乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ

いつき

文字の大きさ
16 / 202

⑯二者面談

しおりを挟む
自室のソファーに座るよう誘導された私は大人しく腰をおろした
朝のアレはさすがにバレて居ない筈。ならどれだ?
たまに義兄の顔をスケッチしたやつか、痛々しい日記帳は鍵つきに細工つきだから違うはず

思い当たる節を次々に浮かべてはキャンセルする
バレたくない願望が切実過ぎた

向かいの席に腰掛け優雅に膝を組む推し。眩しい
専属侍女になったマーヤが早よ自供せーよと言わんばかりに紅茶をポットで入れてくれた。つまり話が長いと言う事だ
うちはポットのお茶のお代わりは自分でするのでね
マーヤが頭を下げ出て行くのを涙目で見送ったよね

「さて。何から話そうか?」
あっもう終わった。と思う程、穏やかな声と正反対の圧。
「え、と?ですね、にいさま悪気は無かったと言うか…」
「へぇ?」
「あまり叱らないで欲しいと申しますかっ」
「ほぅ」
「好きこそ物の上手なれとも言いますし!」
「だから?」
「あのっそのっ申し訳有りませんでしたー」
ソファーから降りてスライディング土下座を決めた。こちらの世界で通じるか知らんけど

令嬢とも思えない華麗な土下座にさしもの兄も少し呆けている模様。まぁ初めて見た事でしょうね
三つ指も付いて完璧な姿勢です

うっぐぅと令嬢とは思えない唸り声を発しながらソファー下のにいさまを描いた肖像画を差し出す
アニメの版にいさま画なのでデフォルトされて見えるにしても本人からしたらバレるようなもの
「えっ凄い、俺だねぇ」

コレジャナイ感が声質から察せられたので次は石鹸などの開発商品の売り上げを使ったガラスペンに見えるボールペンの試作品、を使った金額の帳簿と一緒に提出

「うん?インク壺が無いのに書けるの凄いね。しかも持ち手に柔らかなゴムが巻いて有るから疲れ難そうだ」
感心はしている。ち、違ってた。義兄さまの誕生日プレゼントの予定だったから速やかに謙譲したわ

しかし、となるとどれだ?日記帳だけは無理。日記帳だけは勘弁して頂きたい
痛々しいまでに推しの良さを語る相手が日記帳しか無かったから書きに書き貯めてお嫁入りする折りには全て燃やすつもりだったんですぅ~

令嬢にしてはシンプルな部屋には特に目立ったものは…あれか、にいさまの等身大抱き枕クッション。推し団扇?いや、イメージ香水の再現をポプリにアレンジしたものか?
キョロキョロする私の視線を的確に察知して次々に見つけられた。日記帳はさすがにバレ無かったか、慈悲の心で見られなかったのでセーフ

色々、興味深気に手に取って見る押収品。返って来るかなぁ

団扇はシンプルに黒生地に兄イメージカラーのブルーで名前とか外枠にフリル着けたぐらいだから。下手にファンサして、とか入れなくてよか、良くないわ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢を虐げた自称ヒロインの末路

八代奏多
恋愛
 公爵令嬢のレシアはヒロインを自称する伯爵令嬢のセラフィから毎日のように嫌がらせを受けていた。  王子殿下の婚約者はレシアではなく私が相応しいとセラフィは言うが……  ……そんなこと、絶対にさせませんわよ?

私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~

あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。 「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。

パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、 クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。 「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。 完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、 “何も持たずに”去ったその先にあったものとは。 これは誰かのために生きることをやめ、 「私自身の幸せ」を選びなおした、 ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。

もう我慢したくないので自由に生きます~一夫多妻の救済策~

岡暁舟
恋愛
第一王子ヘンデルの妻の一人である、かつての侯爵令嬢マリアは、自分がもはや好かれていないことを悟った。 「これからは自由に生きます」 そう言い張るマリアに対して、ヘンデルは、 「勝手にしろ」 と突き放した。

ヒロインだと言われましたが、人違いです!

みおな
恋愛
 目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でした。  って、ベタすぎなので勘弁してください。  しかも悪役令嬢にざまあされる運命のヒロインとかって、冗談じゃありません。  私はヒロインでも悪役令嬢でもありません。ですから、関わらないで下さい。

婚約破棄してたった今処刑した悪役令嬢が前世の幼馴染兼恋人だと気づいてしまった。

風和ふわ
恋愛
タイトル通り。連載の気分転換に執筆しました。 ※なろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、pixivに投稿しています。

拝啓~私に婚約破棄を宣告した公爵様へ~

岡暁舟
恋愛
公爵様に宣言された婚約破棄……。あなたは正気ですか?そうですか。ならば、私も全力で行きましょう。全力で!!!

処理中です...