聖女様の生き残り術

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何様

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「で、なんの用事ですか?」

 マリネッタに退席してもらい、私は冷めた目で二人を見据えた。
 
「君に謝りに来た」
「は?」

 謝りにきた。というわりにしおらしさの欠片のないクロードに、思わず聞き返した。
 何様のつもりなのだろう。
 頭がおかしいのかもしれない。
 
「あれから、ずっと考えたんだ。君が酷い扱いを受けていたのに何もしなくて、酷いことをしたと思ってる」
「そうですか」

 だからなんだ。と、思った。
 
「それで、なんだが、カオリに君が運営して入り治癒院を任せてみたらどうなのかと考えているんだ」
「……は?」

 文脈が全くもって繋がらない。
 謝るのはついでで、私が運営している治癒院をカオリに引き継がせたいからクロードはここに来たようだ。
 
「というのも、君にとっても負担だろう?カオリがしてくれると話しているんだ」
「いや、ちょっと意味がわからないんですけど」
「彼女はたった一人でここまで来て、立場があまりないんだ。だから、君の治癒院を引き継ぐ形でそれを確立させてあげたいんだ」

 何言ってるんだこいつ。宇宙人なのか。
 とりあえず人語は話せているのに、思考回路は人のそれとは全く違う。
  
「つまり、貴方は、私が創り上げたものを、横から掻っ攫っていってカオリ様に渡したいと言いたいのですか?」
「君は、やはり変わってないな。聖女ならそれくらい許してやってもいいだろう。そもそも、君の家族ですら反省しているのにいつまでも許さなくて、どうかと思うぞ」
「は?」

 ヒロインのカオリと出会って、とうとう頭がおかしくなったのか。
 
「アイオラ様、どうかお願いです。私に治癒院を譲ってください」
「は?」

 黙っていたカオリが口を開いたと思ったら、乞食ですらドン引きするようなことを言い出す。
 
「こうして、頭を下げているだろう!」
「あの、頭とうとうおかしくなりました?」

 二人とも頭を下げていたのか、と、私は驚いた。
 譲ってもらって当然と言わんばかりの態度にしか見えなかった。
 
「酷いです!なぜ譲ってくださらないのですか?」

 譲らない私がおかしい。かのようなカオリの口ぶりに、言い返しても、勝手に被害妄想を爆発させそうな気がした。
 
「譲る気はありませんけど、手伝いたい。と言うのでしたら、どうぞ」

 あえて、譲る。とは口にせず。
 そう伝えると、カオリはなぜか瞳を輝かせた。
 
「わかりました!みんなに認められたら私の物ですね」

 どんな思考回路をしているのだろう。
 ご両親はこんな娘に育ってきっと泣いているような気がして可哀想だった。

 帰り際、マリネッタにとても謝られた。
 彼女の様子からかなり手を焼いているのが伝わってきて気の毒に思えた。
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