乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ

いつき

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●111 最愛なる従姉妹

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「?私の、ですか?」

「本当は男爵令嬢に王子を取られた令嬢と、僕の学年では噂があるのを知っているだろう?」

「はい。王子を魅力が無く奪われた上、侯爵から見放されたとか、お胸が足りなくて脳も足りないとか散々ですわ」

「そこまでは聞いて無いよ!?」

「アリアはかなりマナー教室で言われたそうですよ?主にライアットのご令嬢から」

ライアット、もう忘れたいのに忌まわしい記憶が甦る

「ユメリ嬢か。レンファが王子と婚約者の時代は親戚だとかなり威張り散らしていたから、婚約解消が少なからず影響したんだろうな。スミレも男爵令嬢だからと強く当たられていたよ」

「そこをユーリがお助けして下さったのでは無いですか。ユメリ様は自分より爵位が低い令嬢に厳しい方で。でもユーリには親戚だから言えなかったの」

「まぁ、何て事を」

驚きの連続で口元を抑えた。知らぬ間に影響を及ぼしていたらしい
全く付き合いの無い状況で良くも言えたものだ

「アリアは高価なドレスやアクセサリーをレンファから借りたのを隠すつもりは無い。寧ろ誇らしげに自慢するつもりだ、それこそユメリ嬢がやりたかった付き合いの証明だろうな」

大人になれば他者の借り物は誇れるものでは無いが、まだ学園を卒業するまでの子息令嬢には親の威を借るようなもので多少なり効果が有るのかも知れない

私にそんな威力が有るとは思えないけれど私の名誉を回復するべく身の丈よりも高価なアクセサリーを望んだ従姉妹の優しさが微笑ましい

デビューもしていない身で、子爵令嬢と言う身分で、必死に考えてくれた結果な行動なのは良くも悪くも愛しさしか無かった

「レン、待たせた」

思っていたより長い立ち話をしてしまったのだろう、義兄様が早足で迎えに来て下さる。

人影は疎らとは言え、図書館へ繋がる道と有れば多少なり学生の姿が見えては居たのでこの事でユーリ兄様やスミレ様にご迷惑をお掛けしないか気掛りだが侯爵たる義兄が親しげに話す姿を見れば変な絡みをする学生は減るだろうか

「ではまたな」

「またお話出来るのを楽しみにして居ます」

お二方へ軽く頭を下げ義兄のエスコートで立ち去る時は羨望や嫉妬の眼差しが付き物で、悪意しか無いと思っていた視線の中でもしかしら未だ価値が有ると思って下さる方も居るのだと別の緊張感に息を飲んで帰宅した

勿論、義兄様に何を話されたのか軽い尋問を受けましたわ。
ユーリ兄様に話掛けられるってそんなに珍しい事でした

スミレ様は先ほど生徒会で名簿を見たばかり。個人情報で口にはしませんでしたけれど、ユーリ兄様と婚姻なさるから事業を知って置きたかったのでしょうか
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