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55ファラン
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「衛兵。構わない、捕らえよ」
「あっ何故、そんなっ」
有無を言わさず当然来ていた殿下の護衛、うちの家から門番も元伯爵の身柄を捕らえた
親族のライアットで約束が有るからと馬車を突っ込まれ、確認する間もなく入って行ってしまったらしい。主の親族かつ、元伯爵を強引に触れられずジェームスを呼んでいたのが騒ぎになって聴こえていたようだ
義兄か私の命があれば捕まえられる為、片方を置いてピッタリ着いて来ていたので伯爵の腕を即座に捕まえ護衛騎士が縛りあげる
貴族当主だった人物がこのような屈辱に耐えれる筈も無く怒鳴っていたが王族の命に逆らえる訳もない
「ライアット元伯爵、レンファラン侯爵令嬢に詫びよ!
彼女は国の発展の為に妃殿下教育すら受けた身で婚約解消をしてくれた、言わば国に取って感謝すべき淑女である。それをまるで非があるとでも言わんばかりの物言いは許さぬ!!」
殿下の激昂にハクハクと空気だけ吐いていたが、悔しげに私へ頭を下げた
当主の伯爵はただの婚約解消で無い事、殿下が国外で婚姻を外交上結ぶ事は通達されているので代替わりしたので知りませんは通らない。
本当の理由はさておき、だ
「失礼した。ただ余りにも度重なる当家への扱いに耐え兼ねての事。親族を軽んじ特定の家だけを重きを置くのは貴族社会としてまだお若い侯爵には解らないかも知れないが良くない。それを先輩の貴族が教えて差し上げるのも大事な事なのだ」
「屁理屈は止めよ、そんな言い訳をしても赦されないのだ。レンファラン嬢が例え愛称を呼ぶ程近しくともファランの名は使う事が赦されない。侯爵や彼女と本当に仲が深ければ知っている事だ」
予想外から責められ全く心当りが浮かばない元伯爵へ殿下は容赦無く留めを刺す
「レンファランは前国王陛下より名を賜ったそうだな?」
きっとあのお茶会の後に聞いたか察したのだろう。
孫の自分ですら同じ王城に住まいながらも会えない祖父が1人の令嬢の為に自ら足を運んだのだから
まして傍に居た私の祖父は金髪碧眼に金の光の瞳。
解り易く自分に無い王族の血を引いている容姿。
ただの1人も呼ばない名が私には在る、その意味を。
「前国王、陛下!!」
最早、声にならない引き攣る声を上げ、うろうろ視線を彷徨わせ私に助けを求められてもどうにも出来ませんよ
「ルー【ファラン】ス前国王陛下である。お名を元当主が知らないとは言わせない」
「わたくしに長年、ご子息との婚約の申し出、殿下と解消後は愛人の要望を頂いていたので【解っていた】と思っておりましたわ。わたくしはライアット家が拘る、ひいお婆様の血を引く娘なのだと言う事を」
王族は近親の婚姻が多く、伯爵家では降嫁は夢のまた夢。良くて王子の嫁は可能だが、実際に選ばれるのは公爵家
それが親族に王族と縁有る家が出来てしまって夢を見たのだろう。
ゆっくりと顔を上げ私を見詰める。ひいお婆様の面影は少ない筈だが元伯爵の中では何かを感じるのだろうか、やがてぐったり項垂れた
後ろ手に縛りあげた元伯爵を門番と護衛で運んで行くと殿下は私の前に移動し指先を持ち上げて頭を下げた
「最後に少しはお役に立てて良かった。愛人などとんでもない御身。どうぞお大事になさって下さい」
「っ殿下…」
「ミカエリスと、今更ですが。また何かの時に私の名で済むようでしたら存分にお使い下さい。それと…」
耳元の囁きは間近に居たライオンぐらいにしか聴こえない囁き声で
反応が遅れる内に殿下は帰られた
「お嬢様…」
「あ、うん。大丈夫だから心配しないで」
曰く、ベルナンディウス義兄様が貴女を諦めていないようです、と
空耳であれ
「あっ何故、そんなっ」
有無を言わさず当然来ていた殿下の護衛、うちの家から門番も元伯爵の身柄を捕らえた
親族のライアットで約束が有るからと馬車を突っ込まれ、確認する間もなく入って行ってしまったらしい。主の親族かつ、元伯爵を強引に触れられずジェームスを呼んでいたのが騒ぎになって聴こえていたようだ
義兄か私の命があれば捕まえられる為、片方を置いてピッタリ着いて来ていたので伯爵の腕を即座に捕まえ護衛騎士が縛りあげる
貴族当主だった人物がこのような屈辱に耐えれる筈も無く怒鳴っていたが王族の命に逆らえる訳もない
「ライアット元伯爵、レンファラン侯爵令嬢に詫びよ!
