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09:初めての。
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フェリックスと二人並んで町の市場の方へ向かって歩いて行く。
「ルスランから何か言われましたか?」
「あー……、まあな」
「いったい何を? 私を連れて行くと言う事は私に関係のある事ですよね」
「関係はあるんだが……
ところでオレーシャ。お前何か欲しいものは無いか?」
「新しい砥石と鞘用の留め金具でしょうか」
「うん?」
「先ほどフェリックスの剣を見ましたが鞘を固定する金具が傷んでいました。修繕しようにも私のとは形状が違っていて少々困っていたんです」
「そ、そうか。じゃあまずは工房へ行ってみるか」
「はいありがとうございます」
私たちは騎士団御用達の工房へ向かった。
騎士団員が装備を買ったり直したりと言う時は大抵ここだ。何故ならこの店は騎士団員の場合は割引サービスがあるのだ。
装備に妥協しなかった私はきっとかなりの常連だろうと自負するが、そう言えば私はもう割引対象ではないのだなと気づき少し寂しさを覚える。
「いらっしゃ~い」
間延びした女性の声が店内に聞こえてきた。
鍛冶屋のおやじさんの一人娘で店番担当のグルナラ。ちなみに年齢は三十台後半でとっくに結婚済み。二代目予定の彼女の旦那さんはおやじさんと共に工房に籠りっきりだ。
「久しぶりです」
「あら~オレーシャちゃん。あなた騎士団を辞めたんじゃなかったっけ?」
「ええ辞めましたよ」
「ふぅん。それ、旦那さん?」
「違いますよ、こちらは白騎士団の団長です」
「ああ! いつもお世話になってます~」
途端に商人モードに変わった。一般兵士に与える武器や鎧、消耗した矢やら鐙などを大量発注しているからだろう。
「俺が決めてるわけじゃないからな、礼を言われても困るぞ」
「ふふふっそれで今日は何の用かしら?」
「新しい砥石とこの鞘用の留め金具と同じものを三つお願いします」
「はいはい~。じゃあその金具ちょっ見せてね~」
「ええどうぞ」
「ふむむ、うん大丈夫よ。じゃあちょっと準備するわね~。適当に座ってて~」
フェリックスは言われた通り近くの席に座った。
私はと言うと、そう言われて大人しく座っていたことは無くて、武器や装備を眺めながら店内をウロウロとするのがいつも通りだ。
さて……、そうだなぁ。今日は兎を狩る様に弓矢でも見てみるかな。私はフェリックスに断りを入れて弓矢のある棚の方へ歩いて行った。
棚には大小さまざまな弓が並んでいた。しかし弦が張っていないから素人の私にはその具合は判断のしようが無い。
せめて弓の硬さが解ればな……
握力の落ちた左腕で果たして弓を射る事が出来るのだろうか?
結局、判断が付かず、私はカウンターの方へ戻って行った。
カウンターの方へ行くと青の色を持った騎士団員が立っていた。発注した品を受け取りに来る事もあるので別に不思議ではない。
「ご苦労様」
私が声を掛けると青の騎士団員はくるりと振り返った。
「ああっボロディン隊長ですか!?」
「そうだが、私はもう隊長ではないよ」
「失礼しました! 隊長もこちらにご用ですか?」
隊長呼びはそのままだが、彼は「でしたらどうぞ」と、カウンターの前の場所を譲ろうとしてくれる。
「いやそれには及ばないよ。私の要件はもう終わっています」
「そうでしたか」
「は~いお待たせ~」
そこへタイミングよくグルナラが戻って来た。
彼女は青騎士団員に「ちょっと待っててね~」と声を掛けた後、私に向かってちょいちょいと手を動かした。どうやら来いと言っているらしい。
私は招きに従いカウンターの前に移動した。
「は~い確認してね~、これでいいかしら~?」
私が渡した金具とそっくりな物がテーブルの上に置かれた。
「ええ問題なさそうです」
「ところでオレーシャちゃん。
オレーシャちゃんは騎士団を退役しちゃったからうちじゃ値引き出来ないのよ~ごめんなさいね。だからこれだけ、いいかしら?」
そう言って差し出された伝票には値引き欄の記入は無く、いつもより少々高い金額が書かれている。
「ええ構いません」
財布から貨幣を取り出そうとした所で、フェリックスが口を挟んできた。
「その品を俺が買うのならどうだ?」
「団長さんが買うのならもちろん値引きするわよ~
でもこれはオレーシャちゃんの私物の話よね。後で問題になった時に団長さんが困るんじゃなくて~?」
