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レティシア15歳 輝く未来へ
第163話 事件解決
しおりを挟む「リディーっ!!うわーーんっ!!」
救出されたレティシアは、リディーに駆け寄ったかと思うと……彼に抱きついて、子供のように泣きじゃくる。
攫われて、監禁されて、男に襲われそうになって……そんな恐怖と不安で張り詰めていた緊張の糸が切れたのだから、無理もないことだろう。
「もう大丈夫だ。だからそんなに泣くな」
「無理もないよ。だけど、もう安心だね」
リディーは少し困ったように、しかし彼女を安心させるように背中を優しく叩く。
フィリップも二人のもとにやってきて、泣き止まないレティシアを落ち着かせようとした。
「うぅ……ぐすっ……こわかったよぉ……」
暫くすると、彼女もかなり落ち着いてきたが……少し幼児退行してるのか、その声は甘えるような響きだ。
それからリディーの胸に顔を埋めて、ぎゅっ……と、更に強く抱きつく。
そして、リディーもそれに合わせて腕に力を込めた。
(……こうしてると安心する。力強い腕。リディーは……男の人なんだね。そして私は……)
「コホン。あ~……僕もいるんだけど~……」
わざとらしい咳払いに、レティシアはハッとなって慌ててリディーから離れた。
「ご、ごめんなさい!!フィリップさんも、助けに来てくれてありがとう。凄く嬉しかった……」
「どういたしまして。本当に無事で良かった……」
「……二人とも、ご心配をおかけしました」
そう言って彼女は深々と頭を下げてお礼を言う。
「君のせいじゃないし、気にしないで。まぁ……僕は今回そんなに役に立ってない上に、美味しいところはリディーが全部持っていった感じだよ」
やれやれ……と手を広げながら彼は冗談めかして言うが……
「ふふ、そんな事無いですよ。フィリップさんがアイツの銃を弾いてくれなかったら……」
「そうだぞ。お前がヤツの後ろからサインを送ってくれたから、何とかなったんだ」
リディーとフィリップはほぼ同じタイミングでレティシアたちに遭遇したのだが、ダミアンは背後のフィリップに気がついてなかったので彼は隠れて様子を伺うことにしたのだ。
そしてダミアンがレティシアに銃口を向けたとき……『自分がなんとかする』という意味を込めてリディーにサインを送り、見事に連携を決めたのであった。
「なかなかの名コンビだった……ってことかな?」
「違いない」
(……いいなぁ~。男の友情ってやつかぁ……。私も、前世は男だったはずなんだけど……今はもう)
先ほどリディーの腕の中で泣きじゃくっていた時の事を思い出し、少し寂しい気持ちが湧いてくる。
そして、否が応でも自分が女であることを意識させられるが……それは決して悪い気分ではなかった。
(私と違ってカティアは凄く強いけど、同じ気分になったりしたのかな……?)
自分と同じく、前世男の記憶を持つ彼女はどうだったのか……そう考えたとき、ちょうどそのタイミングで当の本人がリュシアンとともにやって来る。
「レティ!!」
「レティ!無事ですか!?」
ここに来るまでに戦闘があったのか、抜き身の剣を手に二人は駆け寄ってきた。
「カティア!兄さん!私は大丈夫だよ!」
二人を安心させるため、元気よく彼女は答える。
泣きはらしたあとなので目は赤くなり、頬には涙の跡がついてるが、満面の笑みを浮かべていた。
「レティ……よかったぁ~……一時はどうなることかと」
「心配かけてごめんね。兄さんも」
「いえ、無事ならそれで良いです。しかし……ダミアン=リグレ……今度ばかりは終わりです」
気を失って床に転がるダミアンを一瞥し、リュシアンはぞっとするような冷たい声で言い放った。
普段は温厚な彼も、大事な妹を攫った主犯には容赦しない。
これからダミアンは騎士団に連行され、徹底的に取り調べを受けることになるだろう。
「それにしても……二人とも、かなり無茶をしましたね」
「僕はリディーの勢いに乗っただけだよ。それはもう、鬼気迫る感じだったんだから」
「へぇ~……リディーさんって普段は冷静なのに、結構アツいんですね!」
そんなふうに言われる当人は、ややバツが悪そうに視線をそらしていた。
自分の行動を思い出して、暴走気味だったのを自覚したのだろう。
(……私のために、だったんだよね?)
そう思うと、彼女の心のなかには暖かな火が灯るのだった。
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