乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ

いつき

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◯195 子爵家は羊毛の産地です

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色々やる事は山積みなれど先ずはともかく、挨拶。親戚だからだけじゃない。今は私の発案した商売にもかなりお世話になっているから

「元気そうで安心したわ」

伯母様の優しい笑顔に伯父も無表情ながら歓迎して下さる

「あいつと同じ髪色が嘘の様に輝いている」

それは恐らく女の子だからですよ。背中の真ん中辺りまで伸ばした長い髪はクルリンパで纏め髪では有るけれど更にメイドの皆が丁寧に梳かし、艶出しに椿油を差した櫛を使ったりしてるもの

「ご無沙汰してます、伯父様伯母様。間も無くユーリ兄様とスミレ様の結婚式でしょう?先にお祝いの品を、とお持ちしましたの」

何時も世話になっているナタトリスの家

けれど、実際に足を運ぶのは早々出来ない

私の身の安全もだし、子爵家の皆様の安全の為にも

メリッサ、ピナ、キュララたちは勿論、伯爵領から他にも何名かメイドに付いて貰って祝いの品を次々と運ばせた

エルグラム侯爵家の商品は勿論、価値の有る宝石も原石で。好きにデザインと加工をして貰うも良し、飾るも良し。原石は困ったら売れる状態で足もつかない

スミレ様のご実家は特に問題無さそうではあるが、備え有れば憂い無しと言うでは無いか
 
「祝いの馬車もお持ちしましたの。馬も込みなので宜しくお願いしますわ」

「まぁ、そんなに?」

驚く伯母の声、無理は無い

馬車が通常の足な世界なのだ

良馬は貴重だし、かなり高価で取引されているし、馬車本体も良い馬車はこれだけで軽く家も建つ

「馬車はナタトリス子爵家の羊毛で始まったと言っても過言では有りませんもの。馬車のクッションは弾力も有り座り、易くなった筈。是非家族の皆様で使って下さいませ」

ただ、子爵家なので狙われ無い様に、他貴族から、やっかまれ無い様に極力、外装は抑えた

深緑と茶色の2色に抑えた男爵、子爵家に有りがちな容貌からは想像出来ない程、贅沢な内部。
是非、使用感を伺いたいものだ

「有難う、レンファ」

伯父も解っているのか、にこっと珍しく目尻を下げた

貴重過ぎる

伯父様は特に馬、大好きですものね

ルアージュもエルグラムも羊は住んでいるが、そもそも寒いナタトリスの領地から量産され、こっちまで増えた筈。

ナタトリスの祖父からか、その前からかは知らないけれど、お陰でクッションに使う羊毛や今、手掛けるアクセサリーにも困らないのだから感謝である

「ユーリとスミレさんは買い物に行ってて留守なのよ。戻って来たら食事にしましょう。アイク様もそれで宜しいかしら?」

護衛に付いてくれた義兄もせっせと荷物運びを手伝ってくれた

私も参加したかったが、さすがに止められたのだ

「勿論です。レンファの個人と別にルアージュ家からの祝いの品を持って来ました。義父はともかく、義母はセンス有りますから安心を」

祖父の血を強く継いでるからか義父は面白そうな物を選びがち。

堅物と呼ばれる子爵の伯父は実用的な良い物か、馬の様に動物か、消え物で嗜好品を好むので義父の好む派手に遊び心満載の品で無い事にあからさまにほっとしていた

親族でも方や王家の血を引く伯爵家、要らんとは言えないものね

「エルグラムからはクロフォード侯爵から別に届きますの。又、こちらは王家からですわ」

小さなメッセージカードを添えて有るのは小さな長方形の白い箱、伯父が生唾を飲み込むと恐る恐る箱を開き、小さく悲鳴を上げた

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