そう言いながらグルナラはチラッとカウンターそばで待つ青騎士団の団員を見た。
「いやその金具と砥石はオレーシャが俺の剣を磨くために買う物だ。むしろ俺の私物と言えよう」
「あらそうなのね。だったら問題ないわ~」
するとグルナラは伝票にさらさらっとペンを走らせて値引きの金額を書いた。フェリックスは伝票を受け取ると財布から代金を払って品物を受け取った。
それを唖然と見ていたのは青騎士団員だ。
「ほぇ~アヴデエフ騎士団長とボロディン隊長が最近仲が良いって話があったんすけど。マジなんすね~」
「ハァ!? 誰がそんな事を! あっエドゥアルドの野郎か!」
「いやいやうちの団長は関係ないっすよ。
俺ら青隊は町中でボロディン隊長とアヴデエフ騎士団長の養い子が一緒に歩いてるのを何度も見かけてますからね~
もしかして結婚秒読みって感じっすか?」
「おい」
「なんすか?」
「今日の事は他言無用だ。分かったな?」
「ええ~そりゃないっすよ。これで一週間はタダ飯食えるんすよ」
「銀貨一枚やる、喋るな!」
「あのぉ……」
フェリックスが財布から貨幣を取り出し強引に兵士の手にねじ込んでいる所に、おずおずと声を掛けた。
「なんだオレーシャ?」
「フェリックスは私と噂になるのがそんなにお嫌でしたか?」
口に出してハッとした。私は一体何を言ったのかと……
すぐに「ごめんなさい。忘れてください」と言ったのだが、フェリックスは渋い顔のままで、失敗したなと私はとても後悔した。
「おい。悪かった。言いたければ言え」
「えっいいんすか?」
「ああ構わん。俺がいまオレーシャと一緒に暮らしているのは事実だ。そもそも隠すような事ではなかった。だからさっきの俺の台詞はすべて忘れてくれ」
「はっ了解しましたっす!」
「あのフェリックス?」
「オレーシャ、後で話そう。じゃあな」
一方的にそう告げるとフェリックスは品物を持って工房を出て行ってしまった。私は慌ててグルナラと団員に礼をしてフェリックスを追った。
工房を出たフェリックスは近くのカフェに入っていった。ついて行かない訳には行かず、私も続いてカフェに入っていく。
注文を終えると、
「済まなかった!」
ガバッと机に突っ伏すように頭を下げるフェリックス。
「そんな謝罪なんて困ります」
「いいや謝らせてくれ」
気にしていないと言うのにフェリックスは頑なだ。これ以上頭を下げさせておく訳には行かないと考えて、私は不要な謝罪を受けた。
「済まないついでにもう一ついいか?」
「何でしょうか」
「剣のお礼と、さっきのお詫びに少し付き合って欲しい所がある」
「ええ構いませんが一体どこに?」
そしてカフェを出て連れて行かれたのは洋服店。
「ルスランから聞いたんだが、オレーシャはスカートを持っていないそうだな」
「はい恥ずかしながら……」
女なのにスカートを一着も持っていないという事が、とても稀有であろうことくらいは自覚があった。しかし休日に剣を振り馬を乗る様な生活をしていればスカートは不便であったから必要としていなかったのも事実だ。
「良かったら俺に贈らせて貰えるか?」
「ええっ! ですが私にはスカートなんて似合いませんよ!?」
「いいやオレーシャは見た目が良いのだから、もっとおしゃれをすべきだ」
「私の見た目が良い!?」
この人は突然何を言い出したのだ!?
「なんだ自覚がないのか。兵士らからお前はとても人気があったんだぞ」
「なんですかそれ、初耳ですよ」
「まあそう言う訳だ。
それにな俺もお前の女らしい姿を言うのも見てみたい。駄目か?」
その言い方は卑怯だと思う。
そんな言い方をされれば、これ以上嫌だなんて言えないじゃないか……
男らしかったのは残念ながらそこまでで、彼は自分で選ぶ自信は無いと言い、店員さんに色やら柄の希望を告げた。程なくして数点のスカートが取り出されてくる。
後は私がこれと指すだけなのだが、
「せっかく贈って頂くのだから、最後までフェリックスが決めて下さいませんか?」
「しかし、その、いいのか?」
「良いと言ってます! 恥ずかしいので早くっ!」
なんでも彼の言う私のイメージは白だそうだ。しかし貴族のドレスでもあるまいに普通の洋服店に純白なんていう汚れやすい色のスカートは無い。妥協して白にもっとも近い色、私の初めてのスカートはとても明るい灰色に決まった。
お包みしますね~という店員さんを止めて、「着て帰ります!」と言うには、まるで槍の前に飛び出すほどの度胸が必要だった。
新しい服で家に帰ると、ルスランが「すっごくに会うよ!」と満面の笑顔で出迎えてくれた。彼はフェリックスを端の方へ引っ張っていき、親指を立てて褒め称えている。
