乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ

いつき

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●107 小さな婚約者

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一通り目を通した書類を受け取りに来て下さったシルバー様にお返しし、用が済んだならお暇すべきと腰を浮かせた時だった。

「ドロシー嬢の息女とアルカディアのマリオンが婚約したよ」

第二王子殿下、突然の発言に時が止まった

ストンと腰を下ろし脳内で反芻する

「…そう、ですか。それはおめでとうございます、と言って宜しいのですよね?」

故第一王子ベルナンディウス様とカナデフォーレット側妃殿下の息女ドロシー様から産まれたご令嬢。

金色の髪と碧眼を持つ赤子は修道院から王宮に既に移動し、御身を守っているそうだ。
正真正銘、王家の血を引く姫様だが祝福を国民から受ける事は無い

ドロシー様は未だ修道院で身を潜め、王家の女性騎士が見張りと護衛を担っていて一応、実母になっている元男爵夫人は面会可能だが、カサンドラ様の祝賀パーティーが終わるまでは絶対にフォーレットに連絡や逃亡をさせないように誓約書も書かせていた

「約束を守れなくばドロシー嬢も兄上の後を追わせると強めに申したからかお二人とも静かなものだよ」

「カサンドラ様がお披露目され他外国に周知されれば、カサンドラ様の御身は一応安心出来ますものね」

「カナデ妃殿下からは良く解らない要望で困惑させられているが、こちらを惑わせておきながら本命はソフィア夫人とドロシー嬢を探っているかも知れない。ソニア妃が亡くなった原因が病死だと信じて居ない節が見える」

「お二人なら真実を知っていると読んでいるのですね。あながち間違いでは有りませんもの、理解出来ます。しかし、良く解らない要望では無いのです」

私は僅かに逡巡したが実は。と前振りをし、前世の話をかい摘まんで話した。
アニメはこちらに無いので物語の様なものとして

思いがけず食い付きが良かったのはシルバー様で物語の中心人物になる第二王子殿下やラーナ様、ルトラン様は困惑気だ

義兄様は既に物語とし、ミクル様から聞いていたので動揺は無い

私は説明をしながらも、もう一つの私だけが多分知っている秘密を言うかは迷う。これは内容は真実に近いはず、でもここは現実なのだ。
アニメ通りじゃないし、人にはそれぞれ気持ちが在って、聞いても楽しい話では無いのも想像しやすい

攻略対象と言う存在を人形のように感じさせてはしまわないだろうか?

どうして何でと細かい事はともかく、私が知っているアニメの内容はこんな感じで物語にドロシー様は出て居ないし、ミカエリス様は留学せず未だ婚約者のままだったはず
ミクル姫も学年が違う。何より最後の卒業パーティー後はめでたしめでたしでどうなるか解らない

私が男爵の後妻になるのには義兄様が物凄く渋いお顔をされていたが、それだって恩情からなのだ

アニメの私はそれほど我が儘だったし今もとても我が儘なんです。口に出さないだけで
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