乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ

いつき

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ユラ奥様と呼ばれたご婦人に睨まれ、すぐに怯む辺り、まだ若い十代の少女だと言えるだろうか

騒ぎに庭に居た二人の少女の親も呼ばれ、駆け寄って状況を把握しようと二人に訪ねている

ユメリ様も納得されないまま口を噤んだので漸く一息つけた

「このドレスは先ほど申し上げた通り、ルアージュ伯爵家、レンファランお姉様から借りた新品のドレスです。第三王子殿下とは隣国の架け橋になるべく円満な婚約解消をされたのはご存知ですよね?なのに伯爵家で新たに解消後に王族の紋を作る訳有りませんよね?」

畳み掛ければ憎らしそうに睨むも微かに頷くお三方に私は笑顔で告げる

「レンファラン姉様を王家に入れ無いから捨てられた等、良くマナー教室で仰って居ましたけれど、先ず姉様が王家の血筋を引いているのです。先ほどこのご婦人が仰っていた先王様の姉君に中るエルシャ姫様の血を。貴女は特にご存知でしょう、元ライアット伯爵家のユメリ様!」

強く断言すると、ビクッと身体を揺らし瞳を彷徨わせるユメリ様

「ルアージュ伯爵家がエルグラム侯爵家を継いだイシュダート侯爵様と双子のアンバード様の起こした家で有り、お二人の母君こそが、まさにエルシャ姫様なのです。そして姫の華紋色は紫!つまりこちらは曾祖母の遺品を姉様に分けられただけの事。まさかレンファ姉様がルアージュのフレデリカ様の実子だと知らなかった訳では有りませんよね?」

まさかね、みたいに鼻で笑った瞬間、沸騰したように赤く染められた顔をユメリ様は浮かべたが、今までの言動を聞いた周りはざわざわと騒ぎになり、青と黄色のドレスの令嬢の親は自身の両頬を掴み、今にも叫び出しそうだし、令嬢達は逆に可哀想な程、青褪めた

くすんだ色で悪かったわね!私は案外この薄いブルーの瞳も暖かみ有る茶色の髪も気に入っているのだとバカにされて思った

ちなみに姉曰く姉の瞳はひまわりと言ってこの国では珍しいだけで、色彩がハッキリしてるから余計に目立つけれど、誰しも瞳孔に光が入れば筋が見える。
それが分かりにくい瞳の人がこの国は多く、同じ色か少し濃いか薄いかだけよ、と聞いている

その、ひまわりが太陽を見上げる様が上を見て前向きに生きようとする王家の起源らしい

半分も理解出来ない私に姉様もまぁこじつけよね、と笑っていたわ

地面に住む国民こそ見詰める必要有るし!だそうです

「そんなの知らなかったわ!!」

ユラ奥様と呼ばれたご婦人に必死の言い訳を紡ぐも呆れた顔の婦人から婚約破棄を告げられ足元に崩れ落ちたユメリ様

「エルシャ姫様のエルグラム侯爵に嫁いだ、リリシア.ライアットの血筋だからと甘く見すぎたわね」

「そんな!」

真っ青な顔で取り繕うにも一番触れてはならない禁忌を犯したのだろう。
ご高齢の貴婦人がおいくつかは存じ上げ無いがよっぽどエルシャ姫様の華紋、そして子孫であるレンファ姉様を軽んじられたのが(ドレスだけど)赦せなかったようだ

私本人はただの子爵家令嬢で王家の血筋云々は勿論、関係無いのでこちらへ慰謝料だ謝罪だと何も口に出す事は私からは無いが、令嬢方全員保護者に叱られざまぁないわね。と内心ほくそ笑むくらい許して欲しいわ。


後に親から聞いた話、全員婚約者に婚約破棄され、ユメリ様はきちんと平民になり修道院に送られたそう。
未成年で良かったですね、ユメリ様?
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