なるほど今日の事はすべてルスランの仕業か。
なんともおませな子だな。
「ルスランから何か言われましたか?」
「あー……、まあな」
「いったい何を? 私を連れて行くと言う事は私に関係のある事ですよね」
「関係はあるんだが……
ところでオレーシャ。お前何か欲しいものは無いか?」
「新しい砥石と鞘用の留め金具でしょうか」
「うん?」
「先ほどフェリックスの剣を見ましたが鞘を固定する金具が傷んでいました。修繕しようにも私のとは形状が違っていて少々困っていたんです」
「そ、そうか。じゃあまずは工房へ行ってみるか」
「はいありがとうございます」
私たちは騎士団御用達の工房へ向かった。
騎士団員が装備を買ったり直したりと言う時は大抵ここだ。何故ならこの店は騎士団員の場合は割引サービスがあるのだ。
装備に妥協しなかった私はきっとかなりの常連だろうと自負するが、そう言えば私はもう割引対象ではないのだなと気づき少し寂しさを覚える。
「いらっしゃ~い」
間延びした女性の声が店内に聞こえてきた。
鍛冶屋のおやじさんの一人娘で店番担当のグルナラ。ちなみに年齢は三十台後半でとっくに結婚済み。二代目予定の彼女の旦那さんはおやじさんと共に工房に籠りっきりだ。
「久しぶりです」
「あら~オレーシャちゃん。あなた騎士団を辞めたんじゃなかったっけ?」
「ええ辞めましたよ」
「ふぅん。それ、旦那さん?」
「違いますよ、こちらは白騎士団の団長です」
「ああ! いつもお世話になってます~」
途端に商人モードに変わった。一般兵士に与える武器や鎧、消耗した矢やら鐙などを大量発注しているからだろう。
「俺が決めてるわけじゃないからな、礼を言われても困るぞ」
「ふふふっそれで今日は何の用かしら?」
「新しい砥石とこの鞘用の留め金具と同じものを三つお願いします」
「はいはい~。じゃあその金具ちょっ見せてね~」
「ええどうぞ」
「ふむむ、うん大丈夫よ。じゃあちょっと準備するわね~。適当に座ってて~」
フェリックスは言われた通り近くの席に座った。
私はと言うと、そう言われて大人しく座っていたことは無くて、武器や装備を眺めながら店内をウロウロとするのがいつも通りだ。
さて……、そうだなぁ。今日は兎を狩る様に弓矢でも見てみるかな。私はフェリックスに断りを入れて弓矢のある棚の方へ歩いて行った。
棚には大小さまざまな弓が並んでいた。しかし弦が張っていないから素人の私にはその具合は判断のしようが無い。
せめて弓の硬さが解ればな……
握力の落ちた左腕で果たして弓を射る事が出来るのだろうか?
結局、判断が付かず、私はカウンターの方へ戻って行った。
カウンターの方へ行くと青の色を持った騎士団員が立っていた。発注した品を受け取りに来る事もあるので別に不思議ではない。
「ご苦労様」
私が声を掛けると青の騎士団員はくるりと振り返った。
「ああっボロディン隊長ですか!?」
「そうだが、私はもう隊長ではないよ」
「失礼しました! 隊長もこちらにご用ですか?」
隊長呼びはそのままだが、彼は「でしたらどうぞ」と、カウンターの前の場所を譲ろうとしてくれる。
「いやそれには及ばないよ。私の要件はもう終わっています」
「そうでしたか」
「は~いお待たせ~」
そこへタイミングよくグルナラが戻って来た。
彼女は青騎士団員に「ちょっと待っててね~」と声を掛けた後、私に向かってちょいちょいと手を動かした。どうやら来いと言っているらしい。
私は招きに従いカウンターの前に移動した。
「は~い確認してね~、これでいいかしら~?」
私が渡した金具とそっくりな物がテーブルの上に置かれた。
「ええ問題なさそうです」
「ところでオレーシャちゃん。
オレーシャちゃんは騎士団を退役しちゃったからうちじゃ値引き出来ないのよ~ごめんなさいね。だからこれだけ、いいかしら?」
そう言って差し出された伝票には値引き欄の記入は無く、いつもより少々高い金額が書かれている。
「ええ構いません」
財布から貨幣を取り出そうとした所で、フェリックスが口を挟んできた。
「その品を俺が買うのならどうだ?」
「団長さんが買うのならもちろん値引きするわよ~
でもこれはオレーシャちゃんの私物の話よね。後で問題になった時に団長さんが困るんじゃなくて~?」
そう言いながらグルナラはチラッとカウンターそばで待つ青騎士団の団員を見た。
「いやその金具と砥石はオレーシャが俺の剣を磨くために買う物だ。むしろ俺の私物と言えよう」
「あらそうなのね。だったら問題ないわ~」
