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卒業ダンジョン4
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卒業ダンジョン4
ベリアルは、この国の皇太子として生まれた。
冷徹な性格の彼は無駄な事を嫌い。
失敗を冒した使用人達を一人一人と切り捨てていった。
そんな彼を危惧したのは国王だった。
性格がよく心優しいと評判のダリアを彼の婚約者として据えて、ベリアルの心の成長を待った。
しかし、ベリアルの性質は何一つ変わらなかった。
むしろ、無駄な情のせいで無意味な事をするダリアに対して嫌悪を抱いていた。
それでも、王命だから。と、ダリアへの不満を隠して婚約者として誠実に接していた。
そんなある日、リリスと出会ったのだ。
ベリアルはリリスに溺れた。
自分の立場を忘れて、皇太子ならば何をしても許されると思い上がっていたのだ。
王妃に相応しいのはダリアではない。リリスだ。
ベリアルはそう思うようになっていった。
そうして、「仲間」達とダリアを秘密裏に殺害しようと計画を立てた。
その結果は身の破滅だった。
「お前から王位継承権を奪う」
国王の言葉にベリアルは耳を疑った。
この国では第一王子が国王になる決まりがあったからだ。
「私が第一王子なんですよ!」
自分以外に国王になれる者はいない。
ベリアルはそう信じていた。
「弟がいるだろう」
ベリアルには、弟がいた。
ダリアと同じように甘ちゃんのどうしようもない弟だ。
「お前には、まだ王子としての資格はあるがいずれそれすらも奪うつもりだ」
父は何を言っているのだろう。
「お前は、平民として生きていくんだ。だが、私も鬼ではない。王立学園を優秀な成績で卒業したという栄誉を奪うつもりはない。だから、卒業ダンジョンを攻略するんだ。そうすれば、お前の道は切り開ける」
ベリアルは、父親の熱のこもった言葉をまともに聞く事はしなかった。
頭の中にあるのは、リリスに対しての八つ当たりにも近い怒りだった。
そして、ベリアルは軟禁されてダンジョンへと連れてこられた。
リリスもマモンもフェレスも死んだ。
残ったのは、自分とクロノスだけだった。
「……!」
ミノタウロスは、先ほどの二人をあっさりと殺してしまい。物足りなさを感じていたように咆哮を上げた。
「はぁ、はぁ、もうすぐ出口だ」
ベリアルは、クロノスと一緒にダンジョンの出口付近へと辿り着いた。
「ダンジョン攻略は無理だ。後から何と言われようが恥を偲んで逃げ帰るしかない」
ベリアルは仕方ない。と、言わんばかりに虫に向けるような目をクロノスに向けた。
「ミノタウロスくらいなら倒せると話していたが嘘だったんだな」
ベリアルはクロノスに詰め寄った。
クロノスは言い返すこともできずに黙り込んだ。
そこに、ふたたび咆哮が聞こえた。
「……!」
ミノタウロスは、フェレスを嬲っただけでは物足りなかったのか、さらに興奮している様子だった。
「クロノス!早く行け」
ベリアルがクロノスに自分を守れ。と、命令するが、彼はそれに反応しなかった。
「ベリアル様、申し訳ありません。僕はこの国の国王に支える騎士です。貴方よりも優先されるべき人間なのです」
クロノスは、ベリアルをミノタウロスに向けて強引に押した。
ベリアルは、何が起こったのか理解できなかった。
分かったのは自分に忠実だと思っていた騎士は、ただの卑怯者でしかなかった事だった。
ベリアルはミノタウロスが放った拳を腹に受けて絶命した。
~~~~~
あと二話で終わります!!
ベリアルは、この国の皇太子として生まれた。
冷徹な性格の彼は無駄な事を嫌い。
失敗を冒した使用人達を一人一人と切り捨てていった。
そんな彼を危惧したのは国王だった。
性格がよく心優しいと評判のダリアを彼の婚約者として据えて、ベリアルの心の成長を待った。
しかし、ベリアルの性質は何一つ変わらなかった。
むしろ、無駄な情のせいで無意味な事をするダリアに対して嫌悪を抱いていた。
それでも、王命だから。と、ダリアへの不満を隠して婚約者として誠実に接していた。
そんなある日、リリスと出会ったのだ。
ベリアルはリリスに溺れた。
自分の立場を忘れて、皇太子ならば何をしても許されると思い上がっていたのだ。
王妃に相応しいのはダリアではない。リリスだ。
ベリアルはそう思うようになっていった。
そうして、「仲間」達とダリアを秘密裏に殺害しようと計画を立てた。
その結果は身の破滅だった。
「お前から王位継承権を奪う」
国王の言葉にベリアルは耳を疑った。
この国では第一王子が国王になる決まりがあったからだ。
「私が第一王子なんですよ!」
自分以外に国王になれる者はいない。
ベリアルはそう信じていた。
「弟がいるだろう」
ベリアルには、弟がいた。
ダリアと同じように甘ちゃんのどうしようもない弟だ。
「お前には、まだ王子としての資格はあるがいずれそれすらも奪うつもりだ」
父は何を言っているのだろう。
「お前は、平民として生きていくんだ。だが、私も鬼ではない。王立学園を優秀な成績で卒業したという栄誉を奪うつもりはない。だから、卒業ダンジョンを攻略するんだ。そうすれば、お前の道は切り開ける」
ベリアルは、父親の熱のこもった言葉をまともに聞く事はしなかった。
頭の中にあるのは、リリスに対しての八つ当たりにも近い怒りだった。
そして、ベリアルは軟禁されてダンジョンへと連れてこられた。
リリスもマモンもフェレスも死んだ。
残ったのは、自分とクロノスだけだった。
「……!」
ミノタウロスは、先ほどの二人をあっさりと殺してしまい。物足りなさを感じていたように咆哮を上げた。
「はぁ、はぁ、もうすぐ出口だ」
ベリアルは、クロノスと一緒にダンジョンの出口付近へと辿り着いた。
「ダンジョン攻略は無理だ。後から何と言われようが恥を偲んで逃げ帰るしかない」
ベリアルは仕方ない。と、言わんばかりに虫に向けるような目をクロノスに向けた。
「ミノタウロスくらいなら倒せると話していたが嘘だったんだな」
ベリアルはクロノスに詰め寄った。
クロノスは言い返すこともできずに黙り込んだ。
そこに、ふたたび咆哮が聞こえた。
「……!」
ミノタウロスは、フェレスを嬲っただけでは物足りなかったのか、さらに興奮している様子だった。
「クロノス!早く行け」
ベリアルがクロノスに自分を守れ。と、命令するが、彼はそれに反応しなかった。
「ベリアル様、申し訳ありません。僕はこの国の国王に支える騎士です。貴方よりも優先されるべき人間なのです」
クロノスは、ベリアルをミノタウロスに向けて強引に押した。
ベリアルは、何が起こったのか理解できなかった。
分かったのは自分に忠実だと思っていた騎士は、ただの卑怯者でしかなかった事だった。
ベリアルはミノタウロスが放った拳を腹に受けて絶命した。
~~~~~
あと二話で終わります!!
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