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その8
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目を覚ますと、そこは普段と違う部屋だった。
「お目覚めですか?ファンコニー様!」
「リンプル……なのか?」
「いいえ、リンプルさんではございません。リンプルさんは、先ほど逮捕されました」
「逮捕っ、逮捕されたのか?」
ファンコニーはガバッと起き上がった。
「君は一体何者なんだ?ここはどこだ?」
「ファンコニー様。ご心配には及びませんわ。ここは、我がホフマン公爵家の邸宅でございます。先ほど、城の外の道で横たわっていらしたので、急遽こちらに運ばせていただいて、応急処置を施しました」
「そうなのか……どうして倒れていたんだろう……」
ファンコニーは、その時の様子をなかなか思い出せなかった。
「おそらく……一時的な意識消失だったのでしょうけど、その原因はリンプルさんにあると思うんです」
「リンプルだって?それは一体どういうことだ?」
「つまり、リンプルさんが、あなた様を殺害するために仕組んだ罠だということですよ」
「私を殺すためだって?ばかばかしい!そんなこと、あるわけないだろう!」
「私は、ホフマン・アンナと申します。諜報員をしております。実はリンプルさんを逮捕したのは、私なんです」
ファンコニーは、もう一息でアンナに掴みかかるところだった。それだけ、怒りに燃えていた。
「嘘だ。そんな話は全てデタラメだ。早く嘘だと言うんだ。君にリンプルを逮捕する権限なんてないはずだ!」
「ファンコニー様。落ち着いてください。私には警察権の行使が認められております。ですから、疑わしき人間を逮捕することができるんですよ」
「仮にそうだとして、彼女に一体何の疑いがあると言うんだ?」
「それはですね……国家転覆を目論んでいたという疑いです」
「何をばかばかしい……」
「ファンコニー様?あなたの婚約者が逮捕されて動揺しているのはわかります。ですが、私たちも捜査をしなければなりません。国体保持のため、必要なことなのです。是非ともご協力していただきたいと存じます」
「ならば……私も捜査の仲間に入れてくれないだろうか?」
「残念ながら、それは越権行為になってしまいます。私たちには高度な独立性が求められておりますため、ご遠慮願います。それでは……私は捜査に戻りますので、もうしばらくここでお休みくださいませ」
帰りがけ、アンナは侍従たちに申し付けた。
「しばらくの間、ファンコニー様を部屋から出さないように」
こうして、ホフマン親子による本格的な捜査が始まることになった。
「お目覚めですか?ファンコニー様!」
「リンプル……なのか?」
「いいえ、リンプルさんではございません。リンプルさんは、先ほど逮捕されました」
「逮捕っ、逮捕されたのか?」
ファンコニーはガバッと起き上がった。
「君は一体何者なんだ?ここはどこだ?」
「ファンコニー様。ご心配には及びませんわ。ここは、我がホフマン公爵家の邸宅でございます。先ほど、城の外の道で横たわっていらしたので、急遽こちらに運ばせていただいて、応急処置を施しました」
「そうなのか……どうして倒れていたんだろう……」
ファンコニーは、その時の様子をなかなか思い出せなかった。
「おそらく……一時的な意識消失だったのでしょうけど、その原因はリンプルさんにあると思うんです」
「リンプルだって?それは一体どういうことだ?」
「つまり、リンプルさんが、あなた様を殺害するために仕組んだ罠だということですよ」
「私を殺すためだって?ばかばかしい!そんなこと、あるわけないだろう!」
「私は、ホフマン・アンナと申します。諜報員をしております。実はリンプルさんを逮捕したのは、私なんです」
ファンコニーは、もう一息でアンナに掴みかかるところだった。それだけ、怒りに燃えていた。
「嘘だ。そんな話は全てデタラメだ。早く嘘だと言うんだ。君にリンプルを逮捕する権限なんてないはずだ!」
「ファンコニー様。落ち着いてください。私には警察権の行使が認められております。ですから、疑わしき人間を逮捕することができるんですよ」
「仮にそうだとして、彼女に一体何の疑いがあると言うんだ?」
「それはですね……国家転覆を目論んでいたという疑いです」
「何をばかばかしい……」
「ファンコニー様?あなたの婚約者が逮捕されて動揺しているのはわかります。ですが、私たちも捜査をしなければなりません。国体保持のため、必要なことなのです。是非ともご協力していただきたいと存じます」
「ならば……私も捜査の仲間に入れてくれないだろうか?」
「残念ながら、それは越権行為になってしまいます。私たちには高度な独立性が求められておりますため、ご遠慮願います。それでは……私は捜査に戻りますので、もうしばらくここでお休みくださいませ」
帰りがけ、アンナは侍従たちに申し付けた。
「しばらくの間、ファンコニー様を部屋から出さないように」
こうして、ホフマン親子による本格的な捜査が始まることになった。
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