するとグルナラは伝票にさらさらっとペンを走らせて値引きの金額を書いた。フェリックスは伝票を受け取ると財布から代金を払って品物を受け取った。
それを唖然と見ていたのは青騎士団員だ。
「ほぇ~アヴデエフ騎士団長とボロディン隊長が最近仲が良いって話があったんすけど。マジなんすね~」
「ハァ!? 誰がそんな事を! あっエドゥアルドの野郎か!」
「いやいやうちの団長は関係ないっすよ。
俺ら青隊は町中でボロディン隊長とアヴデエフ騎士団長の養い子が一緒に歩いてるのを何度も見かけてますからね~
もしかして結婚秒読みって感じっすか?」
「おい」
「なんすか?」
「今日の事は他言無用だ。分かったな?」
「ええ~そりゃないっすよ。これで一週間はタダ飯食えるんすよ」
「銀貨一枚やる、喋るな!」
「あのぉ……」
フェリックスが財布から貨幣を取り出し強引に兵士の手にねじ込んでいる所に、おずおずと声を掛けた。
「なんだオレーシャ?」
「フェリックスは私と噂になるのがそんなにお嫌でしたか?」
口に出してハッとした。私は一体何を言ったのかと……
すぐに「ごめんなさい。忘れてください」と言ったのだが、フェリックスは渋い顔のままで、失敗したなと私はとても後悔した。
「おい。悪かった。言いたければ言え」
「えっいいんすか?」
「ああ構わん。俺がいまオレーシャと一緒に暮らしているのは事実だ。そもそも隠すような事ではなかった。だからさっきの俺の台詞はすべて忘れてくれ」
「はっ了解しましたっす!」
「あのフェリックス?」
「オレーシャ、後で話そう。じゃあな」
一方的にそう告げるとフェリックスは品物を持って工房を出て行ってしまった。私は慌ててグルナラと団員に礼をしてフェリックスを追った。
工房を出たフェリックスは近くのカフェに入っていった。ついて行かない訳には行かず、私も続いてカフェに入っていく。
注文を終えると、
「済まなかった!」
ガバッと机に突っ伏すように頭を下げるフェリックス。
「そんな謝罪なんて困ります」
「いいや謝らせてくれ」
気にしていないと言うのにフェリックスは頑なだ。これ以上頭を下げさせておく訳には行かないと考えて、私は不要な謝罪を受けた。
「済まないついでにもう一ついいか?」
「何でしょうか」
「剣のお礼と、さっきのお詫びに少し付き合って欲しい所がある」
「ええ構いませんが一体どこに?」
そしてカフェを出て連れて行かれたのは洋服店。
「ルスランから聞いたんだが、オレーシャはスカートを持っていないそうだな」
「はい恥ずかしながら……」
女なのにスカートを一着も持っていないという事が、とても稀有であろうことくらいは自覚があった。しかし休日に剣を振り馬を乗る様な生活をしていればスカートは不便であったから必要としていなかったのも事実だ。
「良かったら俺に贈らせて貰えるか?」
「ええっ! ですが私にはスカートなんて似合いませんよ!?」
「いいやオレーシャは見た目が良いのだから、もっとおしゃれをすべきだ」
「私の見た目が良い!?」
この人は突然何を言い出したのだ!?
「なんだ自覚がないのか。兵士らからお前はとても人気があったんだぞ」
「なんですかそれ、初耳ですよ」
「まあそう言う訳だ。
それにな俺もお前の女らしい姿を言うのも見てみたい。駄目か?」
その言い方は卑怯だと思う。
そんな言い方をされれば、これ以上嫌だなんて言えないじゃないか……
男らしかったのは残念ながらそこまでで、彼は自分で選ぶ自信は無いと言い、店員さんに色やら柄の希望を告げた。程なくして数点のスカートが取り出されてくる。
後は私がこれと指すだけなのだが、
「せっかく贈って頂くのだから、最後までフェリックスが決めて下さいませんか?」
「しかし、その、いいのか?」
「良いと言ってます! 恥ずかしいので早くっ!」
なんでも彼の言う私のイメージは白だそうだ。しかし貴族のドレスでもあるまいに普通の洋服店に純白なんていう汚れやすい色のスカートは無い。妥協して白にもっとも近い色、私の初めてのスカートはとても明るい灰色に決まった。
お包みしますね~という店員さんを止めて、「着て帰ります!」と言うには、まるで槍の前に飛び出すほどの度胸が必要だった。
新しい服で家に帰ると、ルスランが「すっごくに会うよ!」と満面の笑顔で出迎えてくれた。彼はフェリックスを端の方へ引っ張っていき、親指を立てて褒め称えている。
なるほど今日の事はすべてルスランの仕業か。
なんともおませな子だな。
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