乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ

いつき

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◯179 不審者の正体は

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エルグラム侯爵邸、領地の邸へは王都から数時間で着く

勿論、伯爵家からキュララ達以外にも護衛とエルグラム侯爵邸からも護衛がついた。

前後を挟むように先頭を侯爵家の護衛、後方、伯爵家の護衛なのは到着先が侯爵邸だからで有るが、親戚付き合いも密な上、乗っているのが私だからか警戒しながらも空気感が緩い

「お帰りなさいませ。お嬢様の好きなお菓子も沢山用意して有りますよ」

「トーマス…私がダイエット中と知ってるわよね?」

「無理なダイエットは宜しく有りませんから。妻から聞いた話では何でも胸から痩せるそうですよ?」

「!今直ぐ食べるわ!!」

こうして私のダイエットは何時も失敗に終わる。涙なんか出て無いんだからね!

ずっとささやかなお胸よ、そろそろ育ってくれ(切実)

さあさ、こちらへ。と案内されたのは…何故か当たり前に雑務室。

クロフォード様の執務室と同じく書類でパンパンな私専用の仕事部屋だった

ピナ達は見ぬ振りで私の荷物を片付けに行くし、護衛は交代で休息とばかりに出掛けて行った。旅は道連れって言うじゃない!と叫びたいが、書類仕事を代わって貰えるのはクロフォード様か執事だけ…私は大人しく部屋のソファーへ腰を下ろした

目の前に沢山置かれるスイーツ。キラキラしてるのはゼリーかしら?

星型やハート型のクッキー、アイスボックスも有る!腕を上げたわね!

幼い頃にこんなのが食べたいを無邪気にお願いし、材料と作り方を教えた甲斐が。

「さて。食べる前に此方から」

お茶が届けば食べる合図だ。寸止めで持ち上げた手が空中で止まる

わくわくした分、返して。と恨めしそうに見詰めた所でトーマスは気にしない

「ん~~?」

「最近、エルグラム事業に何かと接触を目論む輩リストです」

「ふ、不審者が出てるのが事業関係では無いかと聞いたばかりなのに」

「はい。なので直接、話に行きました。忍び込まれて誰か怪我でもしたらお嬢様が悲しまれますからな」

ハッハッハじゃなーい

「他国の方でしょう?言葉は?」

「多少なら話せますよ。共通語も有りますし」

侯爵邸執事ってお妃教育レベルなの?こう言っては何だけれど共通語と挨拶ぐらいだったソニア様を既に超えてるのではなかろうか

「これなら直接私が話した方が早いと思うわね。そのリストの方たちは今、領地内のアパートメントに住んでいる、と」

「お嬢様が直接は流石にやり過ぎでは?」

「でも、引かないでしょう?他国は他国。地続きで繋がっていてもマナーや常識、考え方が違うもの。王国の常識は他国の非常識なのよ」

「…かしこまして。多分、お嬢様を害する事は無いでしょうけれど万全の体制で話合いの場を設けましょう」

「えぇ、夕飯までに片をつけましょう」

朝に出発し、現在昼過ぎだ。

私はこのおやつを。使用人は肉体労働の護衛だけで無く、全員に食事が提供される

交互に取って貰い、一息ついたらアパートメントまで呼びに行って貰うとしよう。
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