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忘れていた婚約者
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そいつは、何も言わずに勝手にやってきた。
「お久しぶりですね」
クロードはいつもと変わらない笑みを浮かべて、私に挨拶をしてきた。
「ええ、お久しぶりです」
「シエナ嬢やご家族がとても寂しがってましたよ」
サラリとシエナと他の家族だって人たちの事を口にするクロード。
あの人たちから、私を説得して連れ戻してきてほしいと頼まれたのだろう。
「あら、私がいないところで、仲がいいんですね」
私がまだにっこりと笑い。嫌味を返すとクロードは少しだけ困った顔をした。
「そうやって、誰かの気を引きたくて、嫌な物言いをするのはやめた方がいい」
どうしようもない人間に言って聞かせるみたいな口ぶりに、私は思わず声を出して笑ってしまった。
「今の私にそれをする必要ありますか?」
聖女になった私はあの人たちの顔色を伺う必要なんてない。
今の私は何もできないわけではないのだ。
誰かの助けになるような行動をとって、存在を認めて貰えばいい。
あの人達にこだわる理由なんてない。
「君の家族は、君が出で行ってから悲しみに暮れているよ」
「取り替えっ子が、自慢できる聖女だったから悔しがってるんですね」
家族は利用価値がある私がいなくなった事に後悔している。それだけだ。
「今ならまだ間に合うから、一緒に謝ろう。きっと、受け入れてくれるから」
「面白いことをおっしゃるのですね」
なぜ、私が謝らなくてはならないのか、謝るのは彼らの方だ。
謝ったところで許すつもりは全くないが。
「何を?」
「私があの人たちになんと言われて育てられてたか知ってますか?魂を取り替えられた子ですよ」
「それは、仕方ない事だろう。本心ではないはずだ」
クロードは、私に取り合うつもりはなさそうで軽くそれを流した。
どれだけ私のことを軽く扱っているのか全く自覚なんてないようだ。
「私、成人したら縁を切る予定です。その時には婚約も無事解消になると思いますよ。……私に構わないでください」
「君は、どんな思いで家族が過ごしているのかわかっているのか」
クロードは、やはり聖女に相応しいおめでたい頭をしているようだ。
「金蔓がいなくなった。ですかね?」
「君はいつから心根が腐ってしまったんだ」
「貴方もですよね。私の家門と聖女と縁ができる。だから、こうして、私の気持ちを踏み躙ってまで無理やり家に返そうとする」
「そんなつもりは、……君がわがままだから」
されたことを許さないのがわがままならば、わがままだと思われもいい。
だけど、彼には、自分がどれほど私を軽く扱ったのか自覚して欲しかった。
「わがまま。貴方、私のことをちゃんと見ていた事ありますか?」
私は淡々と彼のありえない行動を指摘していく。
「最後に会った時、私、シエナに池に突き落とされたんですよ。貴方、私を探す事もなく帰りましたよね。もしも、貴方が見つけて助けられていたらそんな事にはならなかったかもしれませんね」
「……あの時は、君が先に帰ってるってシエナが話していたから」
クロードは、さも当然のように自分は悪くないと言い切る。
「いつもそう、私を透明人間にして、少しでも私を尊重する気がありましたか?あ、聞きたくないです。腹が立つだけですから」
クロードの答えを聞かずに私は話を切り上げた。
彼が無自覚でいつもやっている事だ。
「黙って聞いていれば……」
クロードは静かに怒りを露わにさせた。
~~~
お疲れ様です
息子が発熱してバタバタしてます
「お久しぶりですね」
クロードはいつもと変わらない笑みを浮かべて、私に挨拶をしてきた。
「ええ、お久しぶりです」
「シエナ嬢やご家族がとても寂しがってましたよ」
サラリとシエナと他の家族だって人たちの事を口にするクロード。
あの人たちから、私を説得して連れ戻してきてほしいと頼まれたのだろう。
「あら、私がいないところで、仲がいいんですね」
私がまだにっこりと笑い。嫌味を返すとクロードは少しだけ困った顔をした。
「そうやって、誰かの気を引きたくて、嫌な物言いをするのはやめた方がいい」
どうしようもない人間に言って聞かせるみたいな口ぶりに、私は思わず声を出して笑ってしまった。
「今の私にそれをする必要ありますか?」
聖女になった私はあの人たちの顔色を伺う必要なんてない。
今の私は何もできないわけではないのだ。
誰かの助けになるような行動をとって、存在を認めて貰えばいい。
あの人達にこだわる理由なんてない。
「君の家族は、君が出で行ってから悲しみに暮れているよ」
「取り替えっ子が、自慢できる聖女だったから悔しがってるんですね」
家族は利用価値がある私がいなくなった事に後悔している。それだけだ。
「今ならまだ間に合うから、一緒に謝ろう。きっと、受け入れてくれるから」
「面白いことをおっしゃるのですね」
なぜ、私が謝らなくてはならないのか、謝るのは彼らの方だ。
謝ったところで許すつもりは全くないが。
「何を?」
「私があの人たちになんと言われて育てられてたか知ってますか?魂を取り替えられた子ですよ」
「それは、仕方ない事だろう。本心ではないはずだ」
クロードは、私に取り合うつもりはなさそうで軽くそれを流した。
どれだけ私のことを軽く扱っているのか全く自覚なんてないようだ。
「私、成人したら縁を切る予定です。その時には婚約も無事解消になると思いますよ。……私に構わないでください」
「君は、どんな思いで家族が過ごしているのかわかっているのか」
クロードは、やはり聖女に相応しいおめでたい頭をしているようだ。
「金蔓がいなくなった。ですかね?」
「君はいつから心根が腐ってしまったんだ」
「貴方もですよね。私の家門と聖女と縁ができる。だから、こうして、私の気持ちを踏み躙ってまで無理やり家に返そうとする」
「そんなつもりは、……君がわがままだから」
されたことを許さないのがわがままならば、わがままだと思われもいい。
だけど、彼には、自分がどれほど私を軽く扱ったのか自覚して欲しかった。
「わがまま。貴方、私のことをちゃんと見ていた事ありますか?」
私は淡々と彼のありえない行動を指摘していく。
「最後に会った時、私、シエナに池に突き落とされたんですよ。貴方、私を探す事もなく帰りましたよね。もしも、貴方が見つけて助けられていたらそんな事にはならなかったかもしれませんね」
「……あの時は、君が先に帰ってるってシエナが話していたから」
クロードは、さも当然のように自分は悪くないと言い切る。
「いつもそう、私を透明人間にして、少しでも私を尊重する気がありましたか?あ、聞きたくないです。腹が立つだけですから」
クロードの答えを聞かずに私は話を切り上げた。
彼が無自覚でいつもやっている事だ。
「黙って聞いていれば……」
クロードは静かに怒りを露わにさせた。
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お疲れ様です
息子が発熱してバタバタしてます
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