乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ

いつき

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●134 子をなんだと思っているの?

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「公子があくまで候補なのには姫様の要望と聞いてますが」

「だって、私はこの国に留学したら、愛する人が出来てその人と結ばれるはずだったんだもの。ハイドはフォーレットに恋人居るし」

「恋人ですか!?」

クロフォード義兄様の問いに素直に答えられ、びっくりして声が少し裏返ってしまった

婚約者候補の割りにリードナイト公子は淡白な印象だったのは確かにそうだけれど、最低限しか姫と関わって居なそうなのは人前だからとか、学園内だからかと思っていたわ。
姫様は本当に可愛らしいから、お立場を置いて見た目だけでも年頃の男の子なら大体の事を許せそうだもの

姫様としてはアニメ通り、攻略対象の中から選びたかったのかも知れないけれど、まさか公子に恋人が居たなんて想像もして居なかった

「恋人と言うか元婚約者。私がこの歳まで婚約者を作ろうとしないから留学の体裁の為に候補なんだもの。この国で私に好きな人が出来たらフォーレットに戻り次第、再婚約する予定だったの」

しょんぼり、泣きそうなお顔はまるで幼女の様にお痛わしい

義母様も姫様の隣で落ち付かせ様と姫の両手を包み込む

「何故リードナイト公子が?婚約者の居ない高位貴族が他に居なかったのか」

義父様の疑問に姫が困ったように視線を彷徨わせるとアイク義兄様が軽く咳払いをした

「噂話ですが、カナデ側妃殿下の恋人がリードナイト公爵で皇帝にバレてこうなった、と」

「成る程。自身の不貞の後始末を子に押し付けたのか」

「ハイドは悪く無いの。だから、私に婚約者が出来たら解放してあげる約束をして居たの」

姫様の言葉に偽りは感じない。元より良くも悪くも素直な方だ
ただ、母親の不貞話はしたく無かったのだろう

「まさか母様が側室を辞めるように言われていたなんて…私も銀の子を産むしかもう後が無いの。お願い、クロフォード様!私を娶って!」

余りの剣幕に何を言われたか一瞬分からなく混乱した

「「「え?」」」

「は?」

義母様も握っていた手を離し、立って姫の背を撫でていた伯母様はドン引き顔で後ろに身を引いた

流石に聞き間違いでは?と見遣る

姫様はこちらを全く意識して居ないのか真っ直ぐクロフォード義兄様を潤んだ眼で見詰め、儚く散りそうな程か弱い声でお願いと呟く

「えっ無理じゃね?」

そこへ空気を読まず爆弾投下する声に振り返れば遅起きのアッシュが居たのには度肝を抜かれた

「アッシュ!?」

義母様がだらしなくパジャマ姿の息子を咎めるも、アッシュは気にした様子も無く当たり前の様にアイク義兄様の隣へ腰かけ大きな欠伸。義父様が両手で顔を覆ってるわね
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