【完結】七色のスキルを手に入れて龍宮城を取り戻せ。龍宮伝説ルオ・謎の生命体アクア王との対決!!

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Ⅳ章.緑色のスキル【回復】

04.なぞかけ①回れば回るほど進むもの

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「あの、スーガさん。結界の番人のアンモさんが重傷を負ってて、早く回復してあげないと危険な状態なんです」

ルオは洞窟の天井、…恐らくシロナガスクジラのお腹の上の方に向かって声を張り上げた。

「分かっておる。【回復】は回答と共に得られるもの。回復を急ぐなら回答すべきじゃ」

かいふくはかいとう、…??
ちょっと頭がこんがらがるが、【回復】してもらうにはシロナガスクジラの問いに答えなければならないらしい。
ルオは覚悟を決めて上方を見上げた。

「分かりました。質問を教えてください」

洞窟の上方から厳めしい声が降ってくる。

「回れば回るほど進むものとは」

回れば回るほど進む、…?

ルオの頭におじいに買ってもらったギア付き自転車が思い浮かんだ。
立ちこぎすると結構なスピードが出る。

「…自転車のタイヤ?」

「ふうむ」

あれ。なんだか満足してないみたい。洞窟の揺れが止まって静かになった。

「チュー、チューリッピ!」

チューリッピも何やら叫ぶ。

「あ、なるほど」

ルオにはチューリッピの言いたいことが分かったので、チューリッピの答えを代弁してみた。

「ええと、台風、ですか?」

おじいと暮らす海沿いの街は夏になるとしばしば台風が接近する。対策を講じないと畑の作物が全てダメになってしまうこともあるので、おじいはいつも情報に耳を傾け、天気図をじっと眺めていた。確かに台風は丸い図形で進んでいくよな。

「ふうむ」

あれれ。これもイマイチ?
ルオはチューリッピの答えに感心していたが、スーガの反応は今一つだった。

えー、何だろう。
恐らく正解か不正解かということよりもスーガが納得するかどうかが重要なのだ。

「コマ?」「チュチュ?」「ハンドル?」「チューリッ?」
「円盤」「チュチュチュ」「観覧車っ」「チュチュウ!」「地球!」

やばい。すっかり静かになってしまった。
頑張れ、オレの頭。回れ回れ、何かひねり出して、……

「あ、…頭っ! 理解。理解が進むってのはどうですか?」

「ワ――――ッ、ハッハッハッハァ―――――――」

ルオが答えた途端、洞窟内に大音量が響き渡り、ものすごい揺れが生じて地面にひっくり返った。チューリッピがバウンドしてずっと先まで跳んでいくのが見える。スーガの笑い声は先ほどの轟音よりも耳に心地よく聞こえた。バラバラに鳴っていたピアノが和音を奏でたようにまとまった響きがある。

地面にたまっていた緑色の水、…もしかしたらスーガさんの胃液? が、透明に煌めいて跳ね上がる。さっきまでより明るいエメラルドの輝きを放ち、喜びの水しぶきをあげているようだ。
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