乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ

いつき

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96 笑顔の為に

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馬車で義兄様と2人になり一息吐いたが、多忙な様子に顔色を伺ってしまうのは最早癖に近い

「生徒会の行事は例年通りで滞りないっておっしゃっていたのは私に気にさせない為でしたの?」

最終年の夏休み前に行われる職業体験は学生が望む所を出来る限り叶えられる
例えば貴族の跡取りでも下町のレストランで給仕したいと望むなら極力叶えられるらしい

勿論、治安問題も有り、職人の所等は何日かで何も作った事が無いのに一から教えて出来るはずも無いので見学だけな学生も居て、何もしたくない学生はわざと職人の所を望んだりもする、と今もお手紙のやり取りをしてるラーナ様から伺ってはいた。

「そんなに大変では無い。が、姫の遊びや買い物に裂く時間までは無いの間違いだ。ただ、女性の仕事をしたいと望む声が増えて居るのと、跡継ぎ以外の男子生徒から職人希望が増えているので少し調整が必要にはなっているだけで…眉間、シワになるぞ」

馬車は酔わないように隣合わせで義兄が私の額を指でつつくのもちょっと嬉しくてわざと膨れ面で睨んでおいたわ

「学園から報酬が出るから多少は受け入れしやすいでしょうけれど多人数は職人の方も困るでしょうね、安全面だって騎士がかなり派遣されるのでしょう?」

「そうだな。例年なら王宮に仕官か騎士への仮入団の希望が多く、それほど警備に困らないが何故か今年は技術職への最終希望も多いらしい。まぁ少し増えただけで基本は王宮での職業体験が大体だから大丈夫だろう」

何故か遠くを見詰める義兄に頷いた。幼い頃から改良を重ねた馬車は今はスプリングも効いて柔らかいクッションには身体の形状に合わせ形を変える人をダメにするクッションを採用している。
私や義兄様は背筋は極力伸ばして座るが全身を包む柔らかさは疲れた身体を少しでも労って欲しくて作って貰ったのだ
敢えて繋げず、1人1人の座席で採用して有るので使う人や体型に寄って隣に影響も無い。
このお気に入りの馬車は懇意にしている家を中心に広まり人気でちょっとした自慢である。それに珍しく深く寄り掛かり空を見詰めたままの義兄を横目に思案した

「女性貴族が働く希望も職人の所なのですか?」

差し出がましい口を挟むのは余計な世話だが、そこは元義妹ならでは許して欲しい。
悩ましい姿も当然麗しいが帰れば侯爵としての責務も有るから、極力何とかして気分転換だけでもして欲しい。…私と話してするかしら?

「そうだな、例年ならば婚約者が跡継ぎなら嫁ぎ先の夫人の所へ通って親交を深めたり、王宮の女官体験が多かったが、今年度は女性が物作りが出来る所と街のショップ店員も人気だな」

義兄様がつと、馬車の小窓のカーテンの隙間から外を見遣ると小さい吐息が聴こえ、一瞬で口元を押さえたのはグッジョブ私と自画自賛したわ

推しは推せる内に押せ
内なる私が囁く

「なら、宜しければ私の経営してるコスメショップは如何でしょう?」

購入相手も貴族同士なら多少は働き易く良いかと提案すれば義兄は珍しく呆けた顔で凝視された後、助かると破顔になり、心臓が止まりかけた事、帰宅後アッシュを捕まえ強く主張しましたとも
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