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トスカーナ様の意見に私は反論したかった。でもね、トスカーナ様の強制は私を止めることが出来なかった。
「いいから、早く王女様に謝るんだ……」
トスカーナ様は私のことを掴み上げる……愛しているときのサインではなくて、私のことをまるで恨んでいるように。私のせいで、トスカーナ様と王女様の関係が悪くなってしまったことを詫びないといけないのか……。
私はトスカーナ様の婚約者であるのに……。
「ねえ、トスカーナ殿。このお嬢さんがこんな仕打ちをしたのだから……」
仕打ちは事実……私は王女様に暴行した。
「それがどういうことだか分かるわよね?あなたは私との付き合いをこのお嬢さんとの憂さ晴らしに利用したのだろうけど……よくよく考えれば、あなたは私のことを虜にしてしまったのだから……私から逃げることなんて出来ないのよ……」
トスカーナ様はこくりと頷いた。そんな簡単にオッケーするなよ……と、私は思った。
「まあ、いいや。さあ、トスカーナ殿……この場で正式に婚約の解消を宣言してくださるかしら?」
私がトスカーナ様との愛を貫くためにした行動……それでも、王女様を敵に回したのはまずかった。まあ、考えれば分かることだったのだけど……。
「承知いたしました……」
トスカーナ様は私の元にやって来て……非常に気まずそうな顔で私に語りかけるのだった。
「君には申し訳ないが……王女様を傷つけてしまった令嬢との関係を続けることは出来ない……婚約を解消させてもらうよっ……」
私のことをたくさん愛してくださったトスカーナ様……私もその分、トスカーナ様を愛した。
こんな形で終わってしまうのは残念だった……でも、仕方がないんだね。私の嫉妬心から生まれた結果だから。はあっ、自分のことを健気な乙女だと思っていたのに、結果は全然違ったんだ。
もう諦めよう……私は全速力で走り去った。
「エリザベート、待つんだ!」
トスカーナ様は最後にこう叫んだ。でもね、私はもう後ろを振り返らなかった。振り返っても、トスカーナ様がいつもみたいに私のことを追いかけてこないことは明白だったから。王女様に謝るくらいなら、このまま学院から消えてしまった方がましだと思った。
「いいから、早く王女様に謝るんだ……」
トスカーナ様は私のことを掴み上げる……愛しているときのサインではなくて、私のことをまるで恨んでいるように。私のせいで、トスカーナ様と王女様の関係が悪くなってしまったことを詫びないといけないのか……。
私はトスカーナ様の婚約者であるのに……。
「ねえ、トスカーナ殿。このお嬢さんがこんな仕打ちをしたのだから……」
仕打ちは事実……私は王女様に暴行した。
「それがどういうことだか分かるわよね?あなたは私との付き合いをこのお嬢さんとの憂さ晴らしに利用したのだろうけど……よくよく考えれば、あなたは私のことを虜にしてしまったのだから……私から逃げることなんて出来ないのよ……」
トスカーナ様はこくりと頷いた。そんな簡単にオッケーするなよ……と、私は思った。
「まあ、いいや。さあ、トスカーナ殿……この場で正式に婚約の解消を宣言してくださるかしら?」
私がトスカーナ様との愛を貫くためにした行動……それでも、王女様を敵に回したのはまずかった。まあ、考えれば分かることだったのだけど……。
「承知いたしました……」
トスカーナ様は私の元にやって来て……非常に気まずそうな顔で私に語りかけるのだった。
「君には申し訳ないが……王女様を傷つけてしまった令嬢との関係を続けることは出来ない……婚約を解消させてもらうよっ……」
私のことをたくさん愛してくださったトスカーナ様……私もその分、トスカーナ様を愛した。
こんな形で終わってしまうのは残念だった……でも、仕方がないんだね。私の嫉妬心から生まれた結果だから。はあっ、自分のことを健気な乙女だと思っていたのに、結果は全然違ったんだ。
もう諦めよう……私は全速力で走り去った。
「エリザベート、待つんだ!」
トスカーナ様は最後にこう叫んだ。でもね、私はもう後ろを振り返らなかった。振り返っても、トスカーナ様がいつもみたいに私のことを追いかけてこないことは明白だったから。王女様に謝るくらいなら、このまま学院から消えてしまった方がましだと思った。
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