乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ

いつき

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㊳来年度の入学前に

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そろそろデビューパーティーの終わりが近付く時間帯
アップテンポからムーディーな曲調はまるで蛍の光。閉店ですよ?と教えてくれる、アレ

会話中にちょっと摘まんだりドリンクを頂いたり
今回は小さな包み入りのマカロンやマフィン、チョコを何時でも持ち帰られるように用意されている

前持って今、居ないご家族用の方へ少しお土産に欲しいなーって呟いていたら多分、義兄様が第二王子殿下辺りにお願いして下さったっぽい

帰るなら好きにどうぞ?って甘い物が苦手な人向けに茶葉が少量入った包みも、わざわざ王家華紋入り。
王宮シェフの作る菓子は本当に美味しくて、私が殿下とのお茶会をすっぽかされて居た時も随分、心慰められたものです

義兄様が割りと深めのポケットを作ってくれたのはこの為では無い、無いですよね?

今日は過去、食べれなかった王妃殿下のご実家たるアルカディア公爵領、特産品チェリーも食べれて満足です
グラスジュースもチェリー味を頂き、チェリーを一粒浮かせれば、子ども用大人ジュース。見た目だけ大人ぽいアレンジ、いつかメロンソーダとか作りたい

一口飲み、胸元でグラスをしっかり固定。誰かの衣類に掛けるなんて有り得ませんもの

「美味しそうだね」

後ろから来るなんて卑怯です。
私の手ごとグラスを持ち上げ飲む方は1人のみ

「義兄さまッ」

たまにこう言う悪戯っ子な事をして私をからかうのです。
「うん、スッキリした甘さで飲み易い。さてお嬢様方ご歓談中、失礼しますね?そろそろ終わりの時間ですので妹を迎えに来たのです、来年度から始まる学園で仲良くして頂けましたら光栄です」

甘く柔らかなハスキー声に複数から黄色い声、私だって団扇の出番来たれりと思ったもの

さっさとボーイへ空グラスを渡し、優雅に声を掛けるとカルデナも傍にルトラン公爵子息が控えていたから数言挨拶を交わした。めちゃくちゃ目立つ風貌なのに現れ方が忍者ばりなのなーぜなーぜ、だよ

カルデナ、イルア、リナーニャとは学園に入る前に街でショッピングやお泊まりパーティーの約束もしたのでお別れは簡単に。義兄様のエスコートで先にお暇です

「そう言えば、まだファーストダンスをして居なかったな」

会場入り口へ向かう途中で呟くと急に思い出したようで、曲調がムーディーな為、保護者が踊る輪の中へ。
軽く腕を胸に当て頭を下げ、まるで最初から踊っていたのかと勘違いするぐらいスムーズに周りを避け踊り出す。この間、私から発せられる言葉なんて「あっ」「うァ」ぐらい。
推しと憧れのファーストダンス。エスコートが義兄確定になってからずっと夢見てたから嬉しくて。
スーパーチャットを、せめて脳内で5万送らせて欲しい。
…我が推し、完璧じゃないですか?
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