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無事、脱走を成功させた私たちは、ジークムントたちが一番最初に行った瘴気のある場所へと向かった。
私は見た事はないがジークムントが言うには、瘴気の見た目は黒色の炎のような影のらしい。
瘴気があった場所を見るが、何もない。ように見える。
「なあ、私には何があるのかよくわからないんだけど、お前には何か見える?」
「確かに表面上は瘴気が無くなったように見えるね」
表面上という言葉に私は引っかかりを覚える。
どういう意味なのか。
「表面上は?」
「うん、表面上は」
私が聞き返すと、さくらは「そうだ」としか返さない。
私を試しているのだろうか。
表面上は祓われたように見える。ということは、つまりまだ祓いきれていないという事ではないのだろうか。
「祓われてないって事?」
「どうだろうな。でも、しばらくしたらまた瘴気は活発化するよ」
さくらは、はっきりとそう言い切った。
それはつまり瘴気がまだ残っている。という事なのではないのか。
また、活発化するのか……?
考えることすら拒否したくなるくらい恐ろしい。
活発化したら、また、誰かが被害を受けるだろう。
どうしたら……!
「どうにからならないのか!」
「僕はあくまで原因を探る事を協力するだけで解決策は考えないよ」
言われてみればその通りで、さくらに助けを求めた自分が恥ずかしくなった。
「そうだったな」
原因さえわかれば、解決できると思っていた。
しかし、本当にそれで解決できるのか。
いや、そもそも本当に瘴気に問題があるのだろうか。
「なあ、本当に瘴気に問題があるのかな?」
「というと?」
思ったことを口にすると、さくらは不思議そうな顔で私を見ている。
あまり口にしたくないけれど、自分の考えの一つを聞いてもらった方がいいような気がした。
「突然の活発化って瘴気のせいだと思ってたけど、実は違うのかも」
「うん?」
さくらは不思議そうに首を傾けた。
「実は、払っている側に問題があるとか」
瘴気の祓い方が中途半端で、まだ残り滓があるとか。
「聖女が手を抜いてるとか?」
さくらが一つの答えを出すが、私はそれは絶対にあり得ない。と思った。
「いや、それは絶対にない!アイツはそんな事絶対にしない!」
アルネは、少しどころかかなりアレな女だが。
自分の役目をきっちりと果たす奴だ。
私たちを困らせたいがために、こんなにも愚かな事をするはずがない。
それだけは信用できる。
出発する時と彼女を見ていたら、そう思えるのだ。
「なかなかちゃんと評価するね。僕もそうだと思う」
さくらは揶揄するが、そうしつつも私の考えを認めた。
つまり、どういう事なのだろうか。
結局わからないままだ。
「……次の場所はどうなんだろう」
どのみち、ここだけを見たところでわかるわけがない。
「行くしかないね」
私たちは聞き込みをして、ジークムントたちがつぎに行った場所へと向かった。
そして、そこもここと同じような状況だった。
~~~
お読みくださりありがとうございます
感想、お気に入り登録、エール、いいね、しおりしてもらえると嬉しいです
忙しくて、肉体的にしんどくてしばらく更新回数が減ります
よろしくお願いします
無事、脱走を成功させた私たちは、ジークムントたちが一番最初に行った瘴気のある場所へと向かった。
私は見た事はないがジークムントが言うには、瘴気の見た目は黒色の炎のような影のらしい。
瘴気があった場所を見るが、何もない。ように見える。
「なあ、私には何があるのかよくわからないんだけど、お前には何か見える?」
「確かに表面上は瘴気が無くなったように見えるね」
表面上という言葉に私は引っかかりを覚える。
どういう意味なのか。
「表面上は?」
「うん、表面上は」
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「祓われてないって事?」
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それはつまり瘴気がまだ残っている。という事なのではないのか。
また、活発化するのか……?
考えることすら拒否したくなるくらい恐ろしい。
活発化したら、また、誰かが被害を受けるだろう。
どうしたら……!
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しかし、本当にそれで解決できるのか。
いや、そもそも本当に瘴気に問題があるのだろうか。
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「というと?」
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あまり口にしたくないけれど、自分の考えの一つを聞いてもらった方がいいような気がした。
「突然の活発化って瘴気のせいだと思ってたけど、実は違うのかも」
「うん?」
さくらは不思議そうに首を傾けた。
「実は、払っている側に問題があるとか」
瘴気の祓い方が中途半端で、まだ残り滓があるとか。
「聖女が手を抜いてるとか?」
さくらが一つの答えを出すが、私はそれは絶対にあり得ない。と思った。
「いや、それは絶対にない!アイツはそんな事絶対にしない!」
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私たちを困らせたいがために、こんなにも愚かな事をするはずがない。
それだけは信用できる。
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つまり、どういう事なのだろうか。
結局わからないままだ。
「……次の場所はどうなんだろう」
どのみち、ここだけを見たところでわかるわけがない。
「行くしかないね」
私たちは聞き込みをして、ジークムントたちがつぎに行った場所へと向かった。
そして、そこもここと同じような状況だった。
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