乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ

いつき

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◯167 令嬢バトル

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「レンファ、ちょっと」

 リナーニャの声に振り向くと耳元でそっとトラブルが有り、私の名前が出ていると聞かされた

 リナーニャに義兄列の令嬢の名簿と誘導を任せ、慌てて騒ぎの女子トイレへ向かった

 何故こんな目出度い日に騒ぎを起こすのか、それは今日でお別れだから?今日言わないで何時言うの勢が居るらしいが正直勘弁して欲しい

「男爵家の癖に生意気よ!子爵家の夫人になるのだからと偉そうにしないで!!」

「そうよ!貴女の家は裕福でも無い癖に!」

「結婚しても仕事をして実家に仕送り?旦那に出して貰って、就職は辞退して頂戴」

 トイレの外に微かに聞こえる

 下級生の女子生徒がトイレを使用に来たら何だか怖い会話が聞こえ、リナーニャに連絡したらしい

 トイレ自体、講堂脇が近場なだけで校舎へ女子生徒は向かい、現場は他に巻き込まれた生徒は居ないのが幸いで

「あのエルグラム侯爵家がバックに付く就職先はどれだけ多くの人が望む就職先か知らない訳無いでしょう?」

「1人席が開けばそれだけで救われる家が有るの」

「婚約者の居ない令嬢がどれほど欲しているか…」

 そこまでで途切れたのは私の姿が視界に入ったからだ

「まぁ、これは…」

「エルグラム侯爵の元義妹様じゃないの!?いくら縁が有るからって余計な口出しは無用ですわ」

 1人の令嬢を囲む4人の令嬢、明らかに狼狽えているのはランティス侯爵令嬢だ。彼女を筆頭に私の顔は知っているのだろう勝ち気に睨みつけて来る令嬢が2名、後1人は静かに静観していた留学生と思しき令嬢だ

「レンファ様!」

「スミレ様!!」

 囲まれていた令嬢から声が掛かり慌てて駆け寄る

「ご無事でしたか!?まさかスミレ様がこんな目に合われるなんて…」

 スミレ様を抱き締め、明らかに親しげな様子に戸惑う一同をゆっくり見遣る

「エルグラムの私が立ち上げた事業ですわ。私が責任者ですもの、口を挟むのは当然でしてよ」

 悪役令嬢モード再びである

「「ルアージュ嬢が!!」」

「なら私も働かせて下さい!私が働かねば家族が困るのです」

 良く見れば前に私を囲った令嬢の1人
 後1人は可哀想ですの、と友達を擁護するつもりで来たようだ

「貴女は、あの日あの場所に居た方は未来永劫、雇う日は来ません」

 きっぱり宣言した。応募の段階でお断りしていたから私が関わっていると知らなかったのかも知れない。

「だから面接すらさせて貰え無かったのね!」

 吠える令嬢に軽く溜め息を漏らせば肩を震わせている

「ランティス嬢、貴女まだこんな事を…侯爵令嬢たる貴女様こそ諫めるべき立場ですのに。それに彼女は貴女が巻き込んだのですから、ランティス侯爵家で雇えば宜しいでしょう」

「…!それは、出来ないから何とかしてあげたかったのよ。私はあの時の責任を取って子爵家へ嫁入りが決まってしまったのだもの」

「それはおめでとうございます?子爵家へ連れて行っても宜しいでしょうに」

「…後妻なのよ。私より歳上の独身娘も居るの、実家ランティスから援助はされても使用人を連れて行くのは禁止されたわ」

 それは中々、手厳しい内容だ。

「何もしなければエルグラム侯爵夫人の座に一番近しかったでしょうに。自業自得ですわね」

 ハッと傷付いた顔になり、顔を両手で隠し嗚咽を響かせる。
 今更なのだ、本当に

「それと、貴女も」

 ゆっくりと令嬢を見据えた

「な、なんですか、私だってしたくてやった訳じゃないもの、家族に送金が必要だったから仕方無いじゃない」

「仕方無く有りません!」
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