乙女ゲームで婚約破棄をリアルに体験するのはごめんだ

いつき

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◯196 金の薔薇

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質感の有る上品な白い小箱の中には小刀が。柄には子爵家の菖蒲紋とその下に金の薔薇の刻印がクッキリ浮き彫り、一貴族の祝いを王自ら祝った証である 

「何故、王まで!?」

焦る伯父様に伯母様は戸惑いがちに喜び、いぇ何か有ればこれで自害をと言う事かしらと不吉な不安を吐露された

「いいえ、ただの祝いです。ナタトリス家はそれだけ国に貢献しているのです。後、普通に父様の友人宅なので」

母様と結婚し、平民になった事で疎遠にはなったが、元は学友で有り学園時代はルアージュの伯父、現義父様とエルグラムの義父様含め楽しく過ごしていたらしい

「成る程。確かにハリフォードは愛想も良くてスルッと高位貴族や王族の皆様相手でもスルリと懐に入っていたものだ」

実弟ながら恐ろしかったと語る伯父の表情は、懐かしくも笑い話のようでほんの僅かに切なさも滲む

「きっと謝罪の意味も籠められているのでしょう。無理にでも母を側妃に召し上げておけば、と。王も王妃もあの事は一生の傷を受けたままなのでしょう」

私にも、クロフォード様にも深く消えない傷が付いたのだ

静かに目を伏せて泣き両親へ黙祷をする

「そうか。そうだな」

「それでも愛し合って結婚をし、貴女まで授かったのは間違いじゃないわ。貴族だからって心無い婚姻ばかりなら不幸でしょう?」

「スミレ様?」

振り返るとユーリ義兄様とスミレ様が荷物を両手に立っていた。メイドも連れず2人きりでデートを楽しんだようでユーリ義兄様は軽く息切れをして荷物を使用人に預けていた

「いらっしゃいませ、レンファラン様」

にこりと笑顔でカーテシーをするスミレ様。学園卒業後に一度実家に帰られていたが最近、挙式前から花嫁修業にと、こちらの領で住んで居る事はアリアから聞いていたのだが、すっかり女主人の風格を醸されていらっしゃる。

ユーリ義兄様、尻に敷かれたら良いわ、家族円満の秘訣よ

対等に相手を尊重するか、守り守られたいか、かかあ天下になるか。様々だが、真面目でしっかり者の伯父に甘え盛りの幼児期、上手く甘えられず、逆に甘え上手な妹の誕生にしっかり者の兄を求められて来たのだから奥様に手綱を握られつつ甘えれたら良い。

ちなみにこれはクロフォード様からの情報だ。同じく"妹"を持って更に当主になる同級生だから話せたのだろう

微笑ましい2人の関係性を眺めつつ、荷物を運び終わったアイク義兄様と茶の席に着いてエルグラム領での出来事を共有した

ナタトリス領とて狙われる可能性も事業的に在ったからだ

大量の祝品及び、王家からの祝に戸惑っていたナタトリスの皆様も流石に顔を引き攣らせ真剣に聞いてくれたわ。
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