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義弟2
「カンニングについて教えてもらえますか?」
捜査官は、リリスとフェレスが話していたカンニング疑惑についてミカエルに質問した。
ミカエルは、質問を聞くだけで怒りを露わにさせた。
「カンニング?違いますよ!フェレスが姉さんに最後の試験で負けたから苦し紛れにカンニングをしたと教師に訴えたんですよ。アイツが姉さんに負けたのもちゃんと勉強しなかったからですよ」
ミカエルは、疑惑をキッパリと否定した。
「教師も姉さんがそんな事するはずないってわかってたんですけど、王族と聖女に調査しろ!って猛抗議されて再試験せざるおえなかったんです」
無罪だとわかっていても、学園サイドにそれを跳ね除けるほどの力がなかったのだろう。
「聖女なんてこれを拒絶したら、聖女を軽んじた事とみなして神殿から抗議する。って言ってきたんですよ」
自分の地位を笠にきて好き勝手やっていたのはどちらの方なのか。
調査官は、心象だけではあるが、ミカエルの言う事の方が信用できると思った。
「再テストの結果はもちろん問題なしでしたけど。疑われる事をした姉さんが悪い。と順位を抹消させたんですよ。横暴ですよ。アイツら!あんなのが国のトップとか終わってる」
ミカエルは、怒りが止まらないようだった。
自分の家族がそんな目に遭っていたら誰でも腹を立てて当然だ。
しかし、すぐにミカエルの怒りは消えて、今度は目を伏せて静かになった。
「……そこから姉さんがおかしくなっていったんです。ある日、滅多に話しかけてこない姉さんが話しかけてきて、私が死んだとしても自分の立場を理解して責任のある行動をしなさい。って言われたんです」
ダリアは、自分の身に何か起きる。と、察していたのかもしれない。
捜査官はそう思った。
「……ねえ、最後に話した会話がそれってどう思いますか?僕は後悔しかしていません」
ミカエルは、苦しみに満ちた表情で涙を浮かべていた。
「お願いです。どうか、姉さんを見つけてください。本当は僕が死んでも姉さんを探しに行きたいんですけど、そんな事したら父さんも母さんも悲しませてしまうから」
ミカエルは、ダリアのことが心配で何かしたいと思っているけれど、最後の交わした言葉を守るためになんとか踏みとどまっているようだ。
「だから、お願いです。早くしないと……。姉さんに秘密でつけておいた護衛がいて定期連絡が途絶えているんです」
護衛。という言葉に捜査官は瞬きした。
ミカエルは、自分自身が何もできないから、せめてという気持ちでダリアに護衛をつけたのだ。
「……護衛ですか?」
「はい、不安で僕がこっそりとつけたんです。A級の冒険者です。S級の冒険者は長期間雇うには無理があってできませんでしたけど」
この義弟、とんでもなく仕事ができるな。と、捜査官は思った。
まだ、ダリアが生きている可能性がでてきた。
もしも、ダリアが生きていた場合、家を継ぐのは彼女になる。
そうなったらミカエルは行き場所を失うかもしれない。
……そうなったら一緒に働きたい。
捜査官は、そんなことを考えながら。
上司にまとめた調査書を渡した。
「カンニングについて教えてもらえますか?」
捜査官は、リリスとフェレスが話していたカンニング疑惑についてミカエルに質問した。
ミカエルは、質問を聞くだけで怒りを露わにさせた。
「カンニング?違いますよ!フェレスが姉さんに最後の試験で負けたから苦し紛れにカンニングをしたと教師に訴えたんですよ。アイツが姉さんに負けたのもちゃんと勉強しなかったからですよ」
ミカエルは、疑惑をキッパリと否定した。
「教師も姉さんがそんな事するはずないってわかってたんですけど、王族と聖女に調査しろ!って猛抗議されて再試験せざるおえなかったんです」
無罪だとわかっていても、学園サイドにそれを跳ね除けるほどの力がなかったのだろう。
「聖女なんてこれを拒絶したら、聖女を軽んじた事とみなして神殿から抗議する。って言ってきたんですよ」
自分の地位を笠にきて好き勝手やっていたのはどちらの方なのか。
調査官は、心象だけではあるが、ミカエルの言う事の方が信用できると思った。
「再テストの結果はもちろん問題なしでしたけど。疑われる事をした姉さんが悪い。と順位を抹消させたんですよ。横暴ですよ。アイツら!あんなのが国のトップとか終わってる」
ミカエルは、怒りが止まらないようだった。
自分の家族がそんな目に遭っていたら誰でも腹を立てて当然だ。
しかし、すぐにミカエルの怒りは消えて、今度は目を伏せて静かになった。
「……そこから姉さんがおかしくなっていったんです。ある日、滅多に話しかけてこない姉さんが話しかけてきて、私が死んだとしても自分の立場を理解して責任のある行動をしなさい。って言われたんです」
ダリアは、自分の身に何か起きる。と、察していたのかもしれない。
捜査官はそう思った。
「……ねえ、最後に話した会話がそれってどう思いますか?僕は後悔しかしていません」
ミカエルは、苦しみに満ちた表情で涙を浮かべていた。
「お願いです。どうか、姉さんを見つけてください。本当は僕が死んでも姉さんを探しに行きたいんですけど、そんな事したら父さんも母さんも悲しませてしまうから」
ミカエルは、ダリアのことが心配で何かしたいと思っているけれど、最後の交わした言葉を守るためになんとか踏みとどまっているようだ。
「だから、お願いです。早くしないと……。姉さんに秘密でつけておいた護衛がいて定期連絡が途絶えているんです」
護衛。という言葉に捜査官は瞬きした。
ミカエルは、自分自身が何もできないから、せめてという気持ちでダリアに護衛をつけたのだ。
「……護衛ですか?」
「はい、不安で僕がこっそりとつけたんです。A級の冒険者です。S級の冒険者は長期間雇うには無理があってできませんでしたけど」
この義弟、とんでもなく仕事ができるな。と、捜査官は思った。
まだ、ダリアが生きている可能性がでてきた。
もしも、ダリアが生きていた場合、家を継ぐのは彼女になる。
そうなったらミカエルは行き場所を失うかもしれない。
……そうなったら一緒に働きたい。
捜査官は、そんなことを考えながら。
上司にまとめた調査書を渡した。
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