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それは一瞬だったのかもしれない。お互いの緊張が見事にマッチしてしまい、その後の話が何も進まなくなった。その結果、二人の間には大きな距離ができてしまった。元々、私たちの婚約の意義は、ただ単純に子供を産むことだったから、それが実現できないと、婚約している意味がないとも言えるわけだ。
そんなことは分かっている。でも、お互いに恥じらいの気持ちを隠せないから、中々夜の営みを達成することができない。そうすると、お互いの親から白い目で見られるようになるのだった。
私は時々お父様に呼び出されて、
「ザイツ様とは仲良くやっているか???」
と質問された。私は大体、
「まあまあ、それほどに上手くやっています」
と答えて誤魔化していた。でも、お父様は中々鋭いから、私が誤魔化していることを悟り、
「本当は全然上手くいってないんじゃないのか???」
なんて突っ込まれることも多々あった。
ザイツ様はザイツ様でやはり大変なようだった。皇帝陛下に呼び出されて、
「マリア殿と上手くいっているか???」
なんてダイレクトに質問されたようだ。
「そもそも夫婦の営みができていません……」
なんて答えようものなら、皇帝陛下も本気で怒るってことになったのかもしれない。まあ、まだ気が付かれていないだけマシなのかもしれないが。
二人の仲が悪いってことはなかったはずだ。少なくとも、私はザイツ様のことを信頼していたし、始めてお目にかかったわけではあるが、悪いとは全然思わなかった。ザイツ様もザイツ様で、多少なりとも私のことを気にかけてくださっているようで、お互いにそんな感じで良かったのだと思った。
でも、結局のところ親とか、そういう社会的なプレッシャーによって、私たちの夫婦関係がぎこちなくなっていくのを感じ、なんとも歯がゆく感じるわけだった……。
そんなことは分かっている。でも、お互いに恥じらいの気持ちを隠せないから、中々夜の営みを達成することができない。そうすると、お互いの親から白い目で見られるようになるのだった。
私は時々お父様に呼び出されて、
「ザイツ様とは仲良くやっているか???」
と質問された。私は大体、
「まあまあ、それほどに上手くやっています」
と答えて誤魔化していた。でも、お父様は中々鋭いから、私が誤魔化していることを悟り、
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ザイツ様はザイツ様でやはり大変なようだった。皇帝陛下に呼び出されて、
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