彼女は国の発展の為に妃殿下教育すら受けた身で婚約解消をしてくれた、言わば国に取って感謝すべき淑女である。それをまるで非があるとでも言わんばかりの物言いは許さぬ!!」
殿下の激昂にハクハクと空気だけ吐いていたが、悔しげに私へ頭を下げた
当主の伯爵はただの婚約解消で無い事、殿下が国外で婚姻を外交上結ぶ事は通達されているので代替わりしたので知りませんは通らない。
本当の理由はさておき、だ
「失礼した。ただ余りにも度重なる当家への扱いに耐え兼ねての事。親族を軽んじ特定の家だけを重きを置くのは貴族社会としてまだお若い侯爵には解らないかも知れないが良くない。それを先輩の貴族が教えて差し上げるのも大事な事なのだ」
「屁理屈は止めよ、そんな言い訳をしても赦されないのだ。レンファラン嬢が例え愛称を呼ぶ程近しくともファランの名は使う事が赦されない。侯爵や彼女と本当に仲が深ければ知っている事だ」
予想外から責められ全く心当りが浮かばない元伯爵へ殿下は容赦無く留めを刺す
「レンファランは前国王陛下より名を賜ったそうだな?」
きっとあのお茶会の後に聞いたか察したのだろう。
孫の自分ですら同じ王城に住まいながらも会えない祖父が1人の令嬢の為に自ら足を運んだのだから
まして傍に居た私の祖父は金髪碧眼に金の光の瞳。
解り易く自分に無い王族の血を引いている容姿。
ただの1人も呼ばない名が私には在る、その意味を。
「前国王、陛下!!」
最早、声にならない引き攣る声を上げ、うろうろ視線を彷徨わせ私に助けを求められてもどうにも出来ませんよ
「ルー【ファラン】ス前国王陛下である。お名を元当主が知らないとは言わせない」
「わたくしに長年、ご子息との婚約の申し出、殿下と解消後は愛人の要望を頂いていたので【解っていた】と思っておりましたわ。わたくしはライアット家が拘る、ひいお婆様の血を引く娘なのだと言う事を」
王族は近親の婚姻が多く、伯爵家では降嫁は夢のまた夢。良くて王子の嫁は可能だが、実際に選ばれるのは公爵家
それが親族に王族と縁有る家が出来てしまって夢を見たのだろう。
ゆっくりと顔を上げ私を見詰める。ひいお婆様の面影は少ない筈だが元伯爵の中では何かを感じるのだろうか、やがてぐったり項垂れた
後ろ手に縛りあげた元伯爵を門番と護衛で運んで行くと殿下は私の前に移動し指先を持ち上げて頭を下げた
「最後に少しはお役に立てて良かった。愛人などとんでもない御身。どうぞお大事になさって下さい」
「っ殿下…」
「ミカエリスと、今更ですが。また何かの時に私の名で済むようでしたら存分にお使い下さい。それと…」
耳元の囁きは間近に居たライオンぐらいにしか聴こえない囁き声で
反応が遅れる内に殿下は帰られた
「お嬢様…」
「あ、うん。大丈夫だから心配しないで」
曰く、ベルナンディウス義兄様が貴女を諦めていないようです、と
空耳であれ
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