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◯172 婚約者
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アニメなら突然パーティーが始まって直ぐにアリストテレス様からラーナ様が婚約破棄をされるシーンだが、リアルはそんなに早く時は進まないし婚約破棄も無い。
ラストダンスをするのは各々のタイミングで。音楽隊も踊る人が居れば講堂を使用時間ギリギリまで演奏する
アリストテレス様も義兄様も皆、様子見なのは自分たちが踊れば、万が一でもぶつからない様に他の生徒が遠慮するからだ
2曲3曲と学生らしくポップなメロディーで踊る姿はキラキラしている。
「そろそろか」
義兄様の呟く声に女生徒から放たれる覇気が尋常では無い。
一部の令嬢からはどうせ私が選ばれるだろう、と囁かれる。
確かに私なら丸く収まる所も有るだろう。何しろ13年義妹だったし、今も親族として仲良くしている自負が有る
私だって最推しと一生に一度のラストダンスに憧れは在る。
馴染み深い紫桔梗紋の生徒手帳を頂けたら天にも昇る気持ちだろう
だが、義兄の瞳は私を見て居らず、かと言って近くに躙り寄る令嬢へも向けられなかった。
スッと歩みを進める先に居るのは担任とリナーニャ。義兄はリナーニャの手を取り頭を下げた
瞬間湧き上がる歓声、悲鳴にも近いその音で息を止めていた事に気が付いた
成る程、と。私の友人で忘れていたが、侯爵令嬢方が選択肢から無くなったなら伯爵令嬢のリナーニャは有り得る選択である。
イルアと違い跡継ぎも居るメイラン伯爵家、そしてリナーニャに婚約者は居らず、同じ生徒会な上、私の友人で義兄様の好意度は高い
冷静な分析と裏腹に私の手は汗で滲み微かに震えた。
泣く訳にはいかない、絶対に。
微笑み、大切な友人におめでとうを言うのだ
深呼吸を何度も繰り返した
「レンファ?大丈夫か?」
気が付くと目の前にアリストテレス様の麗しい顔面が。
もう数秒遅れたら唇が触れそうな程近く、私は瞬きも忘れ悲鳴を飲み込んで一歩下った。台に当たりよろける所を華麗に支えられる姿はまさに理想の王子様だ
心臓がバクバク跳ねるのを何とか抑え、礼を述べれば余裕綽々に笑われた。
一応、まがなりにも婚約者である。
婚約者として過ごす事が無くとも。
オープニングがラーナ様ならエンディングは私。成る程、平等な様な気もしないでも無い
アリストテレス様は生徒手帳こそ出され無かったが当たり前の様に私の手を取り踊り始めた。
軽やかなステップは極上で
瞬く間に中央まで連れて行かれるも誰にも打つかる事は無く。
キラキラとライトに輝くゴールドの髪をふわり靡かせてこちらまで天女になった気持ちでアリストテレス様に合わせて舞った
濃い碧眼の瞳にはくっきりと金色の虹彩が、第一王子、ベルナンディウス様と同じ色だが、色気たっぷりだったあの方と違う爽やか王子に女生徒の視線が私にまで刺さる
「カレイドのクララ公女殿下、マイヤミのナナカ公女、タカマツリ聖王子が凝視して居るから笑顔を絶やさぬように」
言われ横目で確認をする。留学生の中でトップクラスに地位の高い方々だ。
クララ様は瞳を狙っているのでは無いかと疑われる国として。
マイヤミのお二方は友好と共に私の起こした産業狙いと注視されている。
どちらにせよ身の安全の為に王家へ庇護されている身、軽く頷きアリストテレス様へ微笑みを向けた
動揺は見せない、涙も見せない、弱みは隠し通せと教わった10数年の教育の賜物である
ラストダンスをするのは各々のタイミングで。音楽隊も踊る人が居れば講堂を使用時間ギリギリまで演奏する
アリストテレス様も義兄様も皆、様子見なのは自分たちが踊れば、万が一でもぶつからない様に他の生徒が遠慮するからだ
2曲3曲と学生らしくポップなメロディーで踊る姿はキラキラしている。
「そろそろか」
義兄様の呟く声に女生徒から放たれる覇気が尋常では無い。
一部の令嬢からはどうせ私が選ばれるだろう、と囁かれる。
確かに私なら丸く収まる所も有るだろう。何しろ13年義妹だったし、今も親族として仲良くしている自負が有る
私だって最推しと一生に一度のラストダンスに憧れは在る。
馴染み深い紫桔梗紋の生徒手帳を頂けたら天にも昇る気持ちだろう
だが、義兄の瞳は私を見て居らず、かと言って近くに躙り寄る令嬢へも向けられなかった。
スッと歩みを進める先に居るのは担任とリナーニャ。義兄はリナーニャの手を取り頭を下げた
瞬間湧き上がる歓声、悲鳴にも近いその音で息を止めていた事に気が付いた
成る程、と。私の友人で忘れていたが、侯爵令嬢方が選択肢から無くなったなら伯爵令嬢のリナーニャは有り得る選択である。
イルアと違い跡継ぎも居るメイラン伯爵家、そしてリナーニャに婚約者は居らず、同じ生徒会な上、私の友人で義兄様の好意度は高い
冷静な分析と裏腹に私の手は汗で滲み微かに震えた。
泣く訳にはいかない、絶対に。
微笑み、大切な友人におめでとうを言うのだ
深呼吸を何度も繰り返した
「レンファ?大丈夫か?」
気が付くと目の前にアリストテレス様の麗しい顔面が。
もう数秒遅れたら唇が触れそうな程近く、私は瞬きも忘れ悲鳴を飲み込んで一歩下った。台に当たりよろける所を華麗に支えられる姿はまさに理想の王子様だ
心臓がバクバク跳ねるのを何とか抑え、礼を述べれば余裕綽々に笑われた。
一応、まがなりにも婚約者である。
婚約者として過ごす事が無くとも。
オープニングがラーナ様ならエンディングは私。成る程、平等な様な気もしないでも無い
アリストテレス様は生徒手帳こそ出され無かったが当たり前の様に私の手を取り踊り始めた。
軽やかなステップは極上で
瞬く間に中央まで連れて行かれるも誰にも打つかる事は無く。
キラキラとライトに輝くゴールドの髪をふわり靡かせてこちらまで天女になった気持ちでアリストテレス様に合わせて舞った
濃い碧眼の瞳にはくっきりと金色の虹彩が、第一王子、ベルナンディウス様と同じ色だが、色気たっぷりだったあの方と違う爽やか王子に女生徒の視線が私にまで刺さる
「カレイドのクララ公女殿下、マイヤミのナナカ公女、タカマツリ聖王子が凝視して居るから笑顔を絶やさぬように」
言われ横目で確認をする。留学生の中でトップクラスに地位の高い方々だ。
クララ様は瞳を狙っているのでは無いかと疑われる国として。
マイヤミのお二方は友好と共に私の起こした産業狙いと注視されている。
どちらにせよ身の安全の為に王家へ庇護されている身、軽く頷きアリストテレス様へ微笑みを向けた
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