乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ

いつき

文字の大きさ
106 / 202

●106 戦場でした

しおりを挟む
放課後、義兄様が迎えにいらして向かった先は和やかさが1ミリも無い空気感満載の生徒会室でした

「わざわざすまない、そちらのソファーに掛けてくれ」

皆様の専用テーブルが、ぐるり円の形で置かれ積み上げた書類はシルバー様が纏めて分類していて、ルトラン様は資料の束が纏められた棚前にいらっしゃる

第二王子が席から腕を伸ばした先に視線を送るとちょっと離れた所にローテーブルとソファーが有り、休憩や私のように用が有る生徒が使うようだ

軽くカーテシーだけし、言われた通りにソファーに腰掛け義兄様の持って来られた職業体験希望リストに目を通した

私のカーテシーは貴族令嬢方の丁寧なカーテシーより言うならば動作的には緩慢。
王家の姫が頭を下げるのは王、王妃と他国の王族、皇国、帝国など外交相手が基本なので、要人相手に慌てて頭を下げる令嬢方より優雅に見えるだけだとも言う
大お祖母様から受け継いだカーテシー、ルーファランス様が亡くなられ喜んでくださる方も居ないし伯爵令嬢としては可笑しいかとひっそり治し中です

恐れ多くもラーナ様がお茶を入れて下さり、有り難く頂いた
男性ばかりでお付きの人も居ない空間は、必然的にラーナ様しかお茶を入れれない模様

書類を確認するとガラス工房に8人、馬車の製造工程10人、クッション作り10人、コスメブティックに5人だ。
一応、早いもの順で人数は絞って下さったようで安心した

外交官希望の生徒も居るらしく、アイク義兄様もお手伝いして下さるそう

王宮職員希望の生徒は、第二王子殿下とラーナ様が纏めて振り分け面倒を見る

ルトラン様、シルバー様は余り居ないが、パン屋やレストラン希望の生徒の面倒が有りそちらを担当、義兄様はエルグラムの事業で公言して居る為に、私の事業補佐に回るとの事だ

体験希望の生徒と違い、雇用主に見せる為にしっかり動機も書かれている書類も別に用意され目を通す

うちで本気で働きたい方の分のみ渡された個人情報を確認し、頭に入れ書類を返すまでおよそ5分

成る程とこれは生徒会室に呼ばれる訳だ。

残ったお茶を頂きながら、呟きモードで確認する姿に第二王子は驚きを隠せなかったのか、何時の間にかわざわざ目の前に座って私の所作を眺めていた

「レンファランは速読と記憶術を得て要るのか」

「?何時も通りですが、そう、なんですかね?」

「レンファは3歳ぐらいから父の執務室でお手伝いと言っては書類分けもしていたからな」

「3歳で!?」

皆様が驚かれて一斉にこちらを見るのでちょっと体が震えましたわ

「そんなに大した事はしてません。終わった書類を箱に分けて渡してただけですわ」

「執事用か王宮提出用か、そう言った細かい所や、たまに父上がインクを欲しがれば新しいのをジェームスに取って貰ったりしてたじゃないか」

「クロフォード様こそ義父様に代わり侯爵家の使用人に指示出しして、午後においでになる客人のおもてなしの手筈も毎日されていたでしょう?お客様な合わせて好みの茶菓子や夕食もそうでしたわ。私はただお名前と同じ方宛の書類を渡す係をしていただけですもの」

「相手の名前を記憶し、間違いなく渡して居たから父上が感心していたよ。俺が父上に執務を習う間は家政も学んで居ただろう」

「多少なりお役に立てたならこの上無い喜びです」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢を虐げた自称ヒロインの末路

八代奏多
恋愛
 公爵令嬢のレシアはヒロインを自称する伯爵令嬢のセラフィから毎日のように嫌がらせを受けていた。  王子殿下の婚約者はレシアではなく私が相応しいとセラフィは言うが……  ……そんなこと、絶対にさせませんわよ?

私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~

あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。 「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。

パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、 クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。 「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。 完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、 “何も持たずに”去ったその先にあったものとは。 これは誰かのために生きることをやめ、 「私自身の幸せ」を選びなおした、 ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。

もう我慢したくないので自由に生きます~一夫多妻の救済策~

岡暁舟
恋愛
第一王子ヘンデルの妻の一人である、かつての侯爵令嬢マリアは、自分がもはや好かれていないことを悟った。 「これからは自由に生きます」 そう言い張るマリアに対して、ヘンデルは、 「勝手にしろ」 と突き放した。

ヒロインだと言われましたが、人違いです!

みおな
恋愛
 目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でした。  って、ベタすぎなので勘弁してください。  しかも悪役令嬢にざまあされる運命のヒロインとかって、冗談じゃありません。  私はヒロインでも悪役令嬢でもありません。ですから、関わらないで下さい。

婚約破棄してたった今処刑した悪役令嬢が前世の幼馴染兼恋人だと気づいてしまった。

風和ふわ
恋愛
タイトル通り。連載の気分転換に執筆しました。 ※なろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、pixivに投稿しています。

拝啓~私に婚約破棄を宣告した公爵様へ~

岡暁舟
恋愛
公爵様に宣言された婚約破棄……。あなたは正気ですか?そうですか。ならば、私も全力で行きましょう。全力で!!!

処理中です...