乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ

いつき

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◯192 頼りがいしか無い

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私がアリストテレス王子の婚約者だと知ってエマ嬢はかなり混乱した様子

公爵令嬢だから圧倒的優位だと思っていたら一応、準王族扱いになる令嬢だったと知って驚かれている、と言った所かしら?

アイザス公爵は当然ご存知だけれど、わざわざ未婚の娘に他国の王族の婚約話はされて居なかったのかも。

私は様子があからさまに可笑しいエマ嬢を見て小さく首を傾げた

しかし、小刻みに震える彼女に目が言ってもう片方を見逃し、気が付くとバルガは私の3歩先まで詰め寄っていたのだ。

気付いた時は既に手を伸ばせば捕まる!!
目前、瞬間にアイク義兄様が肩を後ろに引いて抱える様に護ってくれた

そしてジェームズの杖の先から仕込み針が飛び出てバルガの喉元に、キュララが鞭で足を拘束、ピナは素早く私とバルガの間に入り正拳突きの構え、メリッサはバルガの背後から首に軽く爪を食い込ませていた

壁中に配置した護衛騎士も一斉に剣を抜刀し、両国全ての民から張り詰めた息を飲む自体となった

軽く目をパチパチと瞬かせ、バルガも不味いと感じたのか身体を引く

《わっわざとじゃない!なんかするつもりじゃないんだ!ただ、本当に奇跡の瞳か見たかった、だけで》

良く見たら、普通のメイドな筈のアンナやメイリンたちもフォークやナイフを取り出し臨戦体勢になっていてちょっとだけ微笑ましい

《その奇跡の瞳、発祥はこの国出身の吟遊詩人から出た"ただの御伽話"だろう》

アイク義兄様の声に驚いて、顔を上げる

抱き止められていて上向きになった

淑女からかなり外れた所作は赦して欲しい。

それだけ、驚いたのだ 

「アイク義兄様、それは本当?」

《本当だよ、クロフォードとずっと調べていたんだ。吟遊詩人が5大陸を巡り自身の作った物語を紡ぎ、当たり前だが誰もがただの夢物語として流していた。信じたのは偶々、丁度似た様な事例が有り、祈りと信仰の強いカレイドだけだった》

《本当に我が国で在った?》

バルガの呟きでエマ嬢が思い出した様に顔を上げた

《かなり昔にクララから聞いた事が有ったわ。私が聴いたのは病死では無いし、恋人では無く妻の話で。…確か息子を溺愛する母親が毒の入った食事を与え、軽く仮死状態になった妻を本当に亡くなったと思い込み、葬式を上げる前にお別れで彼女の好きな花を口に入れたらその花が薬で蘇った、とか何とか》

薬では無く花で死者は蘇らないだろう。生き返るタイミングか、神の采配か、はたまた逆に口に含んだのが毒で反応が出たのか。

綺麗な花には毒が有る、主に根や茎辺りに。で、有れば毒素さえ抜けば前世でエルダーフラワー等は身体に良いお茶として嗜む事も可能だった。
毒と薬は表裏一体と良く言うし

何が真実かは分からないが、前世も検査薬も無い時代、口にするのに勇気が要るものだって最初に誰かが試したから食べられたり飲めたりしたのだ

 元がアニメの為に最初から食材もガスも水道も困らないこの世界でも、まだまだ口にして良い物か分からないものも多いのかも知れない。
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