ボクの予想は違ったみたいですね~。ニヒヒ。」
「本当に面白くなくてびっくりしちゃった。何でそこで聖女の話が出てくるの?」
アタシはあえてそこを突っ込んで聞いてみた。ワークマンが少し考え『じゃあこれは特別に提供してあげましょう』と前置きをしたのち、口を開く。
「レッドフォード伯爵くらいの地位の人なら知らされてるんじゃないんですか~?聖女リディアが行方不明になったって話。」
「噂で聞いたことがある程度ね。その話、本当なの?」
「信憑性は6割から7割と言ったところでしょうか、情報の元は企業秘密なので教えられませんが…ヒヒヒ。」
ワークマンは戸棚からお茶請けを取り出し、真っ先に手を伸ばし自分で食べる。部屋には彼がクッキーを咀嚼するサクサクという音と、風でガタつく窓枠の音が響く。
「と、まあ話が逸れました~。本日のレッドフォード伯爵のご注文は、”セントサザール領の一部に蔓延している呪いの手紙について”でしたね、ウヒヒ。」
話を元に戻し、軽い口調で返事をしたワークマンは、1つの封筒を取り出して机の上に置いた。
「レッドフォード伯爵は毎度、情報料に満足できる額を支払ってくださいますからね~。ボクも奮発して、沢山の資料をご用意しました。確認ください~エヘヘ。」
「今この場で確認しても?」
「どぞどぞ!何なら、可能な範囲で追加の質問にもお答えします。」
アタシは封筒から資料を取り出し、1枚目から目を通し始めた。リディアが横から覗いてきたから、見やすいように少し持ち手を傾ける。待ち時間が暇なのか、ワークマンは再び椅子をくるくる回しながら回転している。
資料を読み終わるまで、部屋には椅子が鳴らす金属音とワークマンの足音だけがこだました。
「…お化け屋敷みたい。」
「こら、そんなこと言っちゃいけません。」
目的の家を見つけ、アタシは電話で指定された場所に移動車を停める。アタシとリディアは玄関に向かい、ペンキの剥げたドアをノックした。10秒ほど経過してからもう一度ノックをしようと手を上げたところで、ドアの向こうから『どうぞ~…』というか細い声が聞こえてきた。
アタシとリディアは顔を合わせ、そっとドアノブを握り、ドアを開けた。
「…お邪魔するわよ、ワークマン。」
「ヒヒヒ、エヘ。どうも、レッドフォード伯爵~。お久しぶりで~す。」
玄関から続く廊下を少し歩くと、左手側に応接間らしき空間に繋がる開口枠があった。そこを潜り抜けると、声の主であるトラヴィス・ワークマンがお誕生日席にある回転椅子に座りながらくるくると回っていた。
「まあまあお座りください、ウヒヒ。今お茶を淹れますね~。」
アタシとリディアは言葉に従い、椅子に座る。ワークマンはアタシたちが座るのを確認するとぬるっと立ち上がり、隣の部屋にある台所に向かっていった。しばらくするとお茶の香りがこちらの部屋にまで漂ってきて、少し力が抜ける。
ワークマンがお茶を用意している間、リディアはアタシを呼び寄せ、耳元で小声で話し始めた。
「あの人、大丈夫な人?」
アタシはリディアの耳元に顔を近づけ、手を口元に当てて壁を作るようにし小声で話し返す。
「見た目も喋り方も不審者だけど、腕と信頼は確かな情報屋よ。」
まあ、あれはいわゆる”家の中の姿”ってやつね。髪はボサボサ、曲がった猫背、アタシが言うのも何だけど不思議な口調もとい笑い方、細い体に高い身長。一時期この地域にある都市伝説『ホラーマン』の元ネタにされた人物なだけはあるわね。
でも、情報屋としての表向きの顔は”華奢で可憐な幸薄そうな好青年”な見た目になるの。そういう身だしなみの整え方をするのが彼、トラヴィス・ワークマンよ。
「お、お、おまたせしました~。」
ワークマンはフルフルと震える手でトレイを持ち、お茶を机に置く。
「1年と2か月と8日ぶりですね、レッドフォード伯爵~。イヒヒ。」
「ええ、もうそんな前だったかしら?あ、これお土産。」
そう言ってアタシはレッドフォード社のお菓子の詰め合わせをワークマンに渡す。アタシの横でリディアが羨ましそうな目で見ているけど、構うことなく話を続ける。
「レッドフォード社のお菓子だ~!ありがたい、大切に食べますね。エへへ。」
「ワークマン、一応紹介するわ。こちらの小さい子は…」
「レティシア・レッドフォード、推定年齢は6~8歳、数か月前にレッドフォード伯爵ことアドルディ・レッドフォードの養子になった謎の少女。」
「!」
ワークマンは笑顔を崩すことなく、早口で情報を告げていく。リディアは一瞬驚きを見せたけど、すぐにいつもの表情に戻った。
「わあ、すごい。アディが言っていた通り、本当に情報屋さんなんだ。」
「出身はセントサザール領にある花街。以前あった花街の一斉摘発の際に住居を失い、レッドフォード伯爵の元に引き取られた。幼いながらに中級以上の魔法が使える特殊な力の持ち主。」
ワークマンの言うことを、リディアはうんうんと言いながら聞いていた。アタシは静かにワークマンを見据え、彼の言葉に耳を傾けた。
「…というのは建前。レティシア・レッドフォードの正体は『聖女リディア・アッシュクロフト』!」
「…。」
「…。」
アタシとリディアは表情を変えることなくワークマンを見つめた。リディアは一切動揺している様子はなく、終始『何言ってんだこいつ』の表情を崩していない。
「………かまをかけてみたんだけど、表情が一切崩れない。汗も出ていない、心拍数も変わっていない様子。ボクの予想は違ったみたいですね~。ニヒヒ。」
「本当に面白くなくてびっくりしちゃった。何でそこで聖女の話が出てくるの?」
アタシはあえてそこを突っ込んで聞いてみた。ワークマンが少し考え『じゃあこれは特別に提供してあげましょう』と前置きをしたのち、口を開く。
「レッドフォード伯爵くらいの地位の人なら知らされてるんじゃないんですか~?聖女リディアが行方不明になったって話。」
「噂で聞いたことがある程度ね。その話、本当なの?」
「信憑性は6割から7割と言ったところでしょうか、情報の元は企業秘密なので教えられませんが…ヒヒヒ。」
ワークマンは戸棚からお茶請けを取り出し、真っ先に手を伸ばし自分で食べる。部屋には彼がクッキーを咀嚼するサクサクという音と、風でガタつく窓枠の音が響く。
「と、まあ話が逸れました~。本日のレッドフォード伯爵のご注文は、”セントサザール領の一部に蔓延している呪いの手紙について”でしたね、ウヒヒ。」
話を元に戻し、軽い口調で返事をしたワークマンは、1つの封筒を取り出して机の上に置いた。
「レッドフォード伯爵は毎度、情報料に満足できる額を支払ってくださいますからね~。ボクも奮発して、沢山の資料をご用意しました。確認ください~エヘヘ。」
「今この場で確認しても?」
「どぞどぞ!何なら、可能な範囲で追加の質問にもお答えします。」
アタシは封筒から資料を取り出し、1枚目から目を通し始めた。リディアが横から覗いてきたから、見やすいように少し持ち手を傾ける。待ち時間が暇なのか、ワークマンは再び椅子をくるくる回しながら回転している。
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