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次期魔術師団長候補
「ねえ、この聞き取り調査ってする必要あるの?」
次期魔術師団長候補のマモンが砕けた口調で問いかけてきた。
明らかに礼儀を欠く態度に捜査官は少し不愉快になった。
しかし、魔術師は礼儀や常識を持ち合わせていない人種であることを思い出してそれ以上考えないようにした。
「ええ、ダンジョンの調査のために必要です」
「じゃあ、仕方ないから質問には答えていくね」
マモンは、クスリと笑った。
「ダリアさん?綺麗な人だよね。でも、それだけだよ。所謂女の嫌なところを煮詰めたような人だったね」
マモンは楽しげに話しているが、嫌悪を滲ませていた。
「僕は、人に興味がないからどうでもいいんだけど、でも、リリスに辛く当たっていたのは許せないんだよね」
彼もダリアがリリスに辛く当たっていた。と言い出す。
「ところで、今回のダンジョンの件なのですが」
「ああ、あれね。困ったよ。本当に、だって僕の婚約者の家のダンジョンなんだもん。損害賠償とか確実に請求されるでしょ?当然だけどさ」
マモンはどこか他人事のように、そんな事を言い出す。
自分が無関係だと言わんばかりに。
「婚約者の事なのになぜそんなに他人事なんですか?」
そう、ダンジョンの所有者の娘は彼と婚約しているのだ。
お互いの利害があっての婚約ではあるけれど、それでも、何一つ心配をしないなんてあり得ないことだ。
ベリアルもそうだが、あまりにも彼らは婚約者の事を軽く見ているように捜査官は感じた。
「当たり前だよ。だって、婚約が決まったのはダンジョンを持っているからだし、他に何の価値もない家門だしね」
マモンは、わざとらしく肩をくすめた。
望んだ婚約ではないというのが見てとれた。
「僕と一時的にも婚約できた事が栄誉だと感謝して欲しいくらいだよ」
マモンは、バカにするように笑った。
「ヒドラがいるからダンジョンも閉鎖するんでしょ?可哀想……。あはは、損害賠償も請求されるからどうやって返すんだろうね。まあ、僕には関係ないからいいけど。調査した連中も無能で使えないよね」
今回の事件に、マモンは無関係で自分は被害者の立場だと言いたいのだろう。
それに、このダンジョンの調査をしたのは魔術師団だ。
「……ところでお聞きしたいのですが、下級ダンジョンにS級モンスターが出る事はあるのでしょうか?」
「絶対にあり得ないね。でも、実際に起こったでしょう?」
マモンは、調査官の質問をバカにするように答えた。
つまり彼の考えとしては、突然変異だと言いたいのだろう。
「もしも、もしもですが、モンスターキューブを使用してこのような事が起きた可能性はありますか?」
捜査官は、S級モンスターの出現の可能性としてヒドラを封印したモンスターキューブの使用を考えていた。
もちろん、複数ある可能性のうちの一つではあるけれど。
「あり得ないね。モンスターキューブにそこまでの封印能力はないよ。神殿の下級神官が作った物でしょう?まあ、良くてもミノタウロスを閉じ込めるくらいじゃない?」
マモンは捜査官の質問に、何もわかっていない奴。と言わんばかりに笑った。
「わかりました。ありがとうございます」
捜査官は、質問に答えてくれたマモンにお礼を言った。
結局のところ、彼らは何か隠している。と、捜査官は結論づけた。
ここで、ダンジョン探索のメンバーではないが、ダリアの事を知る人物から話を聞く事にした。
~~~~
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本当に励みになってます
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次期魔術師団長候補のマモンが砕けた口調で問いかけてきた。
明らかに礼儀を欠く態度に捜査官は少し不愉快になった。
しかし、魔術師は礼儀や常識を持ち合わせていない人種であることを思い出してそれ以上考えないようにした。
「ええ、ダンジョンの調査のために必要です」
「じゃあ、仕方ないから質問には答えていくね」
マモンは、クスリと笑った。
「ダリアさん?綺麗な人だよね。でも、それだけだよ。所謂女の嫌なところを煮詰めたような人だったね」
マモンは楽しげに話しているが、嫌悪を滲ませていた。
「僕は、人に興味がないからどうでもいいんだけど、でも、リリスに辛く当たっていたのは許せないんだよね」
彼もダリアがリリスに辛く当たっていた。と言い出す。
「ところで、今回のダンジョンの件なのですが」
「ああ、あれね。困ったよ。本当に、だって僕の婚約者の家のダンジョンなんだもん。損害賠償とか確実に請求されるでしょ?当然だけどさ」
マモンはどこか他人事のように、そんな事を言い出す。
自分が無関係だと言わんばかりに。
「婚約者の事なのになぜそんなに他人事なんですか?」
そう、ダンジョンの所有者の娘は彼と婚約しているのだ。
お互いの利害があっての婚約ではあるけれど、それでも、何一つ心配をしないなんてあり得ないことだ。
ベリアルもそうだが、あまりにも彼らは婚約者の事を軽く見ているように捜査官は感じた。
「当たり前だよ。だって、婚約が決まったのはダンジョンを持っているからだし、他に何の価値もない家門だしね」
マモンは、わざとらしく肩をくすめた。
望んだ婚約ではないというのが見てとれた。
「僕と一時的にも婚約できた事が栄誉だと感謝して欲しいくらいだよ」
マモンは、バカにするように笑った。
「ヒドラがいるからダンジョンも閉鎖するんでしょ?可哀想……。あはは、損害賠償も請求されるからどうやって返すんだろうね。まあ、僕には関係ないからいいけど。調査した連中も無能で使えないよね」
今回の事件に、マモンは無関係で自分は被害者の立場だと言いたいのだろう。
それに、このダンジョンの調査をしたのは魔術師団だ。
「……ところでお聞きしたいのですが、下級ダンジョンにS級モンスターが出る事はあるのでしょうか?」
「絶対にあり得ないね。でも、実際に起こったでしょう?」
マモンは、調査官の質問をバカにするように答えた。
つまり彼の考えとしては、突然変異だと言いたいのだろう。
「もしも、もしもですが、モンスターキューブを使用してこのような事が起きた可能性はありますか?」
捜査官は、S級モンスターの出現の可能性としてヒドラを封印したモンスターキューブの使用を考えていた。
もちろん、複数ある可能性のうちの一つではあるけれど。
「あり得ないね。モンスターキューブにそこまでの封印能力はないよ。神殿の下級神官が作った物でしょう?まあ、良くてもミノタウロスを閉じ込めるくらいじゃない?」
マモンは捜査官の質問に、何もわかっていない奴。と言わんばかりに笑った。
「わかりました。ありがとうございます」
捜査官は、質問に答えてくれたマモンにお礼を言った。
結局のところ、彼らは何か隠している。と、捜査官は結論づけた。
ここで、ダンジョン探索のメンバーではないが、ダリアの事を知る人物から話を聞く事にした。
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