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クソすぎませんか?この本の世界
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「な、何これ……」
カオリは、顔を顰めてカサディンの傷口を見た。
瘴気を纏っている傷口は、ヒルのような黒い影が這っていた。
「き、気持ち悪い」
想像以上のグロテスクさに、カオリは思ったことを小声で口から出していた。
聞こえていたのは私だけだと思う。
明らかに嫌な顔をしたが、すぐに首を振って傷口に手をかけた。
途端に、傷口から這い出ていた瘴気は、みるみると消えていった。
この調子なら大丈夫だ。と、安心するのはまだ早い。
闇落ちを防ぐために、彼を助けなくてはならない。
カサディンがなぜ闇落ちしたのか。理由は単純だ。
カオリの浄化が甘かったからだ。医療でたとえるなら、医療ミスというところか。
カサディンは、カオリの処置の甘さのせいで闇落ちして私を殺し、魔獣になってしまう。
そして、そのカサディンを倒すのがカオリとクロードだ。
カサディンを倒した褒章として、彼が持っていた自治区と辺境伯の地位をクロードが貰うことになるのだ。
……クソすぎませんか?この本の世界。
私は誰ともなしにそう問いかけたくなるのだ。
あと少しで浄化が終わる。そう思ったタイングで、大きな声が処置室に響いた。
「すぐ近くで落馬事故です!負傷したのはクロード様です」
これも、本の中の展開だ。
落馬事故を知ったカオリがカサディンの傷の浄化を終了させて、クロードの付き添いをするのだ。
「く、クロード様が……?!」
カオリは、すぐにカサディンの浄化の手を止めた。
「まだ、浄化の途中だと思うけど」
「うるさいわね。もう終わってるわよ!私、クロード様のところに行くから、邪魔しないで!」
私がそれを窘めると、カオリは苛立った様子で反論してきた。
確かに見た目上は瘴気は見えないが、よく目を凝らすとうっすらとだが瘴気は見える。
「ねえ、やるべきことをやりなさいよ」
「辺境伯って田舎の伯爵ってことでしょ?これで充分よ。なんの見返りもないもの。それよりもクロード様に付き添った方がいいもの」
本の世界のカオリなら絶対にしない発言に私は驚く。
いや、もしかしたら、本質的にはそうなのかもしれない。
違っていたら、カサディンの浄化を放り出してクロードのところなんて行かないはずだから。
「それ、本気で言ってるの?」
「当たり前よ。私は玉の輿に乗るの。邪魔しないでよ!」
カオリは私を押し退けて、いなくなってしまった。
残された私はクロードを見ながら、ため息を吐いた。
「……いくら助けてもらっても、あんな人を好きになったら辛いわよ」
呟きなんて聞こえていないとは思うけれど、このまま放っておいたら後味の悪い結末が待っている。
誰が助けても同じだが、彼を闇落ちさせるのだけは止めたかった。
「じゃあ、私が続きはしますね」
私はカサディンの傷口に手をかざす。
カオリは、顔を顰めてカサディンの傷口を見た。
瘴気を纏っている傷口は、ヒルのような黒い影が這っていた。
「き、気持ち悪い」
想像以上のグロテスクさに、カオリは思ったことを小声で口から出していた。
聞こえていたのは私だけだと思う。
明らかに嫌な顔をしたが、すぐに首を振って傷口に手をかけた。
途端に、傷口から這い出ていた瘴気は、みるみると消えていった。
この調子なら大丈夫だ。と、安心するのはまだ早い。
闇落ちを防ぐために、彼を助けなくてはならない。
カサディンがなぜ闇落ちしたのか。理由は単純だ。
カオリの浄化が甘かったからだ。医療でたとえるなら、医療ミスというところか。
カサディンは、カオリの処置の甘さのせいで闇落ちして私を殺し、魔獣になってしまう。
そして、そのカサディンを倒すのがカオリとクロードだ。
カサディンを倒した褒章として、彼が持っていた自治区と辺境伯の地位をクロードが貰うことになるのだ。
……クソすぎませんか?この本の世界。
私は誰ともなしにそう問いかけたくなるのだ。
あと少しで浄化が終わる。そう思ったタイングで、大きな声が処置室に響いた。
「すぐ近くで落馬事故です!負傷したのはクロード様です」
これも、本の中の展開だ。
落馬事故を知ったカオリがカサディンの傷の浄化を終了させて、クロードの付き添いをするのだ。
「く、クロード様が……?!」
カオリは、すぐにカサディンの浄化の手を止めた。
「まだ、浄化の途中だと思うけど」
「うるさいわね。もう終わってるわよ!私、クロード様のところに行くから、邪魔しないで!」
私がそれを窘めると、カオリは苛立った様子で反論してきた。
確かに見た目上は瘴気は見えないが、よく目を凝らすとうっすらとだが瘴気は見える。
「ねえ、やるべきことをやりなさいよ」
「辺境伯って田舎の伯爵ってことでしょ?これで充分よ。なんの見返りもないもの。それよりもクロード様に付き添った方がいいもの」
本の世界のカオリなら絶対にしない発言に私は驚く。
いや、もしかしたら、本質的にはそうなのかもしれない。
違っていたら、カサディンの浄化を放り出してクロードのところなんて行かないはずだから。
「それ、本気で言ってるの?」
「当たり前よ。私は玉の輿に乗るの。邪魔しないでよ!」
カオリは私を押し退けて、いなくなってしまった。
残された私はクロードを見ながら、ため息を吐いた。
「……いくら助けてもらっても、あんな人を好きになったら辛いわよ」
呟きなんて聞こえていないとは思うけれど、このまま放っておいたら後味の悪い結末が待っている。
誰が助けても同じだが、彼を闇落ちさせるのだけは止めたかった。
「じゃあ、私が続きはしますね」
私はカサディンの傷口に手をかざす。
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