乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ

いつき

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◯170 鍵閉めバトル

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スミレ様と会場へ戻るとユーリ兄様が心配気な顔を隠さず駆け寄りスミレ様を抱き締めた。
顔を覗き込む従兄弟にスミレ様は笑顔で応える

「レンファ、スミレを有難う」

短いながら私を呼び捨てにするので周りがどよめく。割と大人しい印象だけに余計に目立つが学園最後の日だ、もうなんだかんだと私のせいで言われる事は無いのだろう。 
私とユーリ兄様の髪色がお揃いなのを見て改めてナタトリス子爵家が親族だと気付かれた方も居るようだった

「ユーリ兄様、スミレお姉様は立派でしたわ。ユーリ兄様への愛、しかと伺いましてよ」

赤く頬を染めるスミレ様の両手を握り私はリナーニャが大きく手を振っている場所へ戻る

1分半まで短くしたダンスタイムは簡単でずっと同じ振りをする為に列を途切れさせる事無くバトンタッチ出来るとは言え、60分踊り続けるのだ。

義兄の消耗は如何ほどか。

一応、20人で一旦休息を挟みちゃんとした楽曲と義兄達以外で踊りたい人はダンスをする。

給水タイムは必要だからね。

何時も一言二言しか話せ無かった義兄様とダンスをしながら独り占め。
話そうと思えば90秒はかなりの時間だし、義兄の顔をひたすら眺めてる令嬢、一か八か告白する令嬢とバラエティー豊かだったとリナーニャが楽しそうに報告してくれた

給水タイムで私がトラブルの処理に出掛けているのをリナーニャに聞いて知っているので後でキッチリ報告する事になるだろう。

後半戦に入り後10人も居ない列。一番最後は3年の令嬢だ
どうしようと悩まれ、恥ずかしいけれど最後だから思い出に参加されたらしいが令嬢方が最後狙いをされている事は知っている。何故なら締め切り一分前は生徒会室前でジャンケンをしている声が響いたから。

義兄様だけでなく最後狙いの方々が大勢居たので分厚い扉を貫通して聞こえてましたよ。

ラーナ様のラストを取った男子生徒の雄叫びも、アリストテレス様の最後を取った令嬢の失神も良い思い出になるだろう(多分)

そわそわと綺麗な制服のプリーツを直され埃一つ無い姿で挑もうとするのはわかりみしか無い。

そうだよね、好きな人の前に行くのだから気合い入るよね。
私だって何時だってなるべく綺麗な私を見て欲しい。実際は…まぁ義妹13年もしていたら寝不足の腫れぼったい顔も見られたりしている訳だけど

物作りに没頭し過ぎて夜更かしてはジェームスなりトーマスに叱られたのも懐かしい思い出です。

最後の令嬢が飛び出して行く。最後から2人は友達らしく手を握り、バトンタッチし流れるように踊り出した。

キラキラな女の子はとても眩しくて。
ここに大量に踊り終わった令嬢方も熱い視線を送っていた

最後の最後、義兄様が自分の生徒手帳を差し出して踊るのを期待して待ち侘びているのだ。
躙り寄る、踊れ無かった令嬢達で人数は増した

何しろ婚約者が居ないので。
いや、待って!アリストテレス様方の列に居た令嬢も此方へ流れてませんか?
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