両手で抱えきれないほどの愛を君に

まつぼっくり

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+1話 三年後の初夜

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「はぁ。婚前は本番禁止とかどんな拷問だ…」

「ふふ。父上と兄様のわがままを聞いてくれてありがとう。」

「いや、もういい。それも昨日迄だからな。今日からが本番だから、覚悟しとけ。」

 あの日、カルとお風呂に入った日。
 急にいなくなった兄様と父上とカルたち親子とで密約が結ばれた。

 ひとつ、ユイリナを悲しませることがあれば速やかに解消することを前提とする。
 ひとつ、ユイリナとの婚約期間は三年間設ける。本人が嫌だと言ったら速やかに解消する。
 ひとつ、婚前の性行為においての本番行為は禁ずる。
 本人が嫌がれば性行為自体を禁止とする。

 本番行為って…お店じゃないんだから!と何度思ったことか…
 でも、あれから本当に全てを守ってくれたカル。
 まぁ、僕も健全な男だということがわかって、カルと一緒にいると無縁だと思っていた性欲がむくむくと育ってしまうので、挿入以外はしているのだけれど。
 でも、三年は長かった。
 長過ぎて僕の方からおねだりしてしまう程であった。
 そもそも、カルとそういう関係になって一年も過ぎる頃には僕の胸の飾りは赤の色濃く、ぷっくりとして人に見せられなくなったし、おしりに何かはいっていないと達せなくなってしまった。
 そう、性器ではなくておしり。本番以外なら、と広げ続けられる事三年間。
 今ではカルの大きなモノよりも一回り小さな張り型で疑似セックスをしている。
 それも、昨日まで。ということなんだけどね。

「本当に、ありがとう。」

「十二年待ったんだ。三年くらいどうって事ない。それに両陛下やユイリナにも家族としての時間が必要だっただろう?」

 そうなのだ。父上や父様との時間は僕にとっても大切な時間で。
 一見、父上の方が過保護で甘く見えるけど、実は父様の方が心配症。カルとの事は心配していないみたいで良く相談に乗ってくれるけど、朝起きると父様に抱き締められていたり、オルガのところで寝こけてしまって、知らせていた時間に戻らなかった時は涙目でパタパタ走り回って探してくれていた。

 そんな父様と花壇のお世話をしたり、手を繋いでこっそり市井で買い物をしたり。そうやって楽しんでいると父上も兄様もみんな笑顔で見つめてくれるから嬉しくて。
 だから、まあ、体の方はどんどん快楽を教え込まれて、なのにカルのものを挿れてもらえなくて、もどかしかったけど…この三年間は僕たち家族にとって必要で大切な時間だった。


「じゃ、そろそろいいか?」

「ん。優しくしてね?旦那さま。」

 触れるだけのキスをして、耳たぶを甘噛みされる。

「あっ…」

「本当に耳が弱いな?可愛い。」

 そう。この三年間で耳まで性感帯にされてしまった。
 ちゅ、ぴちゃ、と頭に直接響く音に腰が揺れてしまう。

「ん、やあッ、」

「ここ、立ち上がってるな?」

 ここ、と片手がぺったんこな胸を揉みしだく。

「んッ、あ、んんっ」

 ぷくりと盛り上がった乳輪を摘まんで、押し潰され、くりくりと乳首を転がされたら、もう。

「ひゃ、あぁッ、や、そこじゃないっ」

「そこってどこ?」

 てっきり、すっかり立ち上がってしまったおちんちんへの刺激かと思ったのに…もう片方の乳首をジュッと音をたてながら強く吸われて…ぽろりと涙が一粒溢れた。

「ユイリナ、嫌だった?」

「きもちよくなっちゃうから、だめ。」

 息を吐きながらのその一言にカルの手のひらが僕の性器へと向かう。
 わかっていたけど、嬉しそうな笑顔。

「はぁ。あれで射精しちまうとか可愛い過ぎるな。」

 耳と胸への愛撫だけでイッてしまうなんて、おしりで射精してしまうのも戸惑っていたのに…僕は変態というものではないのか…

「はずかしい…」

「恥ずかしくない。綺麗な顔が真っ赤に染まって可愛い。次はちゃんとイかせてやるな。」
  
 カルの顔が下に下がるのを両手で止めて、くるりとうつ伏せになる。

「…カル。僕、もう、限界。カルのできもちよくなりたいよぉ」

 淫乱だと罵られても良いから、今はカルが欲しい。
 昨夜も張り型でぐちゅぐちゅにされたし、さっきお風呂でも自分で解してきた。
 だから、お願い。そう言って、膝を軽くたてて、後ろ手に尻たぶを掴んでそっと開いた。

「、ああああぁッ!」

 言い終わると同時か、それより早かったか。
 待ち焦がれたカルの剛直が突き刺さる。

「あぁ、くそ、あまり煽るな。優しくできないだろう?」

 突き入れるのは早急であったけど、奥で馴染むのを待ってくれている優しいカル。でもね…?

「ね?おねがい、もう、うごいてぇ…!」

 ずっと欲しかったの。我慢なんてできっこない。

「んッ、あ、あんッ、あぁぁッッ!」

 ばちゅん、ばちゅんと激しく出し入れされると当たるカルの陰嚢。それすらきもちよくて、初めてなのに慣らされた僕の体はどんな小さな快感も拾う。
  
 後ろから、覆い被さるようにして、両方の胸を強く揉んで、敏感になっている乳首を引っ張る。

「や、んッ!おっぱいきれちゃうっ」

「今、凄い締まったぞ?気持ちいいな?あ、こら。腰を落とすな。」

 膝に力が入らなくてぺたりとシーツに体がつくと、ひんやりと感じる。

「ふあ…濡れてる」

「挿れられて射精して、乳首引っ張られて射精したからな?ほら、まだ、終わりじゃないぞ。」

 そう言って繋がったままの僕をくるりと回転させると腕を引かれて胡座をかいているカルに正面から抱きつく形になる。

「あッ、これ、ふかい…」

「ほら、首に手回して。しっかり捕まっとけよ?ガンガンいくぞ。」

「ん。いっぱい、あいして。いっぱいしようね。」 

 カルの太い首に腕を回した瞬間、ぎらりとした瞳と視線がぶつかって、唇を塞がれながら思い切り愛されたのだった。






 僕たちの初夜が終わったのはあれから三日がたってから。本当に獣のようだったと思う。それは、カルだけではなくて、僕も。食事と短い睡眠以外はずっと繋がっていた。
 だって、男だもの。と心の中で言い訳しながら兄様に連行されるカルを苦笑いで見送ったのだった。





        
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みんなの感想(2件)

せち
2023.08.01 せち

泣いちゃいました😭😭👏✨✨

2023.08.05 まつぼっくり

わーん😭😭
ありがとうございます😭
読んで頂けて嬉しいです😭♡

解除
ノア吉
2023.03.13 ノア吉

めっちゃ泣きました。
こんなに素敵なお話ありがとうございました。
何度も読み返したくなるお話でした。

2023.03.14 まつぼっくり

読んで頂きありがとうございます…!
このお話を執筆したのは5年も前になり、かなり疎い表現にも関わらずそう言って頂けて本当に嬉しいです😭
こちらこそ素敵なご感想ありがとうございました😭😭😭

解除

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