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◯173 生徒手帳の行方
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この国の王子で有り、王太子でも有るアリストテレス様がラストダンスを披露した事でこのパーティーも終演だ
宴もたけなわ。皆々様が別れを惜しみつつも、最後は壇上へ元生徒会のメンバーが登り、別れの挨拶を一人一人終えると歓声と共に中央の人垣が一斉に左右へ開かれた。
それはまるでモーセの十戒の如くだった
その頃には入り口に居たシェフ達や王宮の職員達も撤収し、残るは警備の衛兵のみ。
安全性と最後まで囲われ兼ねない元生徒会の皆様が先ず退出。次は留学生の方々に退出して貰い、卒業生そして在校生が退出。最後に私達、現生徒会メンバーだ
ラーナ様とルトラン公子はラストダンスを踊る事無く終わってしまい、名残り惜しくも誰も選ばれ無かった事にファンから喜びの声もチラホラ有ったのは私も義兄ファンとして声には絶対出せないが内心、同意しか無い。自分以外なら踊らないでとは本当に勝手過ぎるが強火義兄ヲタクだもの
アリストテレス様と踊った私への視線が最後まで羨望と嫉妬に溢れていたのをひしひしと感じる。
それと同時に私もリナーニャへ羨望の眼を隠し切れないからだ。リナーニャのポケットには確りと義兄様の生徒手帳が有るのだ、羨ましい。
リナーニャへおめでとうと掠れがちに述べたら変な顔されてしまったが、自分でも裏返った変な声の自覚は有るので仕方無い
リナーニャは女騎士になるのだと将来に向け日々努力もしているし、中身も友達想いの俗に言う良い女だ
見た目だって良い。友達の贔屓目を除いても文句無しで、義兄様の見る目が有ると言わざる得ない
「「ルアージュ様」」
「はい、何か?」
声を掛けられ顔を身体ごと向ける。今、講堂に居るのは在校生だけとは言え人数的に馬車に乗る為に皆様、講堂を出るのはゆっくりだ
中には卒業する兄弟、姉妹や婚約者と帰った方々も居るが何しろ多くの生徒が同時に帰るのだからこの待ち時間は仕方無いと諦めて貰うより無い
振り返ると複数の女生徒に紛れ男子生徒もいる
「私達は美術同好会です。どうか先程の第二王子殿下とのダンス風景を描く許可を頂きたく参りましたの」
「まぁ。そうでしたのね、私は学園の規定通りなら構いませんわ」
「感謝します、第二王子殿下には既に許可を確認済みですのでご安心下さい」
わぁッと小さな声が上がり私は瞬きを繰り返した。嫉妬や羨望以外にも注目されていたようだ
学園は授業を終え、完全下校の17時までは好きに居られる。
特にお洒落な食堂を使った小さなカフェテラスが定期的に新作のデザートやドリンクが出るので人気だが、中には前世で言う部活動のようなものも有り、美術同好会は学園の校章入りキャンパスに模写を主に描く。
他にも粘土を使った制作など、怪我の無いような作品作りを許可された活動をしていて、中には空想を紙に描く事も有るらしい。
今のように許可さえ取れれば実物の個人も可能だがモデルのように時間は取れないので、見た姿を思い出して描いて貰う形では有るが成る程と頷いた。相手が誰であれ王子のラストダンスなら絵心有れば残したい気持ちも分かるな、と
美術同好会の皆様は軽く頭を下げ帰られて行くのを見守った
驚きと共に軽く気分転換になったようで、張り詰めていた息を深く吐き出した私は先程のシルバー様の照れ笑いされた話をシルバー様には聞こえないようにイルアの耳元へ囁いたのだ。
もっとも目敏くリナーニャとカルデナも来て円陣のような形での話になり、皆の合いの手で近くにいるシルバー様にも聞こえてしまったが、まぁ本人をからかう訳で無いので良しとしよう
宴もたけなわ。皆々様が別れを惜しみつつも、最後は壇上へ元生徒会のメンバーが登り、別れの挨拶を一人一人終えると歓声と共に中央の人垣が一斉に左右へ開かれた。
それはまるでモーセの十戒の如くだった
その頃には入り口に居たシェフ達や王宮の職員達も撤収し、残るは警備の衛兵のみ。
安全性と最後まで囲われ兼ねない元生徒会の皆様が先ず退出。次は留学生の方々に退出して貰い、卒業生そして在校生が退出。最後に私達、現生徒会メンバーだ
ラーナ様とルトラン公子はラストダンスを踊る事無く終わってしまい、名残り惜しくも誰も選ばれ無かった事にファンから喜びの声もチラホラ有ったのは私も義兄ファンとして声には絶対出せないが内心、同意しか無い。自分以外なら踊らないでとは本当に勝手過ぎるが強火義兄ヲタクだもの
アリストテレス様と踊った私への視線が最後まで羨望と嫉妬に溢れていたのをひしひしと感じる。
それと同時に私もリナーニャへ羨望の眼を隠し切れないからだ。リナーニャのポケットには確りと義兄様の生徒手帳が有るのだ、羨ましい。
リナーニャへおめでとうと掠れがちに述べたら変な顔されてしまったが、自分でも裏返った変な声の自覚は有るので仕方無い
リナーニャは女騎士になるのだと将来に向け日々努力もしているし、中身も友達想いの俗に言う良い女だ
見た目だって良い。友達の贔屓目を除いても文句無しで、義兄様の見る目が有ると言わざる得ない
「「ルアージュ様」」
「はい、何か?」
声を掛けられ顔を身体ごと向ける。今、講堂に居るのは在校生だけとは言え人数的に馬車に乗る為に皆様、講堂を出るのはゆっくりだ
中には卒業する兄弟、姉妹や婚約者と帰った方々も居るが何しろ多くの生徒が同時に帰るのだからこの待ち時間は仕方無いと諦めて貰うより無い
振り返ると複数の女生徒に紛れ男子生徒もいる
「私達は美術同好会です。どうか先程の第二王子殿下とのダンス風景を描く許可を頂きたく参りましたの」
「まぁ。そうでしたのね、私は学園の規定通りなら構いませんわ」
「感謝します、第二王子殿下には既に許可を確認済みですのでご安心下さい」
わぁッと小さな声が上がり私は瞬きを繰り返した。嫉妬や羨望以外にも注目されていたようだ
学園は授業を終え、完全下校の17時までは好きに居られる。
特にお洒落な食堂を使った小さなカフェテラスが定期的に新作のデザートやドリンクが出るので人気だが、中には前世で言う部活動のようなものも有り、美術同好会は学園の校章入りキャンパスに模写を主に描く。
他にも粘土を使った制作など、怪我の無いような作品作りを許可された活動をしていて、中には空想を紙に描く事も有るらしい。
今のように許可さえ取れれば実物の個人も可能だがモデルのように時間は取れないので、見た姿を思い出して描いて貰う形では有るが成る程と頷いた。相手が誰であれ王子のラストダンスなら絵心有れば残したい気持ちも分かるな、と
美術同好会の皆様は軽く頭を下げ帰られて行くのを見守った
驚きと共に軽く気分転換になったようで、張り詰めていた息を深く吐き出した私は先程のシルバー様の照れ笑いされた話をシルバー様には聞こえないようにイルアの耳元へ囁いたのだ。
もっとも目敏くリナーニャとカルデナも来て円陣のような形での話になり、皆の合いの手で近くにいるシルバー様にも聞こえてしまったが、まぁ本人をからかう訳で無いので良しとしよう
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