乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ

いつき

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72妃殿下教育では習いませんでした

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「そうだ。私がこんなに焦らなければならなかったのはいざと言う時に王の楯となる影の者が不在なせいだ。銀髪のカサンドラと幾ら優秀でも影になれないシルバーが側近では不安にもなるのを解って欲しい」

切々と訴えられ同情を引こうとされてるのか私へ足を向ける殿下に義兄が片手を伸ばし制する

「カサンドラ様が王太子妃殿下教育をされている意味を考えず、あのシルバーを預けた宰相や王の気持ちを踏みにじった方の言葉ではお二人が浮かばれませんし信用も出来ません」

「確かに。レンファが何故、伯爵家に身分を変えたかも恐らくは何も考えてはおりますまい。妃殿下教育が無くなったこの娘が今後、王城に上がるのはそうない事とは言え、医療室の場所を勝手に北の客間へ変え、まだ何も知らない少女を手に入れようとした訳ですからな」

怒りが再熱したようなお祖父様に私自身も身震いするが、同時に起きた時の違和感も納得した。医者が居ない医務室、しかもお付きメイドが1人なんて義兄もお祖父様もする訳ないからだ

「レンファは王家の瞳を持ち、髪も薄い茶だからカサンドラよりは産まれる子が金髪の可能性がある。そして幼少から有り余る商才、妃殿下教育も受けた身、きっとこの憐れな私を幸せにしてくれる、と思ったし彼女も傷物と呼ばれ侯爵家を追い出され行き場の無い身なら結果、私のものになるのは喜ばれるに違い無い。互いの為に亡くなったお祖父様には申し訳ないが、この機会を逃す訳には行かなかったのだと理解して欲しい」

つまり許せと言いたいのだろうが、2人の表情は憐れみを含んでいても首を縦に振る事はない

「だからと言って実の母で有る王妃殿下へ毒を盛るのは有り得ませんよ。レンファを医務室から移動する目的にしてはやり過ぎでしたな」

王妃様に!?
影とか毒とか身近で起こるには衝撃的なワードが多すぎて脳内で処理し切れず小さくぁ、ぅッと呻くばかりで言葉にならない

「王妃様が倒れれば王宮主治医は当然そちらに向かうとは言え恐ろしい事をされましたね」

私では無いと呟くが、王妃殿下の意識が戻られたと聞いて蒼白な顔色では犯人を白状しているようなものだ。
私は王妃様が意識を取り戻したと聞いて心底安堵した

「わざわざシルバーに自分の仕事を押し付け遠ざけたのは失敗でしたね?アリストはルトランと王の側近く控えていましたし、王族しか自由に行き来出来ない通路を通り、王妃殿下へ会いに行けたのはもう貴方しか居なかったけれど証拠を探すのに時間が掛かってしまった」

悔しそうに呟く義兄様が私を見詰め、私は緩く首を振るしか出来なかった
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