乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ

いつき

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㊽終わった

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「…一応、確認しますが、義兄の部屋へ入っては居ませんね?」

搾り出した。流石にそれは不味いのだ
館に入っただけなら故意では有っても解雇で赦せるが万が一にも義兄の許可無く執務室へ入るのは…

「わたくしでも赦されません。国からこの領地を預かるエルグラム侯爵の部屋へ許可無く入室するなどは」

そんな真似が赦されるのは国王陛下だけだと呟けば流石に不味かったのに気付いたリアが青褪めた

「入ってない!ごめん、ごめんなさい!謝るから許してよ!」
数時間一緒に居たからか、リアが私の腕を掴んで訴え眉を潜めた

ライカはどうしよう、どうしようと小声で狼狽えるばかりで、しかし私の顔を見詰め我に返ると膝の辺りへ縋る
「わたし、悪い事しちまった、反省するからもう1度チャンスをおくれよ。悪い男に捕まって生きる為の金が無いんだよ」

どちらも謝れば赦されると思っているのだろうか
流石に有り得ませんよ

「もう1度聞くけれど本当に入って居ないし中を見ても居ない、と誓えて?」
ただ静かに聞いた筈、だがリアの肩が震えた

「何故、館内に入ってはいけないと言われて居たのか考え無かったのかしら?」

「だって同じ平民のこの人たちが良いなら良いと思ってたんだよ!こっちだって、毎日一生懸命仕事してんのに、あたしらはたまに一回の風呂もこの人らは毎日入れるんだろ?不公平じゃないか」

ずっと不満だったのかリアは少し涙ぐみながらも睨んで来る

足に縋るライカと腕を掴むリアをメイドは引き剥がそうとするが、火事場のなんたらで全然剥がれない

「1日分、充分な日給と2食のサービス、日給だけで本来なら既に過剰過ぎるのを1人で生きて行くのが大変ならばと支援のつもりで付け、更に高価な入浴剤入りのお風呂をたまにでも入れるようにしたのに、恩を仇で返すとは恥知らずな」

8時間で日本円で1万なら悪くない支払いだったし、ご飯代が必要無いからかなり浮くはずだ。普通の生活なら家賃を払っても生活可能範囲、例え風呂無し物件だとして、街に何ヵ所も入浴施設も有るわけで入浴剤入りじゃない風呂なら1日300円と安価だ

「何故、当家で正式に雇用している彼女たちと同じだと?彼女たちは忠誠心に溢れ、万が一にも当家を汚す行いを致しませんわ。貴女に24時間そのお覚悟やお気持ちが有るとは到底、思えません」

「「はぁ?24時間!?」」

部屋の至る所から驚きの声が上がる
貴族など所詮、遊んで居ると思われていたか

 「わたくしどもは領民、引いては国の為に働いているのです。国王陛下も然り、誰しもが貴族の誇りに掛け、領地を豊かに統べく励んでいるのよ?時には連日眠らず、時に夜中に出撃する時も有る。それを誰がサポートしていると思っていらして?使用人は館内は何時も清潔で居心地易くしているだけだとでも